試合が終わり、ダニー・グレンジャーは しばらくロッカールームで汗を流して いる。 試合で疲労して汗を流しているのではない。 かならず行っている試合後の練習によって である。 コンセコでカーライルが付きっ切りで、 グレンジャーはシュート練習をしている。 グレンジャーはそんなにプレータイムを もらっていないが、カーライルはグレン ジャーの将来性に期待している。 今年の17位指名だが、多くの時間はベ ンチで過ごし、プレーを見て学んでいる。 ☆グレンジャー 「カーライルは俺にそれがルーキーって ものだという」 「インディアナは層が厚いし、実力ある ベテランが揃っている」 「ルーキーの俺がその中でプレータイムを もらうのは難しいだろう」 「プレシーズンではプレータイムをもらえ たが、レギュラーシーズンでは自分で ポジションを奪わなくてはならない」 「カーライルはまだいい時と悪い時とが あり、不安定すぎるといわれているんだ」 グレンジャーはトップ10ピックといわれ ており、17位まで下がってきての獲得は インディアナのビッグスティールといわれ た。 原因は今年の初めに行った膝の手術による 状態の不安である。 もしトップ10ピックで獲得されるチーム であれば、彼はもっともっと活躍できた であろう。 実際に彼のプレータイムはここ6試合で 平均11分3点1Rである。 ☆オニール 「それもルーキーってものさ」 「ドラフトされたチームがプレーオフ チームであれば、そうなっても仕方ない」 「でも、いつか彼が活躍する時が来るだ ろう」 「なにしろ、彼は一生懸命だからね」 「ルーキーオールスターとかにも出たいだ ろうが、もっと大きなものを見て欲しいと 思う」 「どんどん成長していけば、きっとそれに ふさわしい場所にたどりつけるだろう」 カーライル曰く、グレンジャーのプレー タイムがそんなに多くないのは、経験不足 とマッチアップの関係だという。 ☆カーライル 「素晴らしい若手だよ」 「今シーズン終盤にはもっとプレータイム を与えていると思う」 「彼を試合に出すのをためらっているので はない」 「彼には常々チャンスが来るのを待てと 伝えている」 「彼はそれを聞いて、ちゃんと受け入れて くれている」 「本当はもっとプレーして、自分の能力を アピールしたいはずなのにね」 インディアナはグレンジャーをNBDLに 送って、経験を積ませる方法もあったが、 それをしなかった。 グレンジャーはチームでも随一の練習の 虫であり、カーライルがしばしば付き、 そしてアーテストやウォーカー、ハリソン、 ベンダーと1対1の練習を繰り返し行 っている。 ☆アーテスト 「彼はスターターであるべき存在だ」 「ただ機会に恵まれないだけでね」