○リザーブ陣はドアのノックする音に応える サンクスギヴィングデーに、エージェントからインディアナが契約 したいという連絡が来たフォルケスは特に詳細について尋ねなか った。 とにかくサクラメントから飛行機に乗り、インディアナにいけば いいということだけは理解していた。 頑張れば、今後の契約を取れるかもしれないということは重々理解 していた。 ☆フォルケス 「保証契約がなく、ピンチの時にNBAでやれるチャンスがくれば、 内容なんて後で聞けばいいのさ」 「着替えなんてもたずにとにかく向かうつもりだった」 「チャンスが欲しかったからね」 今のNBAにそんなチャンスはあるだろうか? インディアナは3人のスターターを失った。 さらに2人が怪我でいない。 フォルケスはインディアナのロッカールームにおいてチャンスを もらった一人である。 もう1人の新しいチームメートブリトン・ジョンセンも同じである。 金曜日の夜、インディアナはほぼNBAで活躍できなかった選手が 集まって構成されたともいえるシャーロット・ボブキャッツと 対戦した。 ☆キース・ボーガンズ(03年ドラフト2巡目・現シャーロット) 「1人だけがルーキーオブザイヤーに選ばれる」 「そして1人だけNBAドラフトで1位指名を受けるが、一方で 多くの1巡目ドラフト選手が入ってくる」 「だからNBAに入ろうとする多くの選手がどこにチャンスがある か探し、与えられたチャンスをとにかく獲得しなければならない のである」 ○スターダムへのきっかけ サスペンドを受けたインディアナのスターター3選手の背景を 見てみてほしい。 オールスター選手でMVP候補にも選ばれたジャーメインは ポートランドではタレントぞろいのインサイド陣で脇役も脇役 だった。 インディアナにトレードされ、彼のキャリアの上昇のきっかけに なった。 アーテストもシカゴ時代はどうしてもインディアナが欲しい選手と いえる存在ではなかったが、昨年オールスター選手になり、ディ フェンシブプレーヤーオブザイヤーに輝いた。 ステファン・ジャクソンは1997年2巡目でフェニックスに 指名されるも、シーズン前にカットされた。 さらに2チームでカットを受けたジャクソンは海外へ行ったり、 マイナーリーグでプレーしたりもした。 2003年にサンアントニオでNBAタイトル獲得に貢献し、 彼のNBAへの道が大きく開いた。 ☆マイク・ブラウン 「ジャクソンはスティーブスミスが怪我するまでは、9番目から 10番目の選手だった」 「ジノビリをスターターにしようともしたが、まだ十分でなかった ために、色々試したがダメだったので、ジャクソンにかけてみた」 ○臨機応変に 現在の5人のスターターはみなドラフトされた選手であるが、 誰も今のようにやれるなんて思っていなかった。 ☆ポラード 「ベンチにいただけだったので、やれるか不安だった・・・」 「みんなこのレベルでやれることが証明できた」 「クローシェアがやれることは、プレーオフなどを見てみんな わかっていたし、多くのプレータイムを与えられても俺もやれる ことを示すことができた」 「フレディーやジェイムスがまさかこんなにやれるなんて思って もみなかっただろう」 「リザーブ陣の能力に疑問を抱く人間にそれを示すチャンスに なったと思う」 ジェイムス・ジョーンズも彼の確信はグラつかなかったという。 ☆Jジョーンズ 「トレーニングキャンプの初日にインディアナでカットされない んだから、NBAでやれる力があるんだと確信していた」 「素晴らしい選手ばかりでプレータイムは与えられない問題はある けど、よりよい選手になれたと思う」 過去4シーズン、リザーブでありつづけたクローシェアも理解して いる。 ☆クローシェア 「このリーグには多くの素晴らしい選手がいるし、チームにも 30分とかプレーする選手がたくさんいる」 「だから、その分プレータイムが削られる人間もより多くいる んだ」 「それゆえに多くのファンはそういった選手達がチャンスを与えら れた時、どうなるかはわかっていないと思う」 「もちろん、プレータイムはみんな沢山ほしい」 「でも、それにはロンやジャーメインといったオールスター選手を 超える活躍をしなくてはならない」 「ということは、こういった不運なケースがあった場合にベストを 尽くさなくてはいけない」 カーライルは1984年のボストンでほとんどチャンスを与えられ なかった。 しかし怪我とトレードでチャンスが回ってきて、ボストンで3年間 プレーすることができた。 その後、ニューヨーク、そしてニュージャージーでプレーし、 コーチに転身した。 カーライルのNBAでのプレー経験は、決して補欠陣を除外しない 一つの理由である。 機会を与えられていた選手以上に、自分自身でなんども成功を 掴み取ろうとした選手の方がよいともいう。 ☆カーライル 「チャンスが来たときに準備ができていることと同じ意味をなす んだ」 「ジェイムス・ジョーンズは、過去2年間毎日ジムで最後まで 練習をしていた」 「エディー・ギルや他の選手達も、非常に勤勉で、チャンスを 待ち続けている」 「今は、彼らが成長し、このチームを助けてくれている」 「我々はチャンスをなんとかつかもうと頑張る彼らの存在を 必要としているんだ」