○ラップは彼の喜びである。 NBA界にも広がるラップの流れは私の体中を 熱くする。 ロン・アーテストは自分の聖域でたまに息抜きを する。 天井からたった4つの赤いライトとコンピューター スクリーンが一つある会場がキーボードをあやつる アーテストを照らしだす。 アーテストがNBAという注目の世界からの避難所を 見つけ出すのは容易ではない。 インディアナポリス北西の彼の大きな自宅の傍らに それはある。 ここがアーテストが彼のもう一つの情熱を燃やす 場所である。 彼の音楽スタジオはもう一つの彼の作業場である。 ☆アーテスト 「試合後ここにきて、朝7時までここにいること だってあるんだ」 「ここにいるときは少なくとも7、8時間はここに いるよ」 アーテストはニューヨークの公営住宅クィーンズ ビレッジで育った。 Mobb Deepのような初期ラッパーを生み出した街で ある。 アーテストは13歳でラップの詩を書きはじめ、 シカゴブルズに入団後、音楽もつくりはじめるよう になった。 アーテストはここ2年どっぷり音楽に漬かっており、 ミキシングテープに4曲自分で収録している。 さらに「TruWarier AllStars」という名称のアルバムを自分の レーベル(TruWarier)でラップスター達と2004年早々に 発表しており、その2つ目をまた発表しようとしている。 アーテストは他のDJとも2003年にアルバムを 発表しており、来年またCDをリリースする意向を 持っている。 ☆ポウル・ブンヨン(ディスクジョッキー) 「彼の実力は本物さ」 「彼の人生そして育ってきた背景を考えさせられる よね」 「彼はヒップホップの本場から生まれた」 「彼が成長しているとき、ヒップホップも成長し、 成熟していった」 「彼は自分の魂を自分の作品にこめることができて いるよね」 アーテストの音楽界における成功のレベルを測る にはもう数年待つことになるだろう。 「TruWarier AllStars」は発売されなかった。 ディスクジョッキーのブンヨンはクラブでかかった 曲のいくつかを聴いたに過ぎない。 最近アーテストは発売に踏み切ろうかと考えている。 自分自身のCDを発売しようと。 ☆アーテスト 「ここ2年仕事のように真剣にやってきたが、 音楽だけしていることに疲れてきた」 「真剣に仕事のようにやってみようかと思っている」 ☆ストリートから・・・ アーテストはNBAにおいて5年目のシーズンを 終えた。 すでに大富豪になり、オールスター選手であり、 さらにはディフェンシブプレーヤーオブザイヤー でもある。 多くのファンは彼のことをアグレッシブな選手として 感じている。 2年前まではNBAのテクニカルファール王であり、 12試合サスペンドを受けた。 今年はサスペンド2試合だった。 クィーンズビレッジの凶悪な世界からアーテストは マクドナルドオールアメリカンに選ばれ、そして セントジョーンズ大時代にはオールビックイースト の選抜にも選ばれた。 自分のレーベル(TruWarier)は、自分がニューヨークの 有名な運動場ラッカー・パークで遊んでいた 時代につけられたあだ名である。 アーテストは当初父親の影響で歌詞を書くことに 興味をもつようになった。 ロンアーテストシニアはよく鼻歌交じりでリズムを 刻んでいた。 アーテストは最初の歌詞を書いたときに、兄の ダニエルと2人でジャマイカのアクセントで 歌ったことを覚えている。 アーテストはその後、1999年にドラフトされ るまで、ときたま歌詞を書いたりしていた。 アーテストの最近のラップは少しハードコア系の 傾向がある。 しかし最近の彼の様子は歌と違い、マイルド系で ある。 ただアーテストの歌はハードコアだが、アイバーソンの ようなヒドイ不敬な歌詞ではない」 ☆アーテスト 「俺はハードコア系の要素をもっていたけど、 ハードコア系は客受けが悪いからね」 「子供がいるし、NBA選手だしね」 「ブースの後ろで歌っているならいいかもしれない けどね」 「俺は好きなんだけどね」 アーテストは30近くの歌詞をかいており、その うちの13曲をアルバムに加えるつもりである。 クラブで流している曲よりもどちらかといえば、 詩に力をいれたものが多い。 彼は自分のスタジオを拡大する予定がある。 実際のところ、ビジターがくることはほとんど なく、だいたいアーテストと従兄弟がいる ぐらいなのだが。 カンファレンスセミファイナルの練習後、バードと カーライルはアーテストのヘッドホンを拾ったとき 2人はいわれるまでそれがアーテストの歌とは 知らなかった。 ☆より静かな人生 アーテストは自分の人生が彼の詩に影響を受けている という。 いまの詩はより静かなものになっている。 クィーンズビレッジはおよそ5000家族が住んで おり、アーテストは姉妹のクアニシャをたった10 週間で亡くしている。 去年には元ガールフレンドに恐喝したとして、26 人のセラピストのセッションを受けるに至った。 しかし今、昨夏妻のキミシャとセイド6歳、ロン 3世4歳、そしてダイアモンド10ヶ月の3人の 子供、さらにその従兄弟と暮らしており、さらに 6匹の犬をかっている。 ☆アーテスト 「ほとんど家にいることが多いよ」 「音楽作りが大好きだからね」 「いいものを作りたいんだ」 アーテストは音楽業界が汚れていることも知っている。 ☆アーテスト 「多くのサメがそこにはいるからね」 しかしバスケ引退後もアーテストもその業界には いつづけたいと思っている。 ☆ロンアーテストシニア(父親) 「それがいいことだと思っているんだ」 「あとどれぐらいアスリートとしてやれるって いうんだい」 「ロンは想像力豊かだし、それについてはまだ 底を知れない」 「彼はけっして出来ないなんていう人間じゃない しね」