○いいチームになるために 彼らはコンセコに戻るたびにどこででも思い出すだろう。 そのメッセージはロッカールームの壁、練習場、ウェイトルーム にもある。 そのメッセージはあと少しで届いたタイトルを狙う今年のテーマ を示すものである。 Be a Great Teammate. (偉大なチームメートになろう) その解釈の方法はいろいろある。 そして色々な選手が色々なアプローチの仕方を持っている だろう。 しかし、ボストンでチャンピオンシップ獲得経験のあるラリー・ バードとカーライルは、正確にどういった意味があるのかわか っているだろう。 それは犠牲を意味するものである。 役割、プレータイム、シュート等・・・ それがチームに寄与するものであれば・・・ ビールでさえもだ。 1986年にボストンでNBAチャンピオンを獲得した選手達は 規律の一つとしてアルコールの摂取をやめた。 6月にヒューストンをファイナルで破って、祝賀会でシャンパンを 浴びた。 ☆バード 「最高のチームになるということは最高のケミストリーを持つ ということなんだ」 共有というインディアナのシーズンが始まる。 ケミストリーを求めて。 インディアナは去年61勝というフランチャイズレコードをマーク した。 ボストン、マイアミを蹴散らし、デトロイトと激突した。 インディアナがチャンピオンになれなかった理由として、怪我が 大きな要因だったと思われる。 オニールは左膝を第4戦に痛め、ティンズリーはシリーズ前に足首 膝、大腿部に怪我を負っていた。 しかし、デトロイトはチームになっていた。 インディアナディフェンスで素晴らしいものをみせたが、フリー でのシュートというものが欠けていた気がする。 彼らはそのシリーズでたった35パーセントのFG率だった。 3Pは27パーセント。 最後の2試合に至っては平均65点という内容だった。 カーライルはより動きの多いオフェンスに改造した。 しかし彼は選手達によりより多くの得点を取るための判断能力を 示してほしいと思っている。 彼らはチャンピオンを獲得するのに大幅な改善は必要ないと 思っている。 ちょっとだけ怪我を減らし、ちょっとだけ運をつけ、そして ちょっとだけチームワークを増やし、ちょっとの我慢とバランス、 そして友情。。。 バード 「去年以上にケミストリーがよくならなくてはいけない」 「61勝したが、ややみんなが利己的であったように思える」 「このチームはいいチームだと分かってる」 「活躍できる多くの選手がこのチームにいる」 「浮沈は選手達にかかってる」 「彼らはいい選手だが、それぞれみんなのためにプレーしている だろうか?」 「それができれば、きっとチームは今年やれると思う」 ○チームワークに対する報酬 もしインディアナがチームプレジデント以外の誰かからメッセージ を必要とするのであれば、マイアミのシャキールオニールから 聞くのがいいかもしれない。 彼はタイトルを勝ち取るための定式を知っている。 ☆シャキールオニール 「主力が上手くやっていくことだ」 「能力だけで40試合から50試合は勝てるだろう」 「しかしその能力を上手くつかい、みんな喜んで犠牲になるという 精神がなくてはならない」 デトロイトは昨年チームワークで空中分解していたレイカーズを 粉砕した。 バードとカーライルは1度チャンピオンになっていたから、それを すでにもっていた。 バードは3つのタイトルを獲得している。 しかしそのタイトルはそれぞれ別のものだった。 もしインディアナを比較するとしたら、1986年が対象に なるだろう。 その1986年のチームは多くのタレントがいた。 バード、ケヴィン・マクヘイル、ロバート・パリッシュ、デニス ジョンソンといった殿堂候補組がスターターとしていた。 他のスターターもダニー・エインジがいたし、ベンチにはカーライル 、ジェリー・シチング、ビル・ウォルトンがいた。 禁酒に加えて、ボストンは個々の栄光を犠牲にした。 5人全員が平均2桁得点でありつづけた。 マッチアップなどの関係で、日々得点を重ねる人間が違った。 そして8人のローテーションも層が厚かった。 その層の厚さが練習においてもスターター争いを生み出し、そして スターターが休む時間も与えることになった。 ☆カーライル 「チームの唯一の目標はシーズン最後の試合(ファイナル)に勝つ ことだけだった」 「そのために小さな犠牲をたくさん払ったし、節々に大きな犠牲 も払ったりした」 「個々のスタッツよりもチームのことをすることはスターター、 リザーブともに義務であったように思える」 ○犠牲というもの インディアナのチームワークは層の厚さで困難な面がある。 