○ウォルシュは正しいことをする ドニー・ウォルシュはまだ電話を動かしているし、 日々選手をチェックし、首脳ミーティングに参加 している。。 しかしインディアナがドラフトで動くとすれば、 最終決定権は他のものになるだろう。 その人間はラリーバードである。 インディアナはここ15年で14回プレーオフに 出場している。 それはウォルシュの功績といっても過言ではない だろう。 もちろん失敗も少ないながらあるが。 ウォルシュは自分のドラフトピックについて、 反省したり、今後の参考にしたりはしないという。 彼はドラフトの不確実性を理解しているし、どの 選手が活躍するかなどは合理的にはいかないことを 理解している。 ☆ウォルシュ 「チームは私が来る以前よりも勝利していると 思っている」 「それだけさ」 「なにかするときはベストをつくしているし、 私のやったことに関して、みんながどんな風に 感じているかについて特に気にはしていない」 ウォルシュの成功の形はかなり単純なものである。 優秀なスカウトを集め、できる限り詳細まで選手を 研究し、意見を聞く。 もちろん、嘘もつく。 彼は1986年にチームのGMとなった後、はじめて 4位指名でチャック・パーソンを獲得した。 その選択は他のチームを驚かせた。 ウォルシュは大々的にビックマンを獲得すると いっていたために。 その嘘に見事にだまされたのがニューヨーク。 パーソンを取るためにトレードアップして5位指名 を獲得したが、ウォルシュの策略だった。 パーソンはルーキーオブザイヤーに輝き、さらに チームを6年目で初めてプレーオフに進出させた。 だまされたニューヨークはケニー・ウォーカーを 獲得し、ウォーカーは7年で平均7点に終わった。 ウォルシュはデンバーでのAC時代に教訓を 受けている。 デンバーはケヴィン・マクホールを獲得したかった が、話が漏れ、5位指名の直前の3位指名にトレード アップしたボストンにかっさらわれた。 デンバーはジェイムス・レイを獲得したが、3シー ズンで3.2得点に終わり、マクホールは殿堂入り した。 ウォルシュの失敗ドラフトの際には酌量すべき 理由もある。 彼は1992年にダグ・クリスティーとスプリー ウェルが残っていたにも関わらず、マリック・ シーリーを14位で獲得した。 しかしインディアナにはSGが不要だったという 理由がある。 なにせレジーミラーがいたからである。 彼らは次の年にスコット・ハスキンを獲得。 同様に14位指名で、キャセールやバンエクセルと いった選手がまだ残っていた。 6−11のC、ハスキンの指名については永遠に 謎である。 彼はルーキーイヤーの1年目にたった27試合出た だけで怪我によりキャリアを終えた。 さらに彼はその27試合でもたいした活躍はしてい ない。 186分で55点。 しかしウォルシュはハスキンがきっと活躍する 選手になったはずだろうと思っている。 ☆ウォルシュ 「彼はちょっとしたジェフ・フォスターだったのさ」 「彼は素晴らしいリバウンダーであり、ショット ブロッカーだったよ」 インディアナは10指名でダンピアーを獲得し ている。 コービーやストヤコビッチ、そしてジャーメインが いる1996年のドラフトである。 チームはスミッツの前年度の足の手術により、 懸念をもっていたために、センターにターゲットを 絞った。 コービーもエリート選手であるが、当時、まだ 高校生選手に指名をむける時代ではなかった。 コービーの活躍はウォルシュに高校生路線へと 進ませる一因になったかもしれない。 ストヤコビッチはインディアナも強い興味を抱いて いたが、彼の欧州での契約がどうなるかわからなか ったために、指名には至らなかった。 彼は2年の時を経て、サクラメントに加入した。 そういったミスはあるが、大きな成功の前には 気にもならないものである。 彼は1987年に11位指名でレジー・ミラーを 指名した。 当時インディアナ大学のスター、スティーブ・ オルフォードへの指名の期待が高かったために ヤジられたりもした。 彼は1991年にデイル・デイビスを11位指名 で獲得。 デイビスはより低い指名が予想されていた。 そして彼の自信につながった1990年のアントニオ ・デイビスおよびケニー・ウィリアムスの45・46 位指名による獲得である。 アントニオ・デイビスは6年間に渡り、チームに 堅実に貢献し、トロントでオールスターも経験した。 ウィリアムスは優れた技術を持ったやる気に満ちた 選手であったが、コート外での未熟さに終わった。 彼は海外でプレーしている。 ☆ウォルシュ 「彼は若く、自分の人生をうまく扱えなかった」 「彼がもうちょっと大人になっていれば、きっと 活躍できたと思う」 「残念ながら、まだリーグは若い子供を上手く 扱える段階になかった」 ウォルシュはしかしながらそういったオフコートで の問題をちゃんと捉えようとしている。 そういった部分もドラフトの日での大事なもので あるので、バードはそれをウォルシュから盗み ださなくてはいけない。