人でなしの灯火【別版】





この小説は『人でなしの灯火』第二話「九龍都憂愁」と第三話「私の墓標」の間に位置するかもしれない話です。
しかも18歳以上の年齢制限つきです。でも品質は保証しません。
それでもよろしければ、さぁどうぞ。

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#02-EX 闇宵/夢酔 [There's nothing but this phantasm]

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Neuro from the nerves, the silver paths.
ニューロは神経 白銀の径

Romancer.
夢想者

Necromancer.
魔導師

I call up the dead.
私は死者を 呼び覚ます

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本来ならば起動しないはずの時刻に、DaWNは再起動した。
現時刻、クーロン標準時で深夜2時過ぎ……この時刻に起動しては内部クロックに異常を来たしかねない。
スリープレベルに置かれた感覚系が何かを感知したのだろう―――と、DaWNは聴覚レベルを上げた。

「んっ……」

エミアの声だ。数時間前、DaWNについて真剣に話し合っていた声とはまるで調子が違う。
音を立てないように、そちらに視覚センサを向ける。

( …!? )
「はぁっ……」

エミアは質素なパジャマをはだけ、ベッドに腰掛けていた。
サーモを使うまでもなく、体温が上がっている事がわかる。
何をしているのか―――暗視モードで焦点を合わせると、DaWNの固有ライブラリにないパターンが現れた。

「ん…ふ……ぁ」

エミアは、はだけた自分の乳房を持ち上げ、赤子のように吸っていた。
平均よりもはるかに―――というよりは、常識外のレベルで―――大きなバストとはいえ、それを自分で吸うというのはかなり特殊だ。
開発経緯上DaWNもあらゆる非常識を知識として得てはいたが、眼前で見せ付けられる事は稀だった。
不意に甘い匂いが漂ってきて、彼女はひとつの可能性にたどり着いた。

間違いなく未婚―――それどころか男性経験もないだろうエミアは、母乳の出る体質らしい。
俗に言われる、『胸が張った』状態になるのを避けるために自分で吸い出しているという事か。

「ふっ…ん……こんなところ……見られたら……」

豊満な乳房を両手でもみしだき、唾液まみれにしている様はひどく淫靡で(言葉の意味は知っているが、実際の状況を理解した事はなかった、今まで)、非論理の生理的衝撃が重く彼女を打ちのめした。
平衡失調が再発し、首を起こしていたDaWNはバランスを崩してベッドをきしらせた。
エミアが振り向き、DaWNと目が合った。
顎から母乳と唾液の交じり合ったものを垂らしたまま、彼女は硬直した。
しばしの沈黙の後、DaWNが口を開いた。

「み……見られたら……?」

瞬きよりも早く、エミアの顔が真っ赤になった。はだけた胸元も桃色に染まっている。
べったりと濡れた手で胸元を慌てて隠し、呂律の回らないまま弁解をまくしたてた。

「つっ―――月音ちゃん、これは別に変な事をしてるわけじゃなくて―――その」
「母乳の出る特殊な体質で、胸が張らないようにそれを吸いだしているという事ですか」
「……うん」

あっさりと切り返され、エミアはなす術もなく諦めた。
ただ、DaWNは表面上の理知が作る論理とは異なるレベルで思考を始めていた―――それも、無自覚に。

「あの」
「……なに?」

DaWNは躊躇した。
自分が何を言い出そうとしているのか、思考が麻痺しかかっていた。

「……私にも、吸わせてください。その……おっぱいを」

言った瞬間、まったく不合理な理由で赤面するのを自覚した。
そして、言うが早いか自分がベッドの上をにじり寄っている事にも。

「……え? ちょっと、月音ちゃん―――」
「一人でやるより、二人でやった方が早いですから」

滅茶苦茶な論理だ。
破綻している事が明白なのに、それでもDaWNはそれを押し通そうと―――いや、実行に移した。

「あっ……!」
「ん……ぅ……」

エミアにしがみつき、引っ張り込むようにして倒れ込む。
DaWNの顔に双丘が押し付けられ、彼女は左の乳首を口に含みつつ右の乳房をもみしだき始めた。

「月音…ちゃん、やめなさい……そんな、汚い……!」
「ん……別に汚くもなんともありませんけど……ぁ……甘い……」
「何言って……んんっ」

敏感になった乳首を甘噛みされ、エミアの身体が大きくはねた。

「ひゃうっ!? 月音ちゃ、ん、強すぎ…るっ」
「んあ……すみません、痛かったですか」
「い、痛いんじゃなくて……あぅっ!」

腰砕けになったエミアの身体がDaWNにのしかかる形になり、よく鍛えられた下半身がDaWNの細い足に絡んだ。
パジャマ越しに濡れた太股の感触が伝わり、DaWNは目を見張った。

