<作> 坂田靖子 早川書房 |
87’年から98’年までの間に「ミステリ・マガジン」誌に掲載された作品を集めたもの。一応、ミステリー物が多いのだけれども、一発ギャグ的な「聖夜の晩餐」、「最初物語」や、「GHOST TALES」のような彼女の得意なファンタジー作品なんかもある。「エレノシア城殺人事件」は、ハムレットの一幕をアレンジしたものだが、しかし彼女がやるとこうなっちゃうのね、というお話。「冬の猫」が一番ミステリーらしい雰囲気か。これに限らず、この人の描く中世っぽい話は結構良いものが多い。
どちらの作風でも共通するのは、彼女の知性だろう。20年以上、短編で食ってきただけのことはあると思う。私には、これが坂田靖子の一番の魅力ですね。
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