インディアナのベンチ陣はNBAでも屈指であり、いいことで もある。 1人や2人怪我人が出ても、どうにかなる。 去年もオニールやアーテストがいなくとも10勝2敗だったという 結果が証明している。 しかし選手達はプレータイム、得点面で制限を受けることになる。 ハリントンは昨シーズン、それに悩み、トレードを要求した。 ハリントンはチーム3位のプレータイムと得点だったが、ベンチ スタートということに納得ができなかった。 ハリントンをアトランタに放出し、ジャクソンを獲得したのは、 チームのケミストリーにとって意義深い交換だったかもしれない。 ジャクソンはサンアントニオ時代にリザーブSGとしてチャンピオン シップを獲得している。 インディアナで唯一リングを獲得している選手である。 彼は過去2シーズンスターターであったにも関わらず、ベンチでも 構わないという姿勢を見せている。 ☆ジャクソン 「みんないつもなにかを得るためになにかを犠牲にしなければ ならないんだ」 ジャクソンの贔屓目ありの意見では、インディアナはサンアントニオ よりもリザーブ陣が優れているのでいいという。 ☆ジャクソン 「インディアナにいるからじゃないよ」 「インディアナの方がいい選手がそろってるし、層も厚く、なにせ 若い」 「サンアントニオはダンカンやロビンソンがいたが、ウチには13 から14人の選手が活躍できる状態にあるんだ」 他の選手達もチャンピオンシップのために犠牲を払う意欲を見せて いる。 ミラーは3シーズン前から役割変更を行っている。 クローシェアも不安定なプレータイムを受け入れている。 ポラードも最初の2試合でリザーブという厳しい扱いにも我慢 している。 今シーズンについていえば、オニールとアーテストも同様であろう。 彼らはオフェンスの中心であるが、以前よりもやや得点機会が 減ることになる。 新しいシステムは彼らにもスクリーンをセットさせ、周りをオープン にしたりするものである。 当然に得点は減る可能性が高い。 オニールは問題ないという。 過去2シーズン平均20点以上あげてきたが、よりFG率を上げる ことに一番の興味があるという。 ☆オニール 「このチームが成功するために必要なことはより得点力をあげて、 失点を減らすことだよ」 「全然問題ない」 「このオフェンスシステムは全ての選手に利益になるだろう」 「俺の仕事もたやすくなるし、俺だっていつも好調な訳じゃない」 「みんなでオフェンスしていけば、俺のシュートアベレージも あがる」 「みんなにいい効果があらわれると思う」 ○アーテスト・・・ いい状態のアーテストはインディアナの最も重要な要素である だろう。 彼はデトロイトを前にチームメート批判をし、さらに試合では 29パーセントという低いアベレージでチームの敗北の要因に なった。 その問題はデトロイトとのシリーズのときの練習サボりや チャーター機に遅れるといったことも要因だったとされる。 彼の攻撃的な思考および自信はデトロイト戦での意味不明なシュート セレクションにつながった。 誰も彼の批判をしなかったが、彼の攻撃についてはしばしば 攻撃のバランスといった話の中ででてくる。 ☆バード 「もしロニーがその夜シュートを打たないとしたら、彼はチームを 助ける方法を見つけなくてはいけない」 「それはロニーだけでなく、みんなにいえることだ」 「ウチはシュート力がある方なんだが、もしシュートがあまり 入らないのであれば、チームメートを助けるようにしなければ ならない」 アーテストはしばしば攻撃は自分を通して欲しいという。 そして今年スコアリングリーダーになりたいと話している。 しかし昨年カーライルのオフェンスは機会均等でないと不平を もらしていた。 いま、彼は特にシュート数が減るのは気にしないという。 そしてチームメートがよりよくなることを強調している。 彼は去年1シーズンを経験しているので、選手達とより親密 になっているという。 去年ハリントンと仲がよかったが、今度はジャクソンとの 関係が強化されている。 ☆アーテスト 「彼がせっかく来たんだから負けるわけにはいかない」 「実際負けないと確信している」 他の選手達も成長を示している。 ミラー以外は若い。 かなり成長したが、まだまだ活躍といえる段階まで来ていない 選手もいある。 インディアナはいまやトップ3に入るチームといわれている。 1999年のロックアウトシーズン以来、ひざびさにチャンピオン シップを取るチャンスがありそうだ。 もし彼らが「Be a Great Teammate.」を実行できれば。