◎悪ガキから名PGへ NYブルックリン出身のティンズリーにはどこへいっても、いつもついて 回る質問があった。 「誰かが銃を撃ったのをみたことがある?」 「銃を運んだことある?」 この手の質問は、シャーロットで、かつてインディアナのパデュー大 のスター選手、ブラッドミラーに対して乳牛の質問をしたのと同じく らいばかげたことだと思う。 しかし、ニューヨーカーに珍しく、ティンズリーはそれらの質問に素直 に答えるようないい奴である。 多くのメディアはティンズリーのことを危険な悪ガキのような扱いをする。 ☆ティンズリー 「最初に聞かれることが、だいたい、都市から来た人間だから危険な 人間なんですかっていうような事が多いね」 「でも、古い考えだよね」 「確かにインディアナポリスで起きないようなことが、都市では起きるけど、 都市出身だからと一義的に定義しないで欲しいよ」 「僕に会ってから、どういう人間か評価して欲しいね」 「どこ出身かを恥じるつもりもなければ、自慢するつもりもないよ」 事実、ティンズリーは武装強盗の関係で刑務所で時を過ごしていたこと があった。 しかし、マスコミは重要な部分を除き、都合のよいように話たがった。 実際に捕まったのはティンズリーでなく、ティンズリーの友人で、ティンズリ ーが刑務所に入れられたのは母親に教育の一環であった。 ☆ローズ 「スラムの人間だから悪い奴って訳でもないだろ?」 「危険な人間かどうかはその本人の資質の問題だよ」 「危険な地域の出身の奴でもソフトな奴もいるよ」 「現にティンスリーは危険な奴じゃないじゃないか」 「彼がそうならなかったのは、彼が意思の強い人間だからだろうね」 いま、ティンズリーは紛れもなくインディアナのPGだ。 もうNYのブルックリン出身PGとして扱うのは止すべきだろう。 ☆アイザイア 「別に都市出身だから名PGになるわけでないだろ?」 「ジョンストックトンだって、都市の選手でないしね」 ティンズリーがいつかジョン・ストックトンのようにプレーで魅せられるよ うになった時、そういった雑音が消え失せるだろう。