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羽 根  〜lay down my arms〜




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 時は滔々と流れる。
 全ては過去の産物。
 この先に待っているのは耐え難い痛み。
 留まることを知らない流れは、記憶すら押し流す。



 貴方もただ、通り過ぎるだけの筈だった。




 しかし出逢ってしまった。
 貴方は立ち止ってしまった。



 もう何かを忘れたままイキタクナイ。




 逝く時は一緒が良い。












 カーテン越しに降り注ぐ淡い月の光に浮かび上がるしなやかな体躯。
 白い肌は今は汗ばみ、上気している。
 その額に張り付いた銀色の髪を掻き揚げた。


 「ユーリ‥‥」


 耳朶に口唇を寄せて名を呼ぶと反応は顕著に現れる。
 組み敷いた身体の奥に深い波が起きた。
 シーツの波に揺れる肌にはいくつもの赤い跡が散っている。

 慣れた行為。
 それでも、何時もとは何処かが違う。


 「ユーリ‥‥、今日はどうしたんスか‥‥?」
 「‥‥っ‥は‥‥」
 「なんか何時もより‥‥っ!」


 瞬間、繋がった箇所から甘い痺れが全身に広がる。

 呻き、波をやり過ごす様に俯いた自分に魅せる妖艶な微笑。
 彼の奥が誘う様に収縮する。


 「黙れ‥‥」


 耐え切れないといった風に伸ばされた白くしなやかな腕が深緑の髪に触れ、
 強く引き寄せる。


 その表情に、仕草に、全てに溺れている。
 この人が居ないと息も出来ない程に。


 貪欲に求める身体。


 乞われるまま舌を絡めると互いの限界の近さを知る。
 自分だけを映す真紅の瞳に口付けると脚を抱え直した。



 確かに彼の瞳は自分を映して居る筈なのに。





 「ユーリ‥‥今、何処見てるんスか‥‥?」





 “いつか”なんて、いつ来るかも知れない恐怖に怯えている。

 いつだって自分には“今”しかないのに――






〜END〜







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氷疋かえで様から頂いたアシュユリ小説でした。
へへ・・・本命カプ違うのにも関わらず申し訳ない限りであります。(汗
氷疋さんの書く話はもうえっらいせっつなくてヤバんですよ・・。
今回もお互い愛し合ってるのにも関わらずすれ違い、みたいなカンジで。
本当・・・ありがとうございました〜っ!!






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