 キムチ／パスタ野郎＜作＞坂田靖子 白泉社  宅急便の怪はさすがに予想外でした |
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＜作＞坂田靖子
白泉社
変な話ばかりを集めた短編集。第一巻にあたるのが『キムチ』で、それの続編が『パスタ野郎』。どちらも収録されている作品のうちの一つから取った題名である。
まあ、変なのは坂田靖子の作品全般に言えることかもしれないが、その中でもなにか微妙にずれている作品集である。大体、題名自体が尋常ではない。彼女がいわゆるレディースコミックに連載しだした、かなり初期の頃の作品であることとおそらく関係があるのかも。どのあたりにネタをしぼればいいか、本人自身も迷っていたのでは。少なくとも、大抵の男性が情けないのはいつものことだけれども、女性の生活風景をメインに持ってきているのは、明らかにその影響。パンツの話が多くなったのもそのあたりが原因か。
逆にそれがよかった。彼女の持つ発想力の突飛さと、独身女性の生活の端々がうまく結びあって独特の雰囲気が出ているように思う。実はこれ以後の彼女のレディース誌に連載された作品というのは、どうも今ひとつな物が多い気がするのだけれども、ここでは試行錯誤の混迷具合が、皮肉にも功を奏した感がある。
ただ、もはや死語となった流行語（パスタ野郎とか）が出てくるので、なんか面食らってしまうところはある。仕方ないことですが。ともかく、十分暇つぶしにはなるシリーズです。
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