お嬢様は笑わない。
正確に言えば、笑わなくなった。

僕に出来ることは、何?











Secret Garden.










「ちょっとフィニ!一体何なの?!」
「いいから来てください!」

屋敷にバタバタと騒がしく走る足音が響く。
こんなとこ、セバスチャンさんに見つかったら僕殺されちゃうかもしれない。

お嬢様の腕を掴んで一緒に走ってるところなんて。




「着きました!」

案内したのは(と言うか無理矢理連れて来たのは)中庭。
お嬢様は、ゼェゼェと肩で息をしながら怪訝そうな顔を僕に向ける。

「こんなとこに連れて来て、どういうつもり?」
「えっと、お嬢様に見せたい物があるんです。」
「見せたい物?」
「はい!」

あれです!って指差したのは
立派な中庭の片隅に僕が一生懸命作った小さな花壇。

「どうですか?」
「どうって・・・まぁ花壇、よね。」
「違いますよぉー。見て欲しいのは花壇じゃなくて・・・」

僕はもう一度お嬢様の手を取って花壇のすぐ側まで足を進める。
そこでやっと、お嬢様も気付いてくれた。


「・・・芽?」

ちょこんと顔を出し始めてる小さな芽。

わかりますか?
お嬢様が好きだと言ってた花の芽です。


「僕は不器用だし、セバスチャンさんみたく完璧にお嬢様に仕えることはできません。」

失敗ばかりして、いつも怒られて。

「それに、坊ちゃんみたく頭が良い訳じゃないから、多分相談役にもなれません。」
「・・・知ってたの?」
「はい。」

最近いつもどこか思い詰めたような表情で溜息ばかりのお嬢様。
悩みでもあるのかなって、それは僕にもわかったけれど
僕なんかが解決できるハズも無いから、相談してくださいなんてとてもじゃないけど言えなくて。

だけど、お嬢様には、前みたいに笑って欲しかったから。

僕にできる唯一の―


「でも、庭をお嬢様の好きな花でいっぱいにすることはできます。」
「フィニ・・・」
「僕は庭師ですから!」

にっこり笑って言ったら
一瞬だけど、お嬢様が笑った、ような気がした。

「・・・ありがとう、フィニ。」
「とんでもないです。」
「まぁ、期待しないで待ってるわ。」
「えぇ!?そんなぁ・・・少しは期待してくださいよー。」

僕、頑張って世話しますから!


だから、花が咲いたらまた見せてくださいね。

僕の大好きな、笑顔のお嬢様を。



END.






―――――
何故かフィニ夢。
原作だともう女の子にしか見えないから書くことなんてないだろーなーと思ってたんですが。
アニメ見たら声がちゃんと男の子で、これはいける!と(笑)
・・・猫耳メイドさんの時のがに股っぷりに萌えちゃったんです(何でそこ)




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