○苦境の中でも前向きな男 トロントでの金曜日の試合。 レジー・ミラーはロッカールームで見たビデオモニターに流れたものを 信じることができなかった。 「これを見ろ!」 レジーはそう叫び、チームメートの何人かを呼んだ。 テープを巻き戻し、先日のラプターズの試合のビデオを流した。 ジェイレン・ローズは左サイドからの3Pを外し、審判が試合終了の笛を 吹いた後、ローズはイラついてボールを叩きつけた。 ローズは2年前自分の意思に反してトレードされて以来、不調であるが、 少年のようなやる気を失ってはいない。 苦しい状況下にはあるが、バスケを愛する気持ちは変わっていない。 ローズは2002年2月19日放出された。 インディアナでキャリアを終えたいと口にしていたが、再建をはかるシカゴ の切り札として呼ばれたが、役割を失い、トロントへ再度放出された。 インディアナとトロントの差は歴然だ。 最高勝率を上げているチーム、かたやプレーオフ進出可能性をなくしたチーム。 しかしながら、ローズは明るい希望を失っていない。 ☆ローズ 「移籍してよかったと思う」 「すぐなからず、人として成長できた気がする」 「色々なチームで色々な人々に影響を与えたい」 「俺は今カナダで暮らし絶え入る」 「それもまた俺をよりよくしている気がするんだ」 ローズはインディアナとともに評価を上げた。 MIPにも選ばれたし、優れた得点力はチームをファイナルまで引っ張った。 そして7年100ミリオン近い提示を受け、契約した。 2ミリオンの自宅を建て、娘を授かり、さらには少年時代のアイドルであった アイザイアをコーチとして迎え、油の乗り切った27歳。 全てが上手くいっているように思えた。 しかしアイザイアの下で1年間活躍した後、オニール、ハリントンを中心 とした若い選手達が成長し、チームのケミストリーが変わり、ローズは もはや以前のようになくてはならない選手ではなくなっていた。 そしてBミラー、アーテスト、マーサー、オリーとのトレードが起きた。 一向に強くならないシカゴでの2年、そして今年もプレーオフは・・。 現在、31歳、ローズは決して辛いことだと思っていない。 ☆ローズ 「俺はNBAビジネスの一部になりたいんだ」 「もちろんどんどん年をとっていくことも理解している」 「チームとともに力を蓄えていく選手もいる」 「チャーリー・ウォードだって10年もニックスにいた」 「でもそれが必ずしも良い訳ではない」 「適切な時期に適切な場所でプレーすることも重要なことなんだ」 ローズはトロントでの42試合で平均16点。 カーライルとも切れない縁がある。 かつてデュマースがHCとしてカーライルを雇うかどうか 考えていた頃、ローズは獲得するよう勧めたという。 一方でカーライルは今期、ラプターズのケヴィン・オニールが ローズを獲得するかどうか悩んでいたときに、獲得するよう 勧めたという。 ☆カーライル 「私は彼にローズは2、3つのポジションができて、必要な時に 点が取れる奴だといったんだ」 ローズは、勝つのであれば、再度トレードする必要があるかも しれない。 トレードされるならそれを受け入れるといい、もしされないので あれば、それも上手い形で受け入れるという。 勝利と同じぐらい大事なお金という形で。 ☆ローズ 「マジック・ジョンソンのようにいまだかつてない契約をするため にNBAに入りたかった」 「今、選手として、お金は他のあらゆるものに匹敵すると思う」 「お金は自分のキャリア、そしてやってきたことの証明である」 「バンクバーのブライアン・リーブスが5試合で60ミリオン以上を 手にした」 「彼がそれまでに残した成績の答えであるんだ」 「だから私も自分のキャリアに関して本当に幸せに思っているよ」