「エミアさん…もしかして」
「やだ…っ、月音ちゃん、やめ……」

エミアは身をよじって逃れようとしたが、遅かった。
細腕に似合わない、有無を言わさぬ力で下着ごとズボンが引き下ろされ、卑猥な水音がした。
無論DaWNからそこが見えるわけはないのだが、彼女は的確に秘所を探り当てて指を滑らせた。

「あっ……!」
「エミアさん、感じてるんですか」

図星をつかれたエミアは黙り込んでしまい、目をそらした。
が、DaWNはエミアの胸から手を離すと自分のパジャマをはだけ、エミアの手を自分の秘所へ導いた。

「……私も、です」

少女のそこは熱を帯び、しっとりと湿っていた。
DaWNは顔を胸から離し、呆然としているエミアに口づけた。
半開きの、無防備な唇にDaWNの舌が割って入り、唾液が混じり合った。
一瞬後、二人は夢中で互いの唇を貪り合い、数度の息継ぎを挟んで舌を絡めあった。

「んっ…ぷは、ぁ…もっと……」
「はぁ……んむ、ふぅ……」

エミアが身体を起こすと、二人の唇の間で唾液が糸を引いた。
上気した肌をまさぐりあい、足を絡める。

「ぁ…エミアさぁん……」
「さんは…いらないわ。今は呼び捨てにして…月音」
「はい…エミア。私…もっと……」
「うん……私も、おかしくなっちゃったみたい……」

二人は互いの身体に張り付いたパジャマを脱がせ、激しく抱き合った。
汗でじっとりと湿った太股を絡めなおし、すでに愛液の滲み出している秘所を擦り合わせた。
もはや恥も外聞もなく、二人は快楽を求め合った。

「つっ…く、のぉっ! ああっ!」
「エミ…ア…っ! もっ…と、くださ…いっ」
「熱っ…! はっ…あ…ひゃあん!」

初めての感覚に腰をがくがくと震わせながら、二人は不器用に愛し合った。
DaWNは一応のところこのような事態に関する知識を持っていたのだが、実際に感覚として知っていたわけではない。
脊椎を伝って忍び寄る前兆に、まったく原始的な恐怖を覚えてDaWNは泣きながら身をよじった。

「あ……あっ……あぁっ、何か、くる……きちゃう…っ!」
「月音っ! 私も、もう…いっちゃ……ぁっ!」
「やめ…っぁ……っく…んぅぅぅっ!」
「もうダメ…っ、あぁぁぁあっ!」

自慰で得られるよりもはるかに強烈な衝撃が押し寄せ、二人はかたく抱き合ったまま絶頂を迎えた。

「…………っは……ぁ……っ」
「ん……ふぅ……」

絶頂の波が過ぎ去り、ようやく一息ついたエミアは改めてDaWNの顔を見た。
DaWNは彼女から目をそらし、居心地悪げに唇をかんでいた。

「すみません、私……こんな事……」
「……大丈夫?」
「え……?」
「気持ち悪いの? だったら、すぐ―――」
「エミア…!」
「何?」

何かを訴えるようにDaWNはエミアに目を向けたが、すぐに伏せた。

「……こんな事をされたのに、平気なんですか……?」

DaWNは震えていた。
こうやって理性のたがが外れる事があるなど、知らなかったのだろう―――と、エミアは彼女の頬に手を添えた。

「私だって平気じゃないし……その、初めてだったけど……あなたが安心できるなら、それでいいの」
「あ……その、私も……初めてだったんですが……その」
「どうしたの?」
「気持ち、よかったですか……?」

エミアは呆気にとられ、ぽかんと口を開けてしまった。

「え―――」
「私はよかったんですけど、エミアが気持ちよくなかったら、悪いから……」

思わず吹き出してしまい、エミアはくしゃくしゃとDaWNの頭を撫でた。

「こんな時に、何言ってるんだか。心配しなくても、…うん、気持ちよかったから、大丈夫よ」
「あ……そう、で…す、か…それは……」

緊張が緩んだのか、単に体力の限界なのか、DaWNは言いさしたままエミアの胸に顔をうずめて眠ってしまった。

「月音……なぁんだ、寝ちゃったの?」

起こさないようにそっと頬を撫で、エミアはくすりと笑った。

( こんな関係になってから思うのもおかしな話だけど、まるで妹みたい )

親元に送った後も、できれば連絡を取り合いたい―――などと考えるうち、エミアも眠りに落ちていった。





( 月音… )

( 私はDaWN? 月音? それとも…… )









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