○彼らにその価値はあるのか NBAにおいて、GMが自分たちのミスを取り返すのは困難だ。 かつては7年のマキシマム契約が結べたが、ルール改正により現在6年のマキシマム 契約を提示できる。 しかしそれが相応でない契約だと、フランチャイズを立て直すのに時間を要することに になるだろう。 これがマキシマム契約のジレンマだ。 GMたちはチャンピオンシップを取るために、素晴らしい選手や素晴らしい選手になる 可能性のある選手にマキシマム契約を提示する。 しかし、それがそれに値しない選手や怪我によってロクに働けない選手に提示される ことがしばしばある。 そしてそれが自分でなく、前のGMの行ったことであることはしばしばある。 インディアナは2人の選手にマキシマム契約を提示したことがある。 ジェイレン・ローズとジャーメイン・オニール。 ローズは2000年にファイナル進出の立役者で、リーディングスコアラーの1人 だった。 2001年に7年100ミリオン近くの金額で契約締結した。 しかし、アイザイア・トーマス時代に若手の台頭により、シカゴにトレードされた。 のち、2度トレードされ、今残り1年を残しているが、再度トレードされる可能性も あるだろう。 オニールは7年127ミリオンを2003年のオフに。 彼はボストンに負けたプレーオフファーストラウンドに平均23点18Rの活躍、 そしてMIPを獲得したばかりだった。 のち、毎年のようにオールスターに選ばれている。 ただ最近やや怪我などに苦しんでいるが。 GMは彼らの価値をどのように判断するのか? ☆ビリー・キングGM(フィラデルフィア) 「その選手が自分のチームに来たらどうか、過去のことなど考えて色々調査するんだよ」 「あらゆる手段を使ってね」 「でも、これといった答えはないんだ」 勝てなくてもニューヨークのように3人のマキシマムを抱えるチームや逆にダラスのように ノヴィツキーとヴァンホーンといった2人のマキシマムを抱え、ファイナルに進出できる チームもある。 そしてマイアミのシャキールオニールもまたしかりである。 マイアミは今のところタイトル奪取の希望である彼を放出しないだろう。 しかし、もう34歳、すでにMVP候補でもない。 もし彼が最後までプレーを続けるなら39歳まで彼をキープしなくてはならない。 来年にはウェイドがFAになり、マキシマム提示をする必要がある。 シャックがまた契約を削ってくれないと、彼らが今後優勝を目指すのは厳しくなりそうだ。 これもまたジレンマである。 数人のNBAのGMはNFLのようなシステムを声高にいう。 主に保証契約でなく、長くとも2,3年で保証をとけるシステムを。 ただ、いうまでもなく、選手会の抵抗 と、ストを引き起こすきっかけになる のはいうまでもない。 誰一人としてリーグに強く働きかける ところはないだろう。 ラグジュアリータックスの影響で、 各チーム、マックス契約をあまり したがらないのはいうまでもない。 ラグジュアリータックスと、オニール のマックス契約の影響で、インディ アナはブラッド・ミラーとの再契約 をあきらめざるを得なかった。 ☆ピート・バドコック(元トロントGM) 「タックスが絡んでくると、オーナー 達はかなり注意するようになる」 「それにより、若き才能を失うことに なりかねないからね」 選手達にはとてもいいことだが、それ により、GM達は判断力を失うことに なりかねない。 選手達の才能や将来性は間違いない としても、それによりリーグ優勝を 失うことにもなりかねない。 とはいえ、他のチームが大型オファー を出した際に、彼らは同じ道を歩むこ とができるだろうか? ジム・ライナン(元フィラデルGM) 「ファンやメディアがいってくるんだ」 「なんで彼を確保できなかったんだ?」 「カメラがまわり、そしてファン達が 彼はいい選手なのにといってくる」 「我々が彼にその価値がないと思って いても」 今まで以上にGM達は厳しい予測を 強いられる。 どの選手が大きな責任を負い、一生 懸命やってくれるかを予想しなけれ ばならない。 しかし、誰がその選手が怪我をしな いかまでわかるというのだろうか? ☆マーク・ジャクソン 「素晴らしい投資の見返りの可能性も あれば、そうでないときもある」 「20ミリオンの大金で、ダメになる 選手もいる」 「当然、そんなに稼いでいる選手には 厳しい目で見ることになる」 いうまでもなく、払いすぎな選手は プロに存在する。 NBAにおいては、その選手のために 雇われない選手も存在してくる。 ☆マーク・ジャクソン 「時々間違いを犯す時もある」 「みんな失敗よりも成功をしたい んだけどね」 「素晴らしいGMはそういった成功を できる人間なんだ」 ○十分な価値を示している選手 エルトン・ブランド もはやリーグ屈指の選手の1人 (13ミリオン) コービー・ブライアント 攻守で貢献できる唯一無二の選手 (16ミリオン) ティム・ダンカン 3度の優勝の立役者 (16ミリオン) ケヴィン・ガーネット サポートキャストを必要とする スペシャルな選手 (18ミリオン) アレン・アイバーソン チームの精神的支柱であり、エース (16ミリオン) ジェイソン・キッド エリート選手だが、最近衰えが (18ミリオン) ショーン・マリオン サンズのアップテンポオフェンスの 申し子 (14ミリオン) ダーク・ノヴィツキー ダラス初の優勝へと引っ張る (14ミリオン) シャキール・オニール 衰えてきているが・・・ (20ミリオン) ポール・ピアース 今シーズン大活躍 (14ミリオン) マイケル・レッド 平均25点の大活躍 (12ミリオン) ○そこそこ・微妙 ヴィンス・カーター 素晴らしい選手だが、怪我がち (14ミリオン) アントワン・ジェイミソン 攻撃力はあるが、メンタル面が・・ (14ミリオン) ジョー・ジョンソン 不振のアトランタのエース (12ミリオン) トレイシー・マグレイディー 素晴らしいタレントだが、怪我が・・ (16ミリオン) ジャーメイン・オニール 彼なしでこのチームは・・・ (16ミリオン) クリス・ウェバー なんでもできるが、過去の・・ (19ミリオン) ○失敗? バロン・デイビス 能力はあるが、やる気が・・ (14ミリオン) スティーブ・フランシス 彼がいなくなってオーランドは動き だした (14ミリオン) グラント・ヒル 怪我の宝庫 (16ミリオン) ステファン・マーブリー 勝利に貢献する選手ではない (16ミリオン) ジェイレン・ローズ マックス契約にもかかわらず3度の トレード (16ミリオン) キース・ヴァンホーン ニュージャージーの失敗契約をダラス が請け負った形 (16ミリオン)