◎その他の候補者達 インディアナのタイトル候補者として、ジャマール・ティンスリーの名前が 新人王候補の中心としてしばしば取り上げられている。 しかし、密かに他のタイトルを狙う選手達もいる。 MIP・6マン候補のアル・ハリントンだ。 現在平均28分12、5点5、8R・・・。 6thマン候補としては、LACのクェンティン・リチャードソンやシアトルの デスモンド・メイスンなど多数の選手らと激しい争いをしている。 またMIP候補としても、去年の平均7、5点から12、5点と大幅な上昇 をしており、候補の1人として評価されている。 インディアナには去年ブレイクしたジャーメイン・オニールも平均12、9 点から17、6点と大幅な上昇を果たしており、MIP候補にあげられている。 MIP候補には、他にはボンジ・ウェルズ、ウォーリー・ザービアック、 そして前出のクェンティン・リチャードソンやトッド・マカロックといった選手 が激しい争いをしている。 2人の去年と今年の違いは、課題だった安定感という面で異なる。 去年はおのおのの試合で明暗がはっきりしていた。 ☆アイザイア 「ハリントンとオニールは、たぶん、この夏もっとも練習した選手である と思う」 「自分達のプレーを確立し、その成果を発揮しているといえよう」 「彼らがまだプレータイムを与えられていない頃、まだ完成度に欠けて いたが、プレーの完成度が上がってきている今、彼らは自分がなにを 出来るかわかっているし、私も彼らがなにが出来るかわかっている」 「アルには毎試合、すばらしいディフェンスというものが期待できる」 「そしてよりよいポストアッププレーヤー、リバウンダーになってきている」 「ジャーメインはインサイドで存在感を示せる」 「近距離からのシュートもうまくなった」 「けっして上手くはないが、フリースローに関しても進化しつづけているし、 かつてのようにすぐにファールトラブルに陥ることが減った」 「だから彼らを安心してコートに送り込めるんだ」 ☆オニール 「賞には特に興味がないよ」 「勝つためにやっているだけだし、結果としてなにか賞がもらえれば それはそれで嬉しいけどね」 「俺の目標は、自分のチームをNBAのベストチームの一つとして評価 されるチームになるように貢献することなんだ」 「だからオーランドはチームとしてあまりいい結果を残していないのに、 いまだにうちよりいいチームだとして評価されているのが気に入らないね」 「とにかく大きく勝ち越せるチームにすることが俺の目標」 ☆ハリントン 「自分にとっていいシーズンであるより、チームにとっていいシーズンで ありたい」 「賞をとるとらないは特に気にならない」 「とにかく一生懸命やって、毎日勝利することが重要なんだ」 彼らはいい選手に成長しているが、まだ完成された選手ではない。 オニールのポストアッププレーは非常によくなっているが、より相手ディ フェンスに注目させ、ダブルチーム、トリプルチームを組まれるようにな っていくべき選手である。 そこから彼が外にボールをすばやくパスできれば相手チームの守備網 を崩壊させることができるはずだ。 ☆オニール 「もっとダブルチームを組まれるようになりたい」 「チームの組織においてプレーメイクできるようになりたいんだ」 「まだまだ学んでいるところだよ」 「レギュラーになって2年目だけど、もっとダブルチームトリプルチーム を組まれるようになりたい」 「そうすれば、うちのチームがより勝利を取れるはずなんだよ」 オニールはファールトラブルに陥ることが減った。 そして、アガーレの指導とともに、よりよいポジショニングが取れ、リバ ウンドも取れるようになった。 もともとよかったショットブロックに関してもよりよい判断が出来るように なった。 かつてのオニールはなんでもかんでもショットブロックにいっていたが、 今の彼は違う。 ☆オニール 「上手い判断が出来るようになったね」 「ニックス戦では自分がショットブロックにいくことで、リバウンドポジ ションからおびきだされてしまい、リバウンドが取れないといったシー ンを見せてしまったけどね」 「時々、ブロックショットにいくか、リバウンドポジションに残るか迷う ことがある」 「しかし、リバウンドポジションから外れてしまうショットブロックにい くよりも、ちゃんとリバウンドを獲得した方がチームにとってよりよい ことなんだよ」 ハリントンの身体能力の高さに関しては、誰も異論はないと思う。 要は、その身体能力を生かせるかどうかが彼の課題だった。 荒い技術をどうするか? ハリントンは、アガーレの下で、インサイドで生かせるクイックネスと 体の強さを生かし、ポストアッププレーをどんどん収得していった。 そして、彼が望んでいた「名を知られている選手」になりつつある。 ☆アイザイア 「あの成長が私にアルのプレータイムを減らすことを拒ませるんだ」 「彼の望む名の知られた選手になりつつあるよ」 ☆ハリントン 「試合に出られることが本当に快感なんだ」 「シュート選択とかも上手くできるようになり、安定したプレーができ るようになってきている」 「それでもまだ、なんどか決めなくちゃいけないレイアップを外して いるけどね」 かつてのハリントンは、シュートを立て続けに外すと、すぐに落ち 込み、肩を落として、頭を抱えるシーンが多かった。 しかし、最近ではシュートを失敗しても他で貢献しようという気持ち が出てきている。 ☆ハリントン 「とにかく次のことを考えるようにしているんだ」 「常に自信を持ちつづけていないと、周りのみんなもパスを回して くれないしね」 彼らのプレーへの意欲、能力、そして頑張りは、彼らのプレーに 大きな影響を与えつつある。 決して有名選手とはいえない2人が有名選手として皆の脳裏から 離れなくなるときが、まもなく来るであろう。