光との行為はスキ。
だって、いつもと違う光の顔が見れるから。
Yに溺れる
「ぁ、やッ、ひかるッ…も、…ッい、いから、ぁっ」
内腿に見え隠れする光の髪の毛をくしゃりと掴んで私は必死に言葉を紡ぐ。
「あかん、1回、イっとき…ッ」
光の掠れた声。
その声が聞こえた次の瞬間、ぐちゃぐちゃになった更に奥、一番敏感なところをきゅっと摘まれ、私は一際高い嬌声を上げた。
「…ぁ、はぁ、はぁっ」
息がとまる感覚。
その瞬間快感に歪む顔。
私じゃなくて、貴方のその顔が見たいのに。
「ば、か…ッ」
息を切らしながらこちらを見上げる光に悪態をつく。
そんな私を見て、光は口の端を上げ、意地悪く笑う。
「不満な顔、しとる」
ゆっくりとベッドの上に移動しながら光が口を開いた。
「も、いいって、言った」
「先輩がかわえぇからあかんのですわ。イカせたなってもうた」
そんなの、私だって一緒なのに。
直らない私の不満顔にちゅっとキスをし、光が耳元で囁いた。
「ほんなら、次は一緒にイキましょ」
―――先輩が満足するまで、何度でも突き上げたるから。
私の不満顔に込められた意味を、全て掬い取って。
光が達する瞬間、その長い前髪が跳ねる。
その時飛沫となって散る汗一粒一粒までもが愛しい。
「く…っ、ぅあ、…ッ」
声を出すまいと眉間に寄る綺麗なライン。
ピアスのぶつかる金属音。
繋がった場所から感じるドクドクと脈打つ血管。
その瞬間の彼の、歪んだ、顔。
ああ、そう。
これが見たかった。
自分の意識を繋ぎとめておくのにも必死なはずなのに、
光のその姿だけはいつだって目に焼き付けておきたいんだ。
何度目かの絶頂を迎えた後、肩を上下させて、光が私の首筋に顔を埋める。
そんな光の耳朶にカリ、と歯を立てると、
「…まだ、満足せえへんのですか」
湿った髪の隙間からのぞく眼光。
私は少しだけ笑ってその髪を指で梳かす。
絡めたはずの黒髪がすっと指をすり抜けて逃げてゆき、
気付けばまた私の上に覆いかぶさる光の姿。
「ホンマ、どうしようもない淫乱っスわ」
楽しそうに口を歪めて。
ああ、もう、
溺れていくしかない。