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モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲

オーケストラに初めて接するという人がいたらまずおすすめしたいのが、モーツァルトの序曲集。ノリが良くわかりやすい。演奏時間も短くて手軽。その中でも特に人気があるのがこの「フィガロの結婚」序曲。

とにかく陽気で軽快。飛び上がりたい気分になる。ずっと長調(ニ長調、イ長調)。短調はなし。オーケストレーションも簡明。複雑な展開部もない。これほど楽しい曲は他に存在しないといっても過言でない。

少々楽譜上の問題が存在し、65178の木管の連続八分音符のスラーのかかり方がものによって違ったりする(全部か、最初の二音のみか)。あとは112のFg.のA音、120のFl.とFg.のA音をそれぞれオクターブ上げていることが少なくない模様。確かにVn.に従えば上げるのが正解。だが個人的には上げないで記譜通りにするのが、モーツァルトの美しさであると思っている。


この曲、私が学生指揮者として初めて振った曲であったりするので、ちょっといろいろ書いてみる。

基本的にずっとテンポは同じだが、これを安定させるのが難しい。85など、なぜかテンポが遅くなる。結局その影響からか、本番でもノリ良い高速テンポで演奏することはできなかった。

強弱記号はpp〜p〜f〜ffの4つ。ベートーヴェンでもよくある話だが、ffとf、ppとpでそれぞれ差をつけることが大事。といっても全曲中、ppは3箇所、ffは2箇所しか出てこない。

弦はきざみ多いが、これを思い切りガリガリやる奏者がいて困る。きざみは和音の集合。これがうるさすぎて主旋律が聞こえにくくなったらブチ壊し。たしかに同じ音のばすより繰り返した方が弦の音を出しやすいのだろうが。後は音を音価通りに、途中で切ったりしないでやることの徹底。

木管は速いタンギングあり。終結部では1秒あたり9回ほどしなければならない。しかも木管のみの主旋律設定。そしてFg.はずっとだったりする。Tutti部、Vc.と全く同じようにタンギングできざまなければならない。これはかなり珍しいオーケストレーション。

金管は「ド」と「ソ」ばかり。楽そうだがそうでもなく、こういうのはかえって難しいという。正確にやることが大事。少しの失敗でも音色を壊すことになるので許されない。

意外と難しい曲なわけだが、練習でやることを決めるのは他に比べて楽だった印象。スムーズに進められた記憶がある。


ニ長調。編成:Fl2、Ob2、Cl2、Fg2、Hr2、Tr2、Timp、弦5部。演奏時間:4分〜4分半


CD

マリナー/アカデミー室内管弦楽団/1981年/EMI

評価:A

厳密な解釈、という面からは少し離れるが、軽やかで素直な演奏で、馴染みやすい。随所に見られるfpは決してキツくしない。fpはきざみかレガートかによって方法を変えている。fからpに移るときにオケ全体をdim.してみたり、高弦のきざみの音量を低弦の旋律によって変化させてみたり、曲の終わりにTimp.をトリルにしてみたりと、工夫が見られる。

レヴァイン/メトロポリタン歌劇場管弦楽団/1990年/グラモフォン

評価:B

マリナー盤に比べて少い硬い。たとえばfpが少し厳しめ。あとテンポを少々揺らしている。第二主題は遅くなっている。Timp.も音質が妙に硬い印象。


(2003.8.4)
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