マーク・デイビスHCは彼を愛し、AC達も彼に感謝し、チームメート達も 彼とのプレーを楽しんでいた。 ファンも彼に感謝している。 ただそうで無い人もいるが。 インターネットの掲示板やラジオのFAXに、彼がいなくなることはチームにとって いいことだというコメントが寄せられた。 ☆ブラシー・ライト 「別に気にしていないよ」 昨シーズン平均18点以上をあげ、チームを率いたが、数字は複雑なものだった。 たったFG41パーセント、6試合のロードゲームに至っては30本中2本しか3Pを 決められない有様。 チームはリーグを15勝14敗というマズイ成績に終わり、ファーストラウンドで敗退 した。 彼がアーリーエントリーを決めたとき、インターネットの投稿は彼を一斉に批判した。 「ダメな選手だし、NBAで失敗してきたインディアナ大学の選手達に続くだろうね」 「海外の食事に慣れておかないとね」 「どうせNBAじゃなくて海外でプレーすることになるんだから」 「インディアナ大学は自己中選手がいなくなり、来シーズンはよりよい チームになるだろうね」 ライトもそんな批判は承知している。 逆にそれをモチベーションにしている。 彼の昨シーズンが終わり、ヒューストンでのワークアウトでなにが変わったと聞けば、 ためらいもなく、精神面での成長もコメントした。 ☆ライト 「強靭になったし、素早い動きにもなった」 「そしてメンタル面においては、トップレベルにあると思う」 「自分を引っ張ってくれる人々や新しい環境を得て、ゲームに対するアプローチの仕方 といった面で新しい考え方を持てたと思う」 「それが自分にとって、大きな成長である」 「新しい環境でやれることは新鮮だよ」 とはいえ、ライトのキャンプでの結果は相変わらずの内容だった。 初戦に6本中5本のFGを決め、13点をあげたかと思えば、次の2試合で16本中 2本しか決められなかった。 10アシスト2ターンノーバー、5スティールと残りの面で堅実なパフォーマンスを 見せてはいたが。 ともかく全体的に見て、彼の主目的は果たすことができたといえよう。 ☆ライト 「みんな俺が得点できることは理解してくれただろう」 「俺はとにかくできることを全てみせてやろうとしたんだ」 スカウト陣の彼の評価は2巡目候補であった。 もし彼が個々のチームでのワークアウトで優れたプレーを見せれば、1巡目に入れる かもしれない。 そのためには、PGとしてのプレー能力をも見せなくてはいけない。 大学時代のリストには6−3ということだったが、実際の身長は6−1ちょっとである。 驚かせてみせたのが、6−10のウィングスパンであったこと。 その手の長さとシュート力があれば、SGとしてもイケるかもしれないが・・・ ライトはすでに6チームを訪問しており、月曜日にインディアナのワークアウトを 受けて、終える予定である。 インディアナは他に3人の選手を招集しているが、ライトを2巡目46番目の選手候補 として呼ぶ。 ☆ウォルシュ 「彼は切り込めるし、得点力もある」 「ボールハンドリングもいいし、PGもやれる」 「守備もいいし、いいアスリートだね」 ☆ジョー・アシュ(スカウトディレクター) 「リラックスしているし、自信を持ってプレーしている」 「他の人間が持っていないミドルレンジでのプレーをできる」 NBAスカウト達は大抵オフィシャルコメントでドラフト前に選手に対し、否定的な コメントはしないものだが。 ライトは6月28日にスカウト達がどう考えているのかの本当の答えをもらうだろう。 そして彼は新しいチームで再出発を楽しむことになる。 ☆ライト 「とにかく自分のプレーをして、楽しむよ」