◎努力家 アンソニー・ジョンソンのように、こつこつと実績を積み、 NBAでポジションを獲得する選手はしばしば見られる。 彼らの大半が、低いドラフト順位、もしくはドラフトされず、 そしてマイナーリーグでプレーしており、 NBAと契約しても 10日間契約などでそうそうにカットされる経験を持っている。 元インディアナのケヴィン・オリー、リック・ブラランソン、 アール・ボイキンス、ミルト・パラシオといった選手もそういっ た選手である。 ☆ジョンソン 「経験をつんで、賢くなっていく」 「カットなどの経験で、わかってくるものがあるんだ」 ジョンソンは元の所属チーム、ニュージャージーと対戦 するにあたってもどうこうという気持ちはない。 今までにも何チームものチームを渡り歩いている。 ジョンソンは去年のNBAファイナル進出に大きく 貢献した。 プレーオフにおいて5割以上のシュートアベレージ、 19アシストに対して、たった8ターンノーバー。 しかしニュージャージーは今年のドラフト1巡目で、 ゾラン・プラニッチを獲得し、ジョンソンを引きとめよう としなかった。 今期、バックアップのルーカス・ハリスは怪我、ブラニッチは 時期尚早ということで、キッドは1試合40分強の出場を強い られている。 逆にインディアナは第3PGとして考えていたジョンソン だったが、スターターこそアンダーソンに譲っているが、 昨年のスターターのティンズリーを押しのけ、リザーブと して重要な役割を果たしている。 ☆カーライル 「彼はプロなんだ」 「この言葉は私の選手に対する最大限の賞賛だ」 ドニー・ウォルシュは1997年、ジョンソンのことを 初めてみている。 その年、ジョンソンはトランス・アメリカ・アスレチック カンファレンスのMVPに選出され、チャールストン大学 をNCAAトーナメント2回戦まで進出させた。 何度となく彼と契約を取ろうとしたが、それはこの夏まで 延びてしまった。 6年間ミニマム契約だった彼だが、2年契約のオファーを ウォルシュは提示した。 ☆ウォルシュ 「若い頃から老練なプレーをする選手だなと思った」 「身体能力がさほどなかったために、あまりプレー タイムをもらえていなかったが、彼の能力は以前から 感じ取っていた」 ジョンソンは堅実で、インディアナが必要としていた タイプのベテランだった。 ジャンプショットがうまいというおまけももっていて。 しかし、彼はいきなり指を骨折してしまったが、先日の ミルウォーキー戦で活躍し、実力を示した。 その後のデンバー戦こそ2−12と低いフィールドゴール アベレージだったが、練習時に彼のシュートの安定感は 十二分に示していた。 ☆カーライル 「彼の魅力は安定したシュート力である」 「私は去年のプレーオフカンファレンスファイナルの第3ゲームで 彼のシュート力には理解しているからね(10得点をあげた)」 ジョンソンは2001−02年シーズン当初、NBA入りできな かったことをきっかけにシュートに力をいれた。 エージェントのリッチ・ハウエルはNBAの元ガードがマーク・プライス の元でトレーニングさせた。 ☆ジョンソン 「彼は15分内で俺の5〜6つの欠点をあげてくれた」 プライスは、ボールを持ったときのジョンソンのシュートポジション等に 問題があると考えていた。 腕の位置などを変えることでよりすばやくシュートが打てるとジョンソンに 示し、改善してみせた。 ジョンソンは今年の怪我の後も、コンディショニングの維持につとめ、見事 復帰後すぐにチームに貢献を果たした。 彼のパフォーマンスには驚きすらあるが、決してまぐれではないだろう。 彼は我慢し、困難に打ち勝つことになれている。 ☆カーライル 「彼は選手として、人として素晴らしい結果をみせてくれた」 「彼は長い間の努力が認められるということを理解していた」 「努力が能力以上のものを引き出してくれるということを示してくれたと 思う」