○タレント多き海外の才能を探す インディアナはフィラデルフィア、ボストン、トロントとたった4チームのアメリカ人 だけによるチームである。 そしてボストンとインディアナだけが異国生まれの選手もいないチームである。 そのことは、海外選手がNBAにおいて、大活躍している中で異例のことであろう。 昨シーズンでは80の海外選手がNBAのロースターを埋めている。 今年のチャンピオン、サンアントニオはダンカン(バージン諸島)、ジノビリ(アルゼンチン) パーカー(フランス)と3人のスターターが海外選手である。 ダンカンはアメリカの大学出身であるが。 海外選手の活躍はいうまでもないだろう。 1995年に3人の選手が2巡目に指名を受けただけだったが、いまやここ2年で40選手が ドラフト指名を受けている。 オーストラリア出身のボガットは今年の1位指名候補であるし、カラリョフ、バスケス、 ペトロ、アンドウスケヴィシウス、ウキックといった選手が1巡目指名を受けそうである。 ヤオ、ノヴィツキー、ストヤコビッチ、ダンカン、ジノビリ・・・ 彼らなしのNBAは今日では想像がつかない。 もちろん、ミリチッチやカバルカバのような(活躍してない)選手もいるが。 インディアナは2000年にブレゼッチを1巡目指名で獲得したが、1年間は欧州でプレーし、 その後3年間はベンチを暖めることがおおかった。 いまやエクスパンションドラフトでインディアナからシャーロットに移り、スターターセンター として活躍しているが。 過去にもアメリカの大学出身オランダ国籍のリック・スミッツ、ドイツのシュレンプ、クロアチア のタバックやサンドフといった選手も過去に在籍していたが。 しかし、インディアナに海外選手がいないことを、バードやスカウト部門のトップのジョー アシュ、海外スカウト部門のオスターセヴィッチの責任にしないでほしい。 彼らのボロボロのパスポートと、多くの時差ボケの思い出が、彼らの海外選手に対する 興味深さを示しているだろう。 ☆アシュ 「他のNBAチームと同じぐらい海外選手のチェックはしている」 「決して手を抜いている訳じゃないんだ」 インディアナにはフルタイムのスカウト、アレクサンダー・パジョヴィッチというセルビア モンテネグロ在住のスカウトもいる。 今シーズン、アシュは5度欧州に、バードは3度欧州に行っている。 アシュは9国13都市を回り、今年の夏も欧州や南アメリカでスカウティング活動を するつもりである。 他のスカウト達もまた確認のために各地を回るだろう。 オスターセヴィッチはスカウト活動10年のベテランであり、アメリカ在住であるが、 メインの担当は欧州である。 クロアチア人である彼は13国35都市をまわった。 1年前にパスポートの更新をしたが、今年の終わりにはパスポートの押印箇所が いっぱいになりそうである。 インディアナは殆ど外国人を獲得していないが、彼は欧州への努力が無駄になっている とは思っていない。 ☆オスターセヴィッチ 「流れがあるしね」 「いまはテキサスやシアトルから多くのNBA選手が生まれている」 「次はどこが来るかわからないし」 インディアナがトップクラスの海外選手を獲得するには、ドラフトのポジションが 恵まれていないことも影響している。 もちろん、かつてトニー・パーカーを獲得し、ジャマール・ティンズリーを指名した こともあるが。 多くの欧州選手はブレゼッチのように若くて経験不足な選手が多い。 年齢も重要な要素である。 火曜日のドラフトでもまた海外選手の指名はなさそうだ。 バードは20歳のクロアチア人センター、マルコ・トマスに興味を抱いていたが、 トマスはドラフトへのエントリーをやめた。 他の選手にも興味がない訳ではないが、17位指名の時にその選手がいるかも わからない。 バードはオールスターブレイクの時には貢献してくれる選手がほしいと公言して いる。 ☆アシュ 「我々のチームは珍しいんだ」 「層が厚いから、すぐに貢献できる海外選手はそうそういないだろうね」 しかし、スカウトはまた欧州や他の国々にタレントを求めつづけるだろう。 バードはいまロシアに多くの才能が眠る場所と認識している。 アシュはモスクワに去年行き、オスターセヴィッチもサンクトペテルブルク に飛んでいる。 念のために。