*+*+*+ Thermometry +*+*+*




「検温の時間っスよ〜」

私の担当医師がそう言いながら病室へ入って来た。
普通ならば看護士が巡回で来る所だが、今日ばかりは人手が足りずにこの緑髪の犬耳先生も駆り出されたらしい。
私はぼんやりした頭で上半身を起こした。
「お休みの所に申し訳ないっス」
心底申し訳なさそうにそう言う彼に『安眠妨害だ』などと毒づくわけにもいかず、
表向き快諾したようなふりをしてみたのだが思いの他その顔は引き攣っていたらしい。
アッシュは困ったように笑い、「すぐ終わるっスから」と白衣のポケットに手を伸ばしせわしなく何かを捜し始めた。
大方体温計あたりだろう。しかしいつまでたっても目的物は一向に出てこない。
困ったっスね…とアッシュが一人ごちた。
「どうした?」
「え?あ、いや…」
頭を掻きながら『体温計、忘れてきちまったっス…』と苦笑する。
せっかく回ってきた検温で体温計を忘れるとは何事か。
溜め息をついて呆れつつ彼に目をやると犬耳が垂れていて、私の加虐心を誘った。



幸いと言うべきか、私のいる病室は病棟のはずれの方にある。
体温計を取りに行くのも億劫なはずだ。
まあこの真面目先生なら行くかもしれないが、今回ばかりは私がそうはさせない。
そう思っている側からアッシュはちょっと急いで取って来ると言い病室を出ようとした。
そんな彼の白衣を掴み、引き止める。
「・・・?どうしたんっスか…?」
予想だにしなかった事に先生は目を丸くし(ているのだと思う)、振り返った彼にそのま
ま抱きついた。
「ユ、ユーリ!?」
動揺の色が激しく声が上ずっている。
そんな彼が可愛くて、意地悪にも笑った。
そして耳許で囁く。
「体温くらい、お前が自分の体で測ればいいだろう?」
「??は…?」
何が何だか判らないと言いたげなアッシュを尻目に私は彼の股間のあたりにズボンの上から
手を這わせる。
「ココで繋がったところから測るんだ・・・。判るだろう?」
「!ユッ…ユユユ…っん…っ」
慌てふためきドモるアッシュの唇を塞ぐような感じで奪った。
舌を絡めわざといやらしい音が立つように合わせる角度を変える。すると口の端から自分
のともアッシュのとも判らない唾液が溢れた。
大きな身体に腕を絡めて半強制的にベッドへ引き寄せた。
「ユ…ユーリ…あの…」
「なんだ?私とするのはそんなに不本意か」
「い、いえ…」
「じゃあいいじゃないか」
「おれ…仕事中なんっスけど…」
「私の熱を計るんだからちゃんと仕事になってるだろう」
「でも」
「アッシュ」
「ハイ?」
「立ち膝になれ」
「ハ、ハァ…」
私は立ち膝になったアッシュのベルトを外しファスナーを下ろした。
するとブリーフの下がかすかに熱を帯び始めていることが判り私は何故か嬉しくなった。
「ユーリ…」
アッシュの私を呼ぶ声が熱い。
下着から性器を取り出しそれの先端から舌を這わせた。ゆっくりじらすような舌の動きに
彼自身もどんどん固くそそり立って行く。それを口に入れるとアッシュから小さく喘ぎが漏れた。
喉のギリギリ、むせ返りそうな所まで入れて丹念にしゃぶりあげると口内の性器が一気に
膨らんでいった。
「…ん…う…んっ…・・・っ」
口に含みきれなくなったモノの先端だけを舌を這わせたりしゃぶったりして愛撫を加えて
いく。
その頃にはアッシュは与えられる快感を離すまいとし私の髪に指を絡ませていた。
「も…そろそろいいっスよ…」
アッシュは自分の股間から私を離すと唾液と精液でべとべとになった私の顔をきれいに舐めた。
ざらつく獣の舌に、欲情した。
そのままアッシュの腰に跨ると彼は恥じらいもせずさらけ出されている私の性器を弄りだした。
「っや・・・あぁ…ぁ…ッ」
しゃぶっている間も敏感に反応していたそこはすでにピンクに染まり、先端からは液体がこぼれ出していた。
「ユーリのココ、カワイイっスね…」
男根が可愛いと言われて喜ぶ男がどこにいると思ったが、不思議とアッシュに言われるのはいやではなかった。
むしろそれじゃあもっといじってくれと言いたくなってしまう。
「アッシュ…もう…」
「まだ慣らしてないからダメっスよ」
「嫌だ・・」
「ガマンしてください」
「・・・早く・・・欲しいッ・・・!」
「…まっ…ユーリ……!」
性欲のままに腰を浮かせアッシュの性器を一気に挿入した。痛みと共に全身の毛が逆立つような快感が走る。
自らの精液で濡れすでにズクズクになったそこは痛々しいほどに張ったアッシュのモノもすんなり受け入れた。
「あぁッ…はぁっあっあっ…」
感じるままに腰を振る。結合部分からはぐちゅぐちゅと濡れた音がしてセックスをより熱いものにさせた。
「あっあぁ…ぁんっ!」
「っ…ユーリ…」
アッシュが私の名を呼ぶ。しかしただただ快楽を貪っている今は遠くから何かを言われている
という認識しか持つことが出来ずに意味をなしていなかった。
何度名前を呼んでも喘ぎでしか返さない私に見兼ねたのか、アッシュは私の腰を掴んで動きを制した。
「…っ・・・アッシュ離し…」
「ユーリ」
甘ったるい声でその手をどかしてくれとねだったがそう思うようにはなってくれなかった。
アッシュが私を正面から意地の悪い顔で見つめる。
「手、どかして欲しかったら、おれの名前呼んでください」
深く打ち込まれている杭を焦らすように動かしながらアッシュがそう言った。
生意気な犬の態度に流石に苛立ちを感じたが、今はそんなこと言っている場合ではない。
判った、判ったからと縦に頷き腰の開放を求め、アッシュはそれに応じた。
私はすぐさままた腰を振り始め、再度痴態を晒し始めた。喘ぎの中でアッシュの
名前をうわごとのように呼ぶ。すると彼も一層興奮してきて腰を動かしてきた。
「あぁ…ッアッシュ…っはっあ…あッ・・・ぁイイっ!」
「ユーリ…っ」
下半身で身悶えるアッシュの性器を締めつけたり緩めたりして昇り詰めていく。
今まで何度も交わったお陰でお互いの性感帯は知り尽くしている分、限界まで達するのにはあまり時間はかからなかった。
無我夢中で腰を振りアッシュが私の名前を呼んで性器を根元まで入れたのを感じた瞬間、私は思考を真っ白させた。




