カルロス・ロジャースについて、すでにわかったことが 一つある。 それは彼がシャイな男でないことだ。 彼の加入によって、練習後のインディアナというチームに 大きな声で冗談をいう声が増えたことは確かであろう。 レジーやローズにもすぐ馴染み、まだチームに加入して 何週間という選手というよりも、すでに長いことチームに いるような錯覚すら覚えささせる選手である。 ロジャースは8年のNBAキャリアですでに6チームを渡り 歩いている。 インディアナが6チーム目だ。 ローズと同じ年の94年にドラフト11位でシアトルから指名。 (ローズはドラフト9位でデンバーから指名) 3ヶ月後、すぐにゴールデンステイトに放出された。 その後、トロント、ポートランド、ヒューストンで8人のコーチ のコーチの下でプレーもしている。 ☆ロジャース 「インディアナに来られて本当に興奮しているよ」 「今までもプレーしたときはちゃんと結果を残してきたつ もりだ」 「でも、スターターなどになる機会を得ることは出来なかった」 「私がいままで望んでいたものはそういったチャンスだった」 「インディアナの人間は、インディアナにはチャンスがあると 俺にいってくれた」 「だからここにいる」 ドラフト当時、彼はスコッティー・ピペンとよく比較された。 シュート力には疑問があったが、とかく優れた多才さにおいて。 ロジャースが1つのポジションに収まることはなかった。 SF・PF・C・・・ ☆アイザイア 「彼にはポジションという概念がないんだ」 「PGでもないし、SGでもないし、SFでもないし、PFでもないし、 Cでもない」 「小さな枠にとらわれない選手なんだよ」 「しかし、考えてもみてくれ」 「大選手はみんなそういう選手だった」 「ドクターJ、マイケル・ジョーダンもどこでもこなせる選手だったろ?」 「ロールプレイヤーには限界がある」 「私は、たくさんのロールプレーヤーばかりよりもむしろなんでも出来 る完璧な選手が欲しいんだ」 「私は彼の身体能力に好感をもっているし、走れることについても、 相手を封じられることについても好感を持っている。」 「インディアナとしては、彼にローポストでの得点なんかを求めている のではない」 「彼のSF・PF・Cといった3つのポジションで相手を守れる多才さに 期待しているんだ」 「もちろん、攻撃面でも貢献してくれることを期待しているけどね」 もしもロジャースがセンターとして、相手の大型選手とマッチアップで きればオニールの負担はかなり軽減することになる。 いままで6?10の身長で登録していたロジャースだったが、インディ アナがあえて7?0で登録したのにはそういった期待も含まれている のかもしれない。 当のロジャースはヒューストンでの経験が役に立つと感じている。 ☆ロジャース 「練習で、毎日オラジュワンとマッチアップしていた」 「彼から多くのことを学ばせてもらったと思う」 「そして、オラジュワンに対して、俺ができる選手であることも示せた と思っている」 「そういった中で学んだことを、若い選手達に伝えていければいいな とも感じている」 「俺はこのチームに自信を与えたい」 「チャンスさえあれば、このチームはチャンピオンになれると信じてい る」 「チャンピオンになることが俺の望みだし、他の選手にもこの気持ちが 乗り移ってくれればいいなって思うよ」 ロジャースの存在は、プレーは別に考えたとしても歓迎されるもので あるだろう。 彼の社交的な性格は、決して明るい選手が多いとはいえないチーム の中で、緊張をほぐす役割を果たすからだ。 ☆アイザイア 「うちのチームには、もうちょっと明るい人間が必要だったから、そういっ た意味でも彼の存在は必要だったんだよ」 「うちのチームには寡黙な人間が多いから、彼みたいに自然に多くの おしゃべりが出来るような人間が必要だったんだよ」