◎どう組み、どう倒す?(byオフィシャル) 最近、どこのイーストのチームもシャックを倒せるセンター を探し求めている。 フィラデルフィアのムトンボしかり、トロントのオラジュワン しかり。 しかしインディアナは、そういった意味ではセンターを獲得 できなかったといえる。 無論、シャックに対峙できるようなセンターがいるかという 疑問もあるが。 ここにアイザイアのスカウティングレポートがある。 「340ポンド」 「素晴らしい身体能力に素晴らしい才能、さらにハードワー カー」 いうまでもないが、この全ての条件を満たすような選手は シャキール・オニールしかいないだろう。 つまりレイカースとシャキールを倒すには、レイカースの物 真似チームを作るよりもむしろ、まったく違うオリジナルな チームを作る必要性がある。 ☆アイザイア 「340ポンドの選手を真ん中に据えようにもそんな選手は めったに現れない」 「だから彼らと戦うには全く別のスタイルで戦う必要がある んだよ」 センターの中心がいないインディアナは、ジャーメイン、フォス ター、ブレゼッチ、クローシェア、ロジャース、サンドフといった 選手を上手く使っていくしかない。 その中でもセンターらしいセンターといえば、ブレゼッチがあげ られるが、彼はまだ22歳、かつ、まだ経験も少ない。 経験という面では30歳のロジャースが一番である。 チームはPF、Cで、ジャーメイン・オニールが最低でも平均36 分はプレーするであろうことは容易に想像できる。 つまり96(PFとCの合計時間)−36(オニールの出場時間)の 60分が他の選手のプレータイムということになり、相手のマッチ アップなどを考慮して分配されることになるだろう。 ☆アイザイア 「うちのチームは、スピード、クイックネス、身体能力に頼る部分 が大きくなると思う」 「またうちのチームの個々の選手の大きさは、相手のチームに とってうまくミスマッチを誘える点で有利だとも思う」 「だから、もしも相手に360ポンドのセンターがいるならいるで、 他の選手に対し、上手くミスマッチを誘うことで相手を倒してい けばいいと思っている」 特にイーストには絶対的なセンターはいない。 去年カンファレンスファイナルまで進んだミルウォーキーに至って は、大して大きくないスコット・ウィリアムスや、アーヴィン・ジョン ソンがセンターに入るようなチームでもあった。 同じく、インディアナ時代にバックアップPFだったアントニオ・デー ビスがイーストのオールスターCにも選ばれるレベルである。 ムトンボも確かに素晴らしい守備を誇るが、1次元(1vs1)に強い だけである。 またアロンゾ・モーニングも素晴らしいセンターであるが、彼に至っ ても健康面での重大な問題を抱えている。 オラジュワンは怪我がち。 ユーイングは去年シアトルでほとんど貢献できなかった。 キャンビーやラトリフはPF向きの選手。 イルガスカスは素晴らしい選手だが、怪我があまりにも多い。 ☆ミラー 「うちは十分にイーストの中心になれるチームだと思っている」 「レイカースやサクラメント、サンアントニオのようなチームと戦う には色々問題はあるけどね」 「イーストにもムトンボをはじめとするいいセンターがいるけど、イー ストとウェストのバスケは根本的に違うんだ」 「もちろんセンタープレーヤーは欲しかった」 「オニールはPFでやるのが一番だと思うからね」 「ジャーメインにシャキールやモーニングに対する守備まで要求 するってことは、彼らを守りながら、20点近くの得点、さらに10本 以上のリバウンド、さらに5〜6本のブロックショットまで要求する ことになるからね」 「彼の代わりにダーティーワークをこなしてくれるセンターがいた 方がいいに決まっているよ」 ミラーのいうダーティーワークをこなす仕事に向いている選手は インディアナにもいる。 ロジャースとフォスターだ。 特にヒューストン時代にオラジュワンのバックアップとしてあまり 出場できなかったロジャースはプレータイムを望んでいる。 ☆ロジャース 「オニールとコンビを組ませてくれれば、絶対に彼を助ける自信 があるんだ」 「相手に俺を守れるようなビックマンがいたとしても、俺は足で 奴らをかき回せる自信がある」 「きっと相手のベンチは我慢できなくなってくるよ」 フォスターも出来る人間だ。 去年48分間の平均リバウンドは16と、リーグ5位の成績を収 めたフォスターだが、オフェンス力の欠如が彼のプレータイムを 縮めている。 ☆フォスター 「この夏は本当にバスケに集中できたと思う」 「そしてその成果で、自分が必要な位置でのプレーもずいぶん 改善出来たと思う」 「だから去年よりもいいプレーが出来る自信は存分にある」 「プレッシャーは感じていない」 「ブレゼッチやサンドフ、ロジャースがジャーメインの相方として 上手くプレーできていたら、僕も同じように上手くプレー出来る 選手の1人になるつもりでいるんだ」 そして中心となるオニールも去年以上に精神面、肉体面でいい 状態でキャンプを迎えている。 オニールにとって、ベストのポジションはCではない。 しかし、チームにとってのベストのポジションはCである。 ☆オニール 「センターをやることにはなんの問題もないよ」 「やるべきことをやる」 「チームのための兵士だからね」 「僕のやるべき仕事がペイント内での仕事であれば、それを こなすだけだよ」 「去年、みんなが『ジャーメインにとって素晴らしいシーズンだった ね』っていうけど、普通のシーズンだったよ」 「だって、今年はもっと出来るってわかっているからね」 「それを想像すると興奮してくるよ」 レイカースとの対決のことを語るのはまだ先のことだろう。 チームはそれ以前にイーストを制せねばならなく、シャックどうこう はそれからの話であろう。