○親愛なるパパ 今日(父の日)はジャーメインオニールにとって 大きな意味がある日だ。 彼は4歳の娘アスジアを抱きしめ、アスジアのために ベットの横でお話を読んであげるだろう。 父の日はジャーメインにとって関係のない日であった が、今では大いに意味のある日である。 ☆クリフォードJr(ジャーメインの兄) 「アスジアちゃんは、ジャーメインの命に等しいもの で、彼の誇りであり、楽しみでもあるんだ」 ☆アンジェラ・ジョーンズ(ジャーメインの母) 「ウチの子はアスジアを溺愛してるのよ」 ☆アル・ハリントン 「アスジアちゃんはジャーメインにとって一番大事 なものさ」 「彼のやることすべてがアスジアちゃんのためなの さ」 「ジャーメインは彼女のものさ」 オニール、そして彼のフィアンセ、ミーシャ・ロー パー、そしてアスジアは、ラメシャの家族やオニール の友人がいるポートランドを訪ねていた。 ジャーメインが生まれる前に、彼の父、クリフォード ・オニール・Srは家族からいなくなった。 高校を卒業してから父親にあったが、ジャーメインは すでに父親との関係を絶っている。 ジャーメインにとって父は母親を精神的にも肉体的 にも虐待した人間であるという。 ☆ジャーメイン 「俺にとって、彼は本当の父親ではないんだ」 「父親ってものは、自分の子供を愛し、自分の子供 と一緒にいたいと思うようなパパのことをいうのさ」 彼を駆り立てるものはなんなのか。 彼にとってバスケは2番目なのである。 彼にとっての1番目は家族。 彼にはいなかった父親になろうとしている。 オニールが13歳でオークレア高校に入学したとき、 両手でボールをあやつることができた。 シュート、パス、ポストでも外からでもシュートを 決めることができた。 が、しかし組織化された中学バスケを経験して いなかったため、彼はトラブルを繰り返した。 度重なる喧嘩、そしてサスペンド・・・ そして孤立した。 アンジェラは、ジャーメインにとってのヒーロー だった。 家族は彼女の収入に支えられた。 2つの仕事をかけもち、病院の助手そして銀行の 受付として、いつも働いていた。 ☆ギリンフ(高校のコーチ・元インディアナAC) 「ジャーメインの母親はジャーメインに構ってあげる 時間がなかった」 「他の子供には父がいていつも一緒にいたが、彼には いなかった」 「それは子供にとって大きなものである」 「子供たちは一緒に外で遊んだり、注目されたいもの なのさ」 ジャーメインはポップワーナーフットボールでQB をやっていた。 ジャーメイン以外の子供はみんな父親が来ていた。 ジャーメインは母が見に来ていた。 ジャーメインは母親を深く敬愛していたが、全てを 埋めることはできなかった。 内心ジャーメインは傷ついていた。 ☆オニール 「つらかったよね」 「学校に来るといつも父親がいないというなにか 満たされない思いを持っていた」 ギリンフはオニールにとっての助けだった。 ギリンフはトレーニングなどによって規律を植え つけ、そして彼を育てた。 アンジェラもギリンフを信用していた。 ギリンフはジャーメインが学校にこないと、自宅に 行き、ベットからオニールを引きずり出した。 そしてジャーメインは開花した。 生活は一変し、バスケットで輝きをみせるように なった。 彼は模範選手に変化した。 ギリンフは一度ジャーメインをレストランにつれて いったことがある。 ジャーメインにとって、レストランは初めての経験 だった。 彼の家にとって、そんな贅沢は許されなかった。 ジャーメインは大きなパンケーキを注文した。 レストランにとってありふれた光景だが、それは ジャーメインにとって記憶に残るものであった。 ☆ギリンフ 「いつも人生について話していた」 「ディープサウスに住んでいたときの経験について 話したりしたよ」 「どうやって人々とつきあっていくか」 「どうやって人と話すか」 「視線のそらし方とかもね」 「人に対して、自分がされたいように対応しなさい 、自分の言葉が人にどういう影響を及ぼすか考え なさい、人を傷つけてはいけないと教えた」 1996年のドラフト17位で、ポートランドは ジャーメインを指名した。 高校を出て数週間、そしてまだ18歳にもなってい なかった。 彼はそこで2005年8月22日に結婚する女性と バハマで出会うことになる。 深く恋に落ちたが、まだ結婚の準備は出来ていなか った。 しかし、彼女は妊娠した。 ☆ミーシャ・ローパー(当時大学生) 「私はショックだった」 「ジャーメインも」 「ジャーメインを変えたわ」 「彼は自分がいつも欲していた生活を娘に与えて あげられるように考えていた」 オニールにとって、アスジアは大きな宝である。 彼女の存在が彼を癒してくれる。 ☆オニール 「俺の人生にぽっかりと開いていた空間をアスジア が埋めてくれたんだ」 「怒りを静めてくれ、1年の傷を癒してくれる」 「俺はアスジアを俺が望んでいたように育ててあげ たい」 ジャーメインはインディアナでの4年間を経て、 開花した。 NBAで数少ない平均20点10R以上をあげた 選手として、MVP投票でも3位につけた。 しかしバスケが彼の唯一のゲームではない。 彼はアスジアとテレビゲームを一緒に遊んだりも する。 ミーシャは娘は父親同様にとも闘争心が強いという。 ジャーメインとアスジアはクリスマスの後、遊ぶ時間 を作ることができた。 ミーシャの両親、ジャーメインの母、祖母、そして 従兄弟も一緒に・・・ ジャーメインはアスジアにこう尋ねた。 「アスジアは誰と一番一緒に暮らしたい?」 「ママ?パパ?」 アスジアの答えはジャーメインの心に突き刺さった。 「パパ」 「どうして私はパパとママと一緒に暮らせないの?」 オニールは7年126ミリオンの契約を昨夏結んだ。 彼の未来は保証されているが、どこにいるかまでは 不確定である。 彼は考えはじめ、そして決定をくだした。 元旦に彼はミーシャに提案した。 彼女はビックリした、受け入れることにした。 忙しい元旦になった。 ジャーメインは母親に家、車、服・・・あらゆる ものを提供した。 高校時代、建設会社で働いて、日々家庭にお金を お金をいれていたのは兄クリフォードである。 今度はクリフォードの番である。 ジャーメインは1月1日に1ミリオンを兄に提供 するようにした。 ☆クリフォード 「もし自分達を愛してくれた母親のような人間を 愛しているならば、当然のごとく、自分を犠牲に して当然なんだ」 「別に弟にそうして欲しいとは思わないよ」 「ただ弟が幸せになってほしいんだ」 この話はあらゆる家族に共通するものである。 もちろん父親がいない、貧困などによってなされな いこともあるが・・・ それは幸福な父の日であるということだ。