○ティンズリーの新しい生活 彼は6歳の時に父親と継父を亡くしている。 そして24歳で母親を亡くした。 1年前に彼は3番目のPGとして、あやうい立場にも立った。 だが、いまや彼はチームの勝敗を分ける重要な選手になって いる。 明らかな証拠として、彼の人生は1年前の息子の誕生でます ます充実してきている。 精神的に満たされているのが、プレーにも現れている。 ここ7試合で平均22点、今までのキャリア平均15点を 7点近く上回る。 アシストランキングはNBA4位、スティールランキングは 2位につける。 インディアナは彼なしでは厳しいこともわかっている。 ティンズリーが欠場した5試合は0勝5敗。 調子のよかった昨シーズンでさえ8勝6敗という数字を 出している。 彼の存在が勝ち負けに影響するといった質問には、「あんまり 関係ないよ」とはぐらかす。 ☆ティンズリー 「とにかく出場して、プレーしているだけさ」 「チームが必要なプレーをね」 彼のチームメート達をバカにしている訳ではない。 アンソニー・ジョンソンだって堅実で成熟したPGである し、守備も上手い。 しかしティンズリーのドライブ能力とパス能力がみんなの 攻撃をスムーズにする。 攻撃のペースを速め、よりいいポジションで得点を取りやすく しむけることができる。 ☆ジェイムス・ジョーンズ 「みんなそう思っているよ」 「彼がコートにいれば、みんなプレーコールをしなくて すむ」 「彼はコートにおけるカーライルみたいなもんなんだ」 「彼は本当によくなった」 「守備を理解し、チームをよりよい状況における選手に なったと思う」 「他の選手達がどうこうという訳ではないが、ボールを持って いるときの彼は本当に素晴らしいんだ」 「彼がいるのといないのの違いははっきりとわかると思う」 「彼はチームを支配してくれるんだ」 ○息子の影響 ティンズリーは、今、父親である人生について同じ印象を 持っている。 去年の12月1日にジャマールJrが生まれた。 ジャマールジュニアは殆どNYで生活していたが、父を テレビで見て、電話をしばしばかけてくるという。 先週、ママと一緒にインディアナポリスを訪れ、1ヶ月あまり の余暇を過ごした。 ティンズリーは特に表情には出さなかったが、ジュニアが 話しかけているときのティンズリーの心はいうまでもない。 ☆ティンズリー 「子供は本当に俺を癒してくれる」 「母を失ったが、それを取り戻してくれたと思う」 ティンズリーは父や継父と殆ど接触はなかった。 今年新たに40ミリオンの契約延長を行ったが、息子を 甘やかすつもりはない。 ☆ティンズリー 「俺はジュニアにいい生活を送って欲しい」 「大きくなったときに彼がいい人生を送れるようにしたい」 「俺は父親を見ることはなかった」 「とにかくジュニアの側にいて、彼が正しい方向へ進むように 育てて生きたい」 「まるで友達のような関係にね」 ○コーチの信用 カーライルとティンズリーはかつての悪い関係から、堅実な 信頼関係へと進化している。 カーライルはかつてティンズリーを3番目のPGにすえた こともあった。 シーズン序盤をILで過ごすこともあったが、アンダーソン の怪我でティンズリーに大きなチャンスが来た。 最初はコミュニケーションも多くなく、ただティンズリーの 動向をカーライルが注目するだけだったが、だんだんと ティンズリーの攻撃面に注目するようになっていった。 カーライルはティンズリーを信用し、しばしばプレーコール を行うカーライルだったが、チャンスがある時はティンズリー に任せるようになっていった。 ☆カーライル 「ちゃんと理解しているしね」 そういったことも踏まえて、ティンズリーをどんどん信用して いく。 オンコート、オフコートでのコミュニケーションも増え、 どんどん家族のようになっていった。 ☆カーライル 「子供が生まれ、いい影響が彼にあったと思う」 「私にも子供が生まれてよりコミュニケーションを取るよう になった」 「子供が生まれるのと同時に選手として、個人としてこの チームを代表する選手になったと思う」 ティンズリーに子供が生まれたことは、インディアナに 起きた最良の出来事の一つであるだろう。