○アイザイアは予言していなかったのか? 疑問もないことだが、アイザイアもバードも 多くのNBAスーパースターよりも勝者に なって引退した人間である。 両者とも殿堂入りし、衰え始める前に引退した。 そして互いに引退後に新たな成功への道を探し あてた。 ラリーバードはインディアナのHCとして、チーム をファイナルまで到達させた。 アイザイアはトロントの設立などを経て、ラリー バードの後のインディアナの若い選手達をひきつ いだ。 様々な因縁の関係がある2人が上手くやっていける かどうかは、バードが「コミュニケーション不足」 という理由でアイザイアを解雇する前からわかって いたことである。 今回の解雇劇は突然決まったことなのだろうか。 最近リック・カーライルがデトロイトを解雇され たことにより、バードがひきつけられたことは 驚くべきことでないだろう。 むしろ多くの人はラリーバードがその機会をうかが っていたと推測する。 コーチという観点でカーライルはアイザイアと異なり、選手の個々の役割を明確にする。 バードも基本的にそのやり方を賞賛する。 しかしアイザイアはバッドボーイズ時代の戦術以上にトランジッションオフェンス(速攻)を基本と したものをこのんだ。 またバードはアイザイアは若い選手の育成、獲得を怠ったという。 アイザイアが印象的な復興を果たしたのを見る限り この批判はまとを得てないようにみえるし、アイザイアの才能を見出す能力には誰も疑問を唱えて いない。 アイザイアはラリーバードが考えるヴィジョンに 沿った激しいディフェンスを実行していたように 思える。 それが創造的であれ、なかれ、ラリーバードは もう一段階上にいくためというエゴな理由で アイザイアを解雇したようにも思える。 NBAにはこういった偉大な人間同士のエゴによる ぶつかり合いが多発する。 アイザイアがインディアナを正しい方向に導けな かったという指摘は間違いであるかどうは別にし、 やや疑問の残るものでもある。