○未完の超大器 もしベンダーが大活躍するのであれば、ドニー・ ウォルシュが、ベンダー獲得を批判していた連中に むかって「私のいったとおりだろ」という時が あるかもしれない。 キャリア的に見ても、プレーオフの序盤であるという ことを鑑みても、時期尚早かもしれないが、インディ アナのファン達もアントニオ・デイビスを放出し、 ベンダーを獲得したのは間違いでなかったのかもしれ ないという感覚になりつつある。 以前の2年間、ファンやメディアにとって、たった67 試合しかプレーしていないベンダーは、批判の材料で しかなかった。 いつまでたっても細い体。 そして心臓面の弱さ。 対ボストン第2戦の活躍は少なからず、そういった人々 に考えを改めさせるちょっとしたきっかけになるかも しれない。 11点7R1BS、0TO。 スタッツに見えない部分でも、厳しい状況下でのリバウ ンド、ファーストブレイクからファールを受けながらの ワンハンドダンク、ピアースのマークをかわしての 3P・・・。 多くの批判のメール、トークラジオなどでのトレード 失敗についての話はウォルシュの耳に届くことはない。 しかしたとえ届いたとしても、ウォルシュは気にかけ ないだろう。 ☆ウォルシュ 「なんだかんだで半分は楽しんでいるよ」 「ファンは私のことをとんでもない馬鹿だっていって いるけど、 私は私が行ったことをちゃんと理解して いる」 ウォルシュは以前にも若い選手の覚醒をまったこと がある。 だからそのプロセスと同じ道を歩んでいる。 多くの人々はかつて若かりし日のリック・スミッツの トレードを望んでいた。 しかし2000年のNBAファイナルへの進出に大きく 貢献し、さらにインディアナ史上2番目の得点力を誇る 選手になっていた。 ベンダーにはまだ時間がある。 長い間、未完の大器といわれているために忘れがちだが、 まだチームで一番若い23歳の選手である。 2番目のジェイムス・ジョーンズより4ヶ月遅い生まれだ。 ☆カーライル 「まだ新人みたいなものさ」 「それがチームにとっての最大の楽しみである理由さ」 より多くのプレータイム、そしてオフでのトレーニング がベンダーの可能性を引き出すものになるだろう。 ベンダーはドラフト時30ポンドしかあげられなかった ほどで、今でもさほど進化はしていない。 チームとしては、彼をインディアナで練習の面倒を 見るか、それとも他の選手達と一緒にトレーニング させるかなどを考慮している。 場合によってはサマーリーグに出場させることも 考えている。 ☆ウォルシュ 「ベンダーに必要なのはプレーして学ぶことである」 「いったん学べば、彼はとても高いレベルにまで いけるだろう」 どのくらい高くまでいけるのだろうか? 信頼のおけるジャンプショットを持つ青年の望む レベルぐらいまではいけるのではないだろうか。 ☆カーライル 「彼の能力のレベルは、私がいままで見た選手の 中ではずば抜けているんだ」 「彼は、どんなスポーツでも活躍できる類稀なる 選手だと思うよ」 「彼がどこまでいけるかは彼がどこまで望むかだと 思う」 「我々の仕事は、彼を本当に優れた大選手にするため にできる限りのことを行ってあげることなんだ」