インディアナに今、混乱の暗雲が立ち込めている。 いうまでもなく、アーテストの件だ。 アーテストのトレード問題もあまりに時間がかかりすぎている。 一方で、サンアントニオ戦は、今立ち込める暗雲を顕著に示す 例だったように思える。 プレーオフで戦うためには、アーテストのトレードが必要である ことを顕著に示されたのだ。 ジャーメインは唯一の真のスーパースターである。 身体能力があるポストアップスコアラーである。 ターンアラウンド、左右からのフックシュート、そして1対1 にも優れ、なんでもできる選手である。 しかしながら、優れたパッサーではないし、しばしばドリブルを しかけ、ターンノーバーを犯すシーンもよく見られる。 それでも彼には素晴らしい得点力があるが。 ただ残念なことにシュートを外した後に、ボックスアウトなどを せずに、リバウンドポジションをとらないケースがしばしば見られる。 守備においては周りのフォローがない中で、ティム・ダンカンと対峙 しなくてはいけなかった点でいたしかたない部分はあるが、それでも 彼は相手がボールに触るまで、守備を始めようとしないのである。 またFTの確率もたった69パーセントと極めて低い。 シュートリリースのときに肘や手首が固定されていないのが 原因だろう。 ジャーメインの好守での活躍がインディアナには不可欠である。 またティンズリーは数字だけみると、素晴らしいものがある。 そして実際に彼は素晴らしい才能を持った選手である。 しかし、彼はもっとボールを効果的にボールを支配する必要がある だろう。 持ちすぎでシュートを打たざるを得ない場面もなんどかあった。 そして守備面も残念である。 ティンズリーは素早くて、とても創造的なプレーができる選手である。 だが、大抵彼が外からのシュートを打つときは、判断ミスのケースが 多い。 スタートPGというよりはリザーブPG向きであろう。 ステファン・ジャクソンも同様にいい成績だった。 スクリーンなど様々ないい形でボールをもらうと能力を発揮する。 しかし、彼はなによりもシュート好きである。 また守備に関しても、悲観的にならざるをえなかった。 身体能力には問題がないのだが、横への動きへの対応が全く ないのだ。 ボールの動きに気を取られ、そしてあまり厳しいチェックも 行わず、ジノビリがスクリーンカットを行い、簡単なレイアップ シュートを行った時には、リングから20フィートのとこにいた。 その他のプレーでもあっさりフェイクに引っかかり、振り切られ て、3点プレーを献上した。 ティンズリーのように、ジャクソンもまた6thマンといった 選手である。 ヤシケビシャスはその日貢献できなかった。 彼には、上手く設定された得点機会を作る必要がある。 しかし、あまりに彼の足のスピードが遅いので、サンアントニオの ガード陣は常に彼に影のように付きまとった。 カーライルもヤシケビシャスのためにスクリーンを作りつづける のに疲れ、後半にはあまり使われることはなかった。 ただそれが結果として悪いものになったが。 さらにヤシケビシャスはディフェンスにおいて無力である。 あっさりドリブルで抜かれるだけでなく、相手のマーキング チェンジなども遅い。 3Qにはあっさりトニー・パーカーに振り切られ、簡単なシュート を許してしまったケースもあった。 ヤシケビシャスは弱小相手には非常にスマートなプレーで対応できる が、強いチームにはそうはいかない。 ジェフ・フォスターはまだいい状態でないことがうかがえた。 前半のティム・ダンカンに対する守備などは悪くなかったが、 段々対応できなくなっていった。 リバウンドも出来るし、チームに勢いを与えるプレーができる が、リザーブ的な選手であろう。 フレッド・ジョーンズはなかなかの得点力があり、右手で ボールを持った時の動きはなかなかである。 そして外からのシュート力もある。 得点力はある。 パス力・・・ない。 守備力・・・ほとんどない。 ジョーンズはベンチからのスコアラーにすぎないであろう。 アンソニー・ジョンソンは全くだった。 激しい守備の中でボールをキープするのがやっとで、チーム オフェンスにいい影響を与えなかった。 守備能力を買っているのなら、スパーズに対して彼の動きは あまりに遅すぎるだろう。 もし今シーズンに彼がプレータイムの低下でごちゃごちゃいう のであれば、不要な選手であろう。 スコット・ポラードは18分近くダンカンにつき、よく頑張った。 前半にはスクリーンなども上手く作り、セカンドユニットを もりたてた。 ただ他の選手達と同様にロールプレーヤーにすぎないが。 オースチン・クローシェアは、速攻に走り、リバウンドを追う ハッスルプレーをみせた。 グレンジャーは12分間だけあまり目だたずプレーした。 さて、彼らは今の状態で優勝を狙えるのだろうか? インディアナのココの選手の能力以上の守備を引き出す、カーライル の組織的なディフェンスは、弱小チームや中堅チームにとっては 悩ましいものであろう。 しかし、インディアナディフェンスは絶え間ないボール回しと ガードの切れ込みで粉砕できることがわかった。 彼らのオフェンスは、スパーズ戦において、ほとんどフリーを作りだせず 停滞していたことは34本のFGで、たった12アシストしかなかったこと からも伺える。 しばしば1対1を強いられ、ボールを失った。 ティンズリーはあまりに自己中で、あまりに不安定すぎる。 ジャクソンはよくミスを犯す不安定な選手である 乱闘前後のあのやる気などが好守にまったく見られない。 ジャーメインが絶好調であったとしても、インディアナはプレーオフファースト ラウンドに進出できればいい方であろう。 インディアナにはオニールにいつもかかるプレッシャーを取り除ける選手、そして ジャクソン以上の安定したスコアラー、正当なPG、1対1の守備ができる選手、 ドリブラーが必要であろう。 ただなによりも早くアーテストを放出する必要がある。 バードとウォルシュには、悪い状況がさらに悪くなる前に、早く動くことをお勧め したい。