○ドラフト選定作業最終段階 シカゴプレドラフトキャンプは、メディアの興味を大きく高 めるものであるが、実際のドラフトの最後の準備の一つである といえる。 キャンプでの5つの練習試合を見るために、スカウト、コーチら が集まるが、彼らはその以前から色々な調査を実行している。 ☆ジョー・アシュ(インディアナスカウトディレクター) 「GM達やスカウト達が集まって色々話をしたり、情報集めを したり、コーチたちが選手達を見るいい機会なんだよ」 「でも、総合的な評価は、それまでのことを考慮して決めなく てはいけない」 「1回のドラフトキャンプでいいプレーをしたからって、 過去2・3シーズンのプレーっぷりを無視するわけにはいか ないしね」 実のところ、トップ選手はほとんど参加していない モックドラフトサイトドラフトネットにおいてトップ40の 評価を受けた選手で参加しているのはケンタッキー大のセンター ランドルフ・モリスただ1人である。 去年、ドラフトキャンプに参加して1巡目の評価を受けたのは 3人。 ボストンのデロンテ・ウェスト、トニー・アレン、ベノ・ウド リッヒの3人だけである。 ☆アシュ 「たぶんシカゴのキャンプに参加した人間にインディアナの 1巡目指名選手はいないだろうね」 去年の2巡目PGラシャド・ライトはドラフトキャンプに参加 していた。 またドラフトされなかったが、インディアナのロースター枠を 1年間埋めたジョン・エドワーズ、そして去年最後の最後で カットされたデスモン・ファーマーも参加していた1人である。 1巡目指名候補がシカゴのキャンプに練習試合ではなく、ただ 身長と体重を測りにいくのが一般的になっている。 自分の能力を見せるのは、個々のワークアウトで示すのだ。 アシュの20年のNBAスカウトにおいて、アシュはシカゴの キャンプが、かつてのセンターステージといった扱いから、 ブロードウェイに繋がるステージに変わったという。 ☆アシュ 「最も大きな変化は、試合に行かない選手が存在し、そして 行かない選手はエージェントが個々にワークアウトを設定する ようになったことである」 「ただ選手達が来なくても、1年中我々は十二分に選手達を 確認しているので特には気にならないんだ」 「また今年のシカゴのキャンプにおいて、特に驚くような 変化もなかったね」 「シカゴに来た選手も来なかった選手も我々スカウトは十分 チェックしているからね」 「シカゴは個々の選手の全体的な評価のほんの一部分に過ぎない」 過去8年で2度目の20位以内指名権を得たインディアナに とって、今回のドラフトはロースター枠を埋めるだけでなく、 プレータイムをもぎ取ることのできる選手をもたらすチャンス である。 チームは自分たちが利用できると思う選手の中からこの2週間 で絞込みをかけることになるだろう。 ☆アシュ 「私たちは17位まで残っているだろう選手のリストを持って、 インディアナにどの選手がどのようにフィットするかを比較し、 それらの選手をランク付けしている」 「だから誰が16位までに指名されるかを理解して、その中に いない10名を検討している」 そしてインディアナは検討段階にある数選手を呼び、その中で 個々のワークアウトを実行することになるだろう。 アシュ曰く、ワークアウトには今までほど呼ばないという。 ☆アシュ 「私たちはワークアウトに多くの選手を呼ぶつもりはない」 「なぜなら、1年間の実際の試合見学とテープの評価に重きを 置くからである」 「バードはワークアウトを面会以上に重視していないように 思える」 「どんな選手であるかについてはだいたいわかっている」 「あとは非公式に話したりしてみて、どんな感じなのかを確認することにも興味があるんだ」 「ワークアウトにおいて、気になるのはそのポジションで どんな技術を持っているのかってことに興味がある」 「SGならどんなシュートを打てるのか?」 「インディアナのシステムにおいて彼のシュートはどんな影響を 及ぼすのか?」 「守備的なクイックネス、ボール運び・・・」 「だいたいいい印象を持っているんだが、ときたま想像以上に よかったりもすることがある」 「もちろんその逆もあるんだけどね」 月曜日になれば、彼らのフロントオフィスは戦場と化すだろう。 ドラフトまでの1週間はあわただしくなる。 ☆アシュ 「その前までには指名候補全員と会い、全部の評価の材料は 整っているだろう」 運命のドラフトの日までに、モックドラフトの段階から確定に 移す必要がある。 それらの選手が本当にいい選手であれば、その作業に時間は かからないであろう。