私が次に気がついた時は広い胸の中だった。
人狼であるアッシュの体は私より遥かに暖かく、裸で寝ていても身体が冷えることはなかった。
もぞもぞと動いている私に気付いたのかアッシュ声をかけてきた。
「あ、目ぇ覚めたっスか・・・」
「あぁ・・・」
「そっスか…あ〜…すんませんでした…」
「何のことだ?」
頬を掻きながら申し訳なさそうな顔をする。照れているのか多少頬が赤いような気がした。
謝られるような事など何かあっただろうか。
見当がつかず頭を疑問符だらけにしているとアッシュがこう切り出した。
「体温、計るの忘れちまったっス…」
何を言うかと思えばそんなことか。
その言葉に一瞬呆れ、気が抜けた。自然と笑いがこみ上げてきて、私は吹き出した。
「ふっ…は…はははははっっ…」
「なぁにがおかしいんっスかっ」
赤面して怒ったような顔をする犬医者にまた笑う。
こいつには性欲にかまけて仕事を完全にすっぽかそうとかいう考えは毛頭ないらしい。
これでは私がはなっから彼の仕事のことなんて知ったこっちゃ無かったとバラしなどしたら十中八九、泣かれるだろう。
「ひどいっスよ〜!!」とかなんとか言って頭を抱える姿が容易に想像できる分口元の緩みが中々おさまらなかった。
私がニヤついているうちに白衣を羽織って今度こそ体温計を取りに行こうとするアッシュを強引にベッドに引き戻し、唇を合わせた。
「じゃあ、今度はちゃんと測ってくれ」
「・・・ユーリさんアンタ…」
「仕事だろう?」
上目遣いに笑みを浮かべる私にアッシュは困った人だと一言呟き、軽く口づけた。
「熱くなりすぎないうちにそうするっス」
そう言って優しく手を伸ばして来たアッシュの理性がどこまでもつか。
今度もきっと狂わせてやろうと思った。


+++ End +++




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