○新しい挑戦への調整 29歳のヤシケビシャスにとって、多くの新しい 経験が待っているというのは不思議なことである。 ☆ヤシケビシャス 「あらゆる人から冗談を言われている気がする」 「楽しいけどね」 実際は冗談ではない。 ヤシケビシャスはなんとかチームに溶け込もうと 頑張っている。 欧州では一挙手一投足が注目されるスターだった。 スターから一選手として頑張る姿は映画だとあり がちなものかもしれない。 彼が期待を浴びるのは当然である。 過去7年のプロ経験、そして欧州3連覇。 しかし、それが必ずしも通用する訳ではない。 とにかく仲間とコーチ陣に印象つけようと必死で ある。 ☆ヤシケビシャス 「とにかくこのチームに貢献できることを示した いし、なによりもチームの勝利に貢献したい」 「いうまでもなく、プレーしたいし、できれば たくさんのプレータイムが欲しい」 「でも、1ヶ月経って、シーズンが始まれば、 ちゃんと上手くいくと信じている」 ヤシケビシャスはボールのないところでの動き、 そしてスクリーンの使い方とかはかなり上手く調整 できつつある。 守備面にはやや物足りないところもあるが、彼の 期待は攻撃である。 ☆カーライル 「彼は経験を積んでいるし、素晴らしいシューター であるから、ウチのやり方を理解すれば、すぐに フィットすると思う」 「なにせ多くのNBA選手と五輪などで対戦して いるからね」 「試合に出れば出るほど、どんどんよくなるはず」 「もちろんNBAと五輪は違うけど、大学時代に アメリカバスケの経験もあるし、NBAのことを 非常によく勉強してきている」 「そんなに時間はかからないよ」 彼のNBAでの成功への意欲は非常に高いと見受け られる。 彼は今年の欧州選手権に出場しなかった。 チームのエースであり、国のスター選手である彼 にとっては難しい決断だったに違いない。 これだけに留まらず、彼は以前にも難しい決断を した。 プレータイムも金銭面もより保証されている他の チームでなく、インディアナを選択した。 ☆ヤシケビシャス 「色々なチームは本当に熱心に俺に興味を示して くれた」 「でも、一番優勝できるチームでプレーしたかっ たんだ」 「あくまで見たり聞いたりの世界での判断だった が、コートに立ってみて、それをより理解した」 「多くの優れた選手がいて、上手くチームとして まとまっている」 インディアナはヤシケビシャスが素晴らしい数字 を残したり、大活躍をすることを想定していない。 彼の仕事については個人スタッツよりもチーム の結果に繋がっていることが彼の欧州での評価の 高さの所以である。 ☆ヤシケビシャス 「俺はそんなにシュートを打つ選手でもない」 「どちらかといえば、上手く周りの選手を生かして いく選手だと思っている」 「シュートをバンバン打ちたいとは思うけど、 よっぽどのことがない限りは打たないだろうね」 まだヤシケビシャスが順応していかなくてはいけ ないものがたくさんあるだろう。 しかし5年間アメリカでの生活経験がある彼ゆえに 文化にはすんなりと溶け込めそうである。 しかし、精神的には違うだろう。 今までチームの中心選手だったが故にとまどいと かはあるかもしれない。 ただ、彼は上手くそれに対応する意識がある。 ☆ヤシケビシャス 「今までと違う役割であっても上手くそれを受け 入れられると思うよ」 「どうやって対応するかって?」 「まぁ見ててよ」 「できる限りの方法でやるからさ」 「問題ないよ」