<作> 坂田靖子 白泉社 |
主に「JUNE」に連載されていたものを集めた短編集。よって、全部ホモネタというわけではないが、それ系の話題が満載である。私の性的嗜好は普通なので、ホモ・セクシュアルの話はどうも苦手なんだけれども、これに載ってるものはそこそこ読めた。思うに、坂田靖子の絵柄がすっきりしているのとはっきりとラブシーンを描いていないこと、そして多分、作者自身が本当のところはホモ漫画にあまり興味がないためであるからだろう。設定としてはホモが出てきていても、主題がそこにあることは稀。別段ホモが出なくても作品として成り立ってしまう。
所収されているものの中で面白いのは、やはり表題作の「村野」だった。村野のこの酔狂さ加減は魅力的である。なんだか夏目漱石の世界から抜け出してきたような、ユーモア溢れるキャラクターだ。やっぱりこういう奴がいないと、世の中味気ないということは言えそう。
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