「グレルのこと、喰べちゃってもいい?」
「・・・は?」











カ ニ バ リ ズ ム










がやたらアタシのコトをじーっと見つめてくるから
何見てんのよ。って軽く頭を叩いてみたの。
そしたらいきなり、そんなセリフを吐き出したのよこのコったら。

「・・・アンタ、頭オカシくなった?」
「なってないし。」

失礼なこと言わないでよ!なんて頬膨らませちゃって。

じゃあ何なの?って訊ねたら

「私、グレルのことが好きなの。」

真顔で言った。

いや、まぁ、そんなことは今更言われなくったって知ってるんだけど・・・
それと、最初の「喰べちゃってもいい?」発言とどう繋がるのかしら・・・

って、まさか。


「え、何?喰べるってそういう意味なの?」
「へ?」

のえっちー!なんて、ちょっと大げさに身を引いてみたのにったら
何のこと?って顔でぽかーん。

ったく鈍いコね!これじゃアタシがバカみたいじゃないの!


「・・・で、何なのよ?」

ソファーに座りなおして
どうせ大した話じゃないんだろうなとは思いつつも
聞いてあげるから解り易く言いなさい、って耳を傾ければ

「私、グレルのことが好きなのね。」

コホン、と咳払いを一つしてから口を開いた。

ええ、それはもうさっきから何回も聞いてるしわかってるのよ。
ってまた横槍入れたら永遠に話が進まない気がしたから黙って相槌。

「でも・・・グレルの考えてることはよくわからないから、」

いやいや、ちょっと待って。アタシはアンタの考えてることの方がわからないわよ。
思わずツッコミたくなったけど、ぐっと堪えてまた相槌。

「グレルのこと、喰べちゃいたくなったの。」

そしていよいよ核心に迫る・・・
と思いきや。


「・・・で?」
「え?」

その先の言葉はいくら待っても出てくる様子が無くて
まさか終り?って訊いてみたら、そうだけど?ってきょとんとした顔を返された。
・・・今ので全てを理解しろって?

無理だわ。


「・・・。」
「はい?」
「アンタ、やっぱおかしくなっちゃったんでしょ。」

これ以上この話題を引っ張っても到底理解できそうに無いし
あれこれ訊くのももうめんどくさくなっちゃったから

「アタシのことが好きすぎて。」

からかいついでに話題を変えてやろうと思って、言ったのに。
は一瞬目を見開いたかと思えばすぐに俯いて

「・・・そう、かもしれない。」

あっさり肯定。
予想外の反応にアタシの方が戸惑っちゃった。
だって

グレルのことが好きで好きで仕方が無くて
いっそのことグレルを喰べちゃえば
グレルは私だけのものになるのになーって考えちゃうくらいなんだもん。

ぽつりぽつり、そんなことを呟くんだもの。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらいなのに
それを照れもせず言えてしまうこのコは一体何なのかしら。

・・・てか最初からそう言えばいいのに。

「・・・バカじゃないの?」
「うわ、酷い・・・」
「悪いけど、アタシはに喰べられちゃうなんてご免よ。」
「何で。」
「いや何でって・・・アタシ死んじゃうじゃないの。」
「あ、そうか。」
「それに・・・むしろ喰べられるより喰べる方がいいし。」

だから、のこと喰べちゃってもいいかしら?
にやり笑って顔を覗き込めば、は顔を青くして

「や、私もまだ死にたくないし!」

ぶんぶん頭を横に振った。
・・・どこまで鈍いのかしらこのコは。

「あーもう、そーじゃなくて・・・」
「え?グレ・・・?!」

手首掴んで、押し倒して、キス。
いくらでも、これならわかるわよね?
つまりそーゆーこと。

「ちなみに拒否権は無いわよ。」
「・・・グレルのえっち。」

唇が離れて、真っ赤になった
そういう意味で言ったんじゃないのに・・・とか何とかブツブツ。
でもそんなの知ったこっちゃない。
言っとくけど、最初に誘ったのはだからね?

「それじゃ・・・イタダキマス。」

あんな可愛いこと言われちゃ理性保てないわよ。
アタシだってアナタが好きなんだから。



END.






―――――
カニバリズム、グレル編でした。
ヒロインが若干危ないコ(笑)
喰べる喰べないの話よりも単にグレルとのやり取りを書きたかっただけっていう。
・・・いや、むしろグレルを書きたかっただけかもしれません(えー)




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