○なにがいったい悪いのか? 異常なまでのフィジカルなディフェンス、そして アーテストの暴れっぷりで、多くのコラムニストは 1980年のデトロイトピストンズとインディアナ を比較する。 それらのチームをひっぱっていたのは、現インディアナHC アイザイア・トーマスであることから、 比較対象にされるが、それは正しいのだろうか。 答えはノーである。 説明するまでもないのだが。 さて、スタッツから比較しよう。 2003年のインディアナは94得点を奪われ、 相手のシュートを43パーセント許している。 一方でデトロイトの1989年のチャンピオン時 には101点を奪われ、相手に45パーセントの シュートを許している。 比較対象になるだろうか? いやならない。 デトロイトの数字はリーグトップクラスである。 1989年のプレーオフではデトロイトは93点 と相手を封じ込んだ。(24秒ルール後) 1980年NBAのオフェンスは100点を越える ことが多くなった。 80年代には100点未満に抑えろということが ディフェンスの目標だった。 そんな中、デトロイトは100点以下のディフェンスに着手していた。 インディアナは90点以上取れれば、よい時代に 94点の失点を犯している。 スタッツの分析がさほど意味をなさない今、より 深く見てみる必要がある。 デトロイトのバッドボーイズは全てのシュートに 闘争心を燃やし、そして相手のあらゆるシュート を激しくとめようとした。 もちろん相手に触れることなく。 しかしインディアナは接触プレーを恐れることな く、時に激しいファールをしたりもした。 そして突然インディアナはニューバッドボーイズ の異名を持つようになった。 間違いである。 各ポジションからも考えてみる。 アイザイア・トーマスはジャマール・ディンズリー を圧倒しただろう。 ジョー・デュマースはレジー・ミラーを圧倒した だろう。 デニス・ロドマンにアーテストは当惑させられ、 レインビアーはブラッド・ミラーを封じ、そして ジャーメインオニールはジェイムス・エドワーズ に泣かされていただろう。 インディアナはデトロイトのいたそのクラスに 属していない。 クラスという面でいえば、バッドボーイズは NBA史上において、評価しにくいレベルなの かもしれない。 1991年カンファレンスファイナルでシカゴ に負けたとき、握手を拒んでコートを去った。 見るほうには面白いことかもしれないが、決して ほめられたものではないだろう。 インディアナもこのまま同様の道を進んでいくの であれば、このチームは間違った道に進みつづけて いくかもしれない。