○数字が示すアーテストの守備能力 ロン・アーテストの守備面でのインパクトはとても大きな ものであるが、その価値を言葉で見出すのは難しい。 それゆえにカーライルは数字でそれを表す方法を考え だした。 カーライルはインディアナのビデオスタッフ、ロッド・ クリーブランドと、マイク・マニックスにDVDや コンピューターテクノロージーを使って、アーテストの ディフェンスに関して調査を依頼した。 5、60時間を要して、7枚のデータにまとめた。 アーテストは1試合あたり平均9.4本のシュートしか 打たせず、そして8.4点しか相手にとらせていない。 一方で自分のシュートアベレージは40パーセントを 越える。 たいていアーテストは相手チームエースシューターの マッチアップにつく。 ☆カーライル 「ぶっちゃげ、私の人生においてもっとも優れたディフェ ンスの数字だと思う」 「アーテストにより得点を取るのが難しくなるだけでなく いいシュートを打つのさえも、さらにはボールを受け取る のも難しいということである」 「アウトサイドシューターに対するディフェンスオブ ザイヤーであるといってもいいだろう」 カーライルはその点について語る場合に無限のデータを 有しており、アーテストのディフェンシブオブザイヤー を獲得するためにそれを提示できるだろう。 アトランタ戦ではステファン・ジャクソンを2−8と 封じた。 その後のデンバー戦でもマッチアップの相手を4−17 と封じた。 最近負けたクリーブランド戦でレブロン・ジェームスは 12−22と活躍したが、実際のところアーテストが マッチアップした場合、2−5という内容だった。 アーテストはファールトラブルだった。 どの試合をみてもアーテストは相手のオフェンスを 粉砕しているケースが多い。 アーテストのチームメート達はそういった統計表を必要 としない。 そのことは毎試合、そしていつもの練習で十二分に わかっている。 ☆ミラー 「ディフェンシブプレーヤーオブザイヤーだよ」 実際のところ、その賞はライターや新聞記者といった 人々の投票に委ねられる。 去年、アーテストはベン・ウォレスの次点で、コーチ陣 からも高い評価を受けていたが、サスペンションやフレイ グラントファールといった悪い印象により、オールディ フェンシブチームのファーストチームに選ばれなかった。 ウォレスは今年度のアーテストの唯一のライバルといえる。 過去2年カーライルの下でディフェンシブプレーヤーオブ ザイヤーを獲得した。 彼はブロックでは平均3.14で2位、ディフェンシブ リバウンド8.7、スティールでは1.8で8位に位置 している。 一方、アーテストの目立つ成績はスティール部門2.11 の4位である。 しかしカーライルは、チームの守備方法という点で彼の そういった数字面で現れていないと信じている。 彼の全体面での能力の高さは2人のビデオスタッフが 示したデータが示すよう、スタッツには現れていない と理解している。 ウォレスは素早くそしてショットブロック能力が高い故に 優れた守備者だと理解されているが、弱いマーカーを相手 にしており、ストッパーとしての評価は高くない。 実際のところ、カーライルがコーチのとき、インディアナ 相手の場合には、オニールにクリフ・ロビンソンがマッチ アップについており、クリフ・ロビンソンがいなくなった 今年、オニールのマーカーについた際に、オニールは 平均23点挙げている。 アーテストはどんなポジションでも守れる多才さを兼ね 備えている。 センターであったとしても彼よりも低い選手であれば、 体の強靭さ、足の動き、手の長さ、俊敏さで、相手の 攻撃の脅威を封じることができるとさえ思える。 ☆ミラー 「速さと強さを兼ね備えているから、自分と同様の大きさ の選手であれば、封じられるバランスがある」 「ベン・ウォレスを尊敬しないわけじゃないが、ロンなら 色々な相手を封じることができるんだ」 クローシェアもアーテストの本能に圧倒され、そして アーテストと対戦しないことに感謝している。 ☆クローシェア 「彼はいままで対戦してきた相手の中でもっとも高い レベルの守備センスがある」 「彼と対峙しないことを望んでいるよ」 アーテストはそういった統計を聞いて驚きを示したが、 特別な反応は示さなかった。 ディフェンシブプレーヤーオブザイヤーを獲得することに 特に関心も示していない。 ☆アーテスト 「シーズンが終っていないし、俺はシーズンが終わった ときに人々が投票することも理解している」 「シーズンが終わるまで待つことにするよ」 「むしろプレーオフの方がよっぽど心配だからね」