◎チャンスを得るということ トップがこういう布告をしていた。 ☆ウォルシュ 「彼がよりよい選手になるか」 「もしくはチームがよりよい選手を取るか」 ウォルシュは、ジャマール・ティンズリーの進歩のなさ故に、 PGはオフシーズンの重要なポイントと考えていた。 今期の30試合のほとんどをローテーション外ですごした ティンズリーは、よりよい状態でチームに復帰し、そして 以前よりもいいプレーを行っている。 ☆カーライル 「ティンズリーはチームにとって重要な存在になっている」 「チームは以前からそれを望んでいたが、彼はチャンスを 得て、そのチャンスをつかみ、それを生かしてくれた」 ティンズリーは2年間素晴らしいプレーも行ったが、考えられ ないような失敗も数多くしている。 去年も母親がなくなり、彼の体重は225ポンドにまで増え、 プレーにも精彩を欠いた。 ニューヨークのストリートフープから、アイオワ大に 進み、ビック12チャンピオンシップにおいて、2年間 で57勝をあげる原動力になった。 その後、インディアナにドラフト27位で獲得され、 トラヴィス・ベストからスターターのポジションを奪い さった。 アイザイアは彼を高く評価し、インディアナの現在、未来を 担うPGになると考えていた。 しかし、平均8,6点8アシストとなかなかの成績を収めたが、 全ての人におって、彼が将来においても十分という印象は残し ていなかった。 その2年間で、彼の能力を高く評価する人と同じくらい多くの 疑念を抱く人間もいた。 ラリー・バードそしてカーライルは疑念を抱いている人間だった。 インディアナは勝負強いアンソニー・ジョンソンと契約を結んだ。 彼はニュージャージーでキッドのリザーブとしてプレーしていた。 さらにカーライルがチームにHCとして加入した後、ケニー・アン ダーソンをチームに必要なベテランとして、加入させた。 そうしてチームはよりよいチームになった。 ジョンソン、アンダーソンともにプレシーズン中は怪我に 悩まされたが、シーズンが始まると、アンダーソンはスターター としてチームのロケットスタートに貢献した。 ジョンソンも数試合欠場後、チームのハーフコートオフェンス、 守備重視のシステムにすぐに対応し、勝利を重ねた。 一方でティンズリーはスターターをはずされ、さらにローテー ションから外れた。 しかし、去年の不振の原因だった体重オーバーをシェイプして 望んだ分、鋭い動きになり、さらにシュートにも磨きをかけて いた。 まだシュートには課題は残るが、進化はとげており、よりよい 選手になっていた。 ただそんな状況とは裏腹に、ベンチを暖める日々が続いた。 アンダーソンの怪我により、チャンスが来るかと思えば、 彼もインフルエンザに倒れており、真のチャンスが来るのは ジョンソンが胃痙攣を起こした12月29日までまたなくて はならなかった。 そしてカーライルはティンズリーを起用した。 ☆ティンズリー 「ただチャンスが欲しかった」 「チャンスをもらい、それを生かした」 「それだけさ」 チームは最初のロケットスタートの後にチームは失速した。 12月27日ニュージャージーに敗戦した後、カーライル はチームの起爆剤としてティンズリーに白羽の矢を立てた。 そしてすぐさまティンズリーはチームの勝利に貢献する 活躍を見せ、次の試合でスターターに起用された。 ティンズリーが出場しだすとチームは連勝を重ねた。 ☆フォスター 「ティンズリーはアンダーソン、ジョンソン、そして ブリュワーよりも、我々と一緒にプレーしているからね」 「彼はみんなが何ができるかを理解している」 「さらに彼はこの30試合ベンチにいたことで、彼がどう いうことができるか、どういうことができないかって考え る時間を持つことができた」 「それを最大限に生かしていると思う」 ☆カーライル 「今、ジャマールのプレーで出ているものは、彼がプレー するチャンスを得たときに対する準備のためのワードワーク の賜物さ」 「ロングシュートが上手くなった」 「シュートが安定してきている」 「そして状況判断も本当によくなっている」 「速いテンポでゲームを作れるから、みんなが走る べきところで走ることができるのだと思う」 ティンズリーのプレーはアンダーソンにも印象つけて いる。 ☆アンダーソン 「チームは彼ができる選手であることがわかった」 「このことはもうインディアナのPGが弱点という 問題ではないことを示していると思う」 「逆に素晴らしいプレーをできる選手がPGに3人 4人といるといういい意味での問題に発展してきて いるね」 「誰がでてくるかは問題ではない」 「メディアの雑音にとらわれないことだね」 「重要なのはプレーオフに出場し、カンファレンス 制覇することさ」 ティンズリーの復帰とともにチームは先日のスパーズ 戦までNBA1の勝率に跳ね上がっていた。 ☆カーライル 「彼がチャンスに応えてくれたことは、チームが勝利 に大きな意味を持っていた」 「彼の姿勢には好感が持てる」 「怪我せずにローテーションから外れているときでさえ 練習を常に続けていた」 「彼は本当にプロフェッショナルな態度であったし、 その姿勢が彼自身、そしてチームの今に還元されている といっていいと思う」 そしてジョンソンは怪我から復帰したが、彼の役割は バックアップであった。 アンダーソンはまだもう少し欠場が予定されている。 カーライルはアンダーソン復帰後のPGローテーション を決定していないという。 もしチームが勝ち続ければ、ティンズリーはスターター として残り続けるだろうが、本人は「その保証はない」 という。 そしてこういう。 ☆ティンズリー 「どんな役割でも、それに全力を尽くす」