○NBAにおいて、一つのチームに残ることはまずない マーク・ジャクソンは91−92年シーズンにニューヨ ークでプレーしていた時のチームミーティングを思い出す。 パット・ライリーHCの話を聞いていた全選手の中で、 ニューヨークでキャリアを過ごし、今後もニューヨークで プレーしつづけていそうだったのは、ユーイングと彼だ けだった。 ☆ジャクソン 「実際そうなると思ってたんだけどね・・・」 今となってみれば、それはジョークにさえ思える。 ジャクソンはその後7チームを渡りあるいた。 17年のキャリアで、ニューヨークでも5シーズンプレー し、ルーキーオブザイヤー、そしてオールスターでも プレーしていた。 しかしその後は大抵のNBA選手と同様の道、移籍の 道を歩んだ。 18年のキャリアをインディアナで過ごしたミラーの ケースもあるが、大抵の選手は自分の居場所を探す ために、色々なチームを渡り歩く。 アンソニー・ジョンソンはインディアナで最も移籍を 経験した男だ。 カットなどにより、7度の移籍で6チームを渡り歩いて いる。 ☆ジョンソン 「ぶっちゃげ、うんざりだよね」 「色々な人と関係を築けるけど、強い関係は長い時間が 必要なのさ」 しかしNBAの放浪者達は移籍は頻繁でも構わないと いう人間もいる。 ミラーやデヴィット・ロビンソン、ストックトンのような 都市と強い、そしてスペシャルな関係を作れる人間がいる 一方で、色々な選手、コーチとの関係を築き、そして 様々な経験を積むことができる人間もいるからだ。 とにもかくにも、下のリーグでプレーするぐらいなら、 どこでもいいというのも本音らしいが。 ☆ジョンソン 「NBAでの毎日は楽しいよ」 「悪いことじゃないね」 「生活をしていく上で、世界で400人しかいないNBA 選手の1人であることに何の問題もないよ」 ジョンソンは今まで所属したチームのジャージや靴を 集めている。 ホーム、ロード、レトロ・・・。 ただ最初に所属したサクラメントでのものがないが・・・。 彼はそれを得るためにサクラメントにお願いしようとさえ している。 彼にとって、それらは自分を必要としてくれたチームが 沢山あったというトロフィーになっているようだ。 いつかそれを自宅に飾りたいと彼はいう。 自宅? そこにもう一つのストーリーがある。 多くの選手は、借家かマンション暮らしになる。 ジョンソンはオフにアトランタの自宅に戻るが、大抵は 借家暮らしをしていた。 しかし、03年に契約を結んで以降、インディアナに 家を購入した。 その後、04年に4年契約を結び、家の購入負担は 軽減されることになった・・・。 ジャクソンは例外である。 彼は移籍するごとに家を購入し、家族と移り住んだ。 そして引退後はロサンゼルスの郊外に住んでいる。 しかし、その自宅などが移籍後すぐに売れる訳ではない。 半年でトロントからニューヨークに移籍する時、 インディアナ、トロント、ニューヨークと3つの家を 所有していた。(今もインディアナはある) 02シーズンに所属していたすトリックランドもインディ アナポリスに家を所有しており、この春売却するつもり である。 ストリックランドは6チームを渡り歩き、色々な箇所で 不動産投資をしてきた。 彼の父はエージェントでもあり、ともに活動してきた。 現在、オフには妻とシャーロットに住み、インディアナ とミルウォーキーに2つの家を所有している。 投資用の不動産を今まで探してきた。 彼の移籍が彼のもう一つの仕事にとっても、価値ある ものであったと感じている。 ☆ストリックランド 「移籍は俺を多才にした」 「色々な人々と話し、いろいろなコミュニティーを 見たりできたからね」 ジャクソンもまた多くのコーチのスタイルなどを経験 したことで、将来コーチになりたいという本人にとって 価値があったという。 もしニューヨークだけでプレーしていたら、親友の1人 であるミラーと一緒にプレーすることもなかったで あろう。 大学でともにプレーし、色々教わったクリス・マリンと もプレーすることはなかったであろう。 デイル・デイビス、ジェイレン・ローズ、カッチーノ・ モーブリー、スティーブ・フランシス、カルロス・ アローヨといった選手達を知らずにいただろう。 選手達は自分にとっていい状況になるようなものである ので、移籍を歓迎している。 ただ、ジョンソンは一度だけ失望させられたことがあった。 2001年にFAとなった彼はシアトルのネイト・マクミ ランHCに呼ばれ、2週間のキャンプに参加した。 自分自身いいプレーをしたと思ったが、解雇された。 ☆ジョンソン 「正直、初めて自分が誰かにウチでプレーできるほど、 君はそんなにいい選手でないといわれたので、ショック だった」 「本当に当惑したよ」 結局、NBDLで半年間プレーすることを強いられ、 その後、1月にニュージャージーに拾われ、ジェイソン キッドのリザーブとして、チームをファイナルへと 導く一因となった。 ただ今、4年契約という大きな契約を得ることができたの で、好ましい経験だったと振り返る。 ☆ジョンソン 「その経験は俺をより一生懸命練習させ、NBAで活躍 し、高いレベルでプレーできるようにしてくれたからね」