○ヤシケヴィシャス契約 もはや彼は欧州の輝けるスター選手ではなく、インディアナペイサーズでの挑戦者になるだろう。 イスラエルの報道記者がバードに対して、ヤシケビシャスという選手は自分を 思い出させる選手かどうか尋ねたとき、ヤシケビシャスは「違うよ」と言葉を挟んだ。 ☆バード 「そうなればいいね」 「スタイルは違えど、バスケは共通のものだ」 「ボールをリングにいれ、相手にシュートを打たせないようにして、 周りの選手を上手く使う」 「彼にはフリーの選手を見つけてパスを出す能力やフリーでの得点力がある」 「彼にはそういったことをサルナスに期待している」 「強い心臓を持っているし、勝つために非常に熱心な選手である」 「ウチにはアーテストやジャクソンといった似たような勝利に貪欲な選手が いる」 「彼は勝者になるためにプレーしている」 「彼は他の人間からなにかいわれるのも恐れないし、なにかをいうのも恐れない だろう」 「それがサルナスがインディアナにフィットする理由さ」 ヤシケビシャスは3年12ミリオンの契約で、また珍しい形であり、そして29歳での NBA入りとなる。 ヤシケヴィシャスは高校で1年、メリーランド大学で4年のアメリカバスケ経験があった が、ドラフトされずに終わった。 NBAのプレドラフトキャンプにも参加したが、ワークアウトにも呼ばれることなく、 ドラフト前に欧州に帰国していた。 しかし7年後、彼はアメリカに戻ってきた。 過去2度の欧州チャンピオン、そしてイスラエルのスターであり、リトアニアの五輪の 英雄として・・・欧州では絶対的な存在である。 ☆イスラエルの報道記者 「彼はゴールデンボーイなのさ」 「彼は必要な場面で、かならずやってくれる男である」 「たとえばマヌ・ジノビリなんて欧州では平均越え程度の選手だったが、NBAでは結構 活躍している」 「しかし欧州において、サラス(ヤシケヴィシャスの愛称)はマヌ・ジノビリなんかよりも はるかにスター選手なんだ」 ☆バード 「今日は私にとって特別な日である」 「ここ数年、この若き男を追うのに奔走していたからね」 「やっと契約できてホッとしている」 「見たこともない人間が多いと思うが、私を信じてほしい」 「彼はきっと我々に貢献してくれる」 「彼は多くのチャンピオンシップを獲得してきた男だからね」 バードのこのリクルートがヤシケヴィシャスの獲得に貢献した。 ヤシケヴィシャスは親友のイルガウスカスのいるクリーブランドからもオファーを受けていた が、勝てるチームということも含めて、インディアナを選んだ。 ☆ヤシケヴィシャス 「バードは信じられないぐらいどこにでもいた」 「欧州中どこでもね」 「彼が来ると、会場で紹介され、観客がスタンディングオベーションで迎えるんだ」 「だからいつもいるってわかったよ」 「でも、それにもましていつも話しに来てくれるのは本当に嬉しかった」 「彼のファンになっていた」 「もちろん全体的な面を見て、インディアナを選んだ訳だけどね」 カーライルは攻撃陣に流れを作れる選手とフリーからの決定力がある選手が欲しく、 ヤシケビシャスの獲得は大きな価値があると示した。 ☆カーライル 「彼の魅力は、周りの選手の魅力を引き出せることである」 「彼はチームをまとめる術を知っている」 とはいえ、すぐにインディアナがヤシケヴィシャスのチームになるわけではない。 インディアナにはティンズリーやジョンソンがいる。 今の段階ではヤシケヴィシャスはローテーション選手候補の1人にすぎない。 ヤシケヴィシャスはカーライルにプレータイムの保証も求めなかったし、他の ことも要求しなかった。 ☆カーライル 「7月に彼と会談をしたが、彼は我々にプレータイムの保証とかそういったものを 一切求めてこなかった」 「そういったものを見て、彼はNBAで必ずやっていける選手だと思った」 ☆バード 「ベストの選手がプレーすることになるだろう」 「常にそうである」 ヤシケヴィシャスにとってそのことは問題ないだろう。 ヤシケヴィシャスはレジーの代わりとして、そして彼がチームに合わせるのでなく、 チームが彼に合わせることになるんではないかといった質問に、謙虚にこう答えた。 ☆ヤシケヴィシャス 「単にパズルの1ピースに過ぎないんだ」 「日々、周りの仲間やコーチたちにアピールしていかなくてはいけない」 「欧州ではみんなが俺のことを知っていたから、チームを変えようとする時には 簡単にできたが、そうでないアメリカではより困難になるだろう」 「だからチームが俺に合わせるのではなく、俺がチームに合わせていかなくてはならない」 「単なるルーキーに過ぎないからね」 「ルーキーにしちゃあ、年齢が行き過ぎかもしれないけど、ルーキーの1人だし、単なる 欧州の1人に過ぎない」 「やっと夢だったNBAでプレーできるが、できれば、チャンピオンチームの一員に なれればいいね」