◎NBAの架け橋 まだブレゼッチがスロベニアにいたころ、彼は午前3時から始まる NBAの試合を目をギラギラさせながらみていた。 ☆ブレゼッチ 「とにかく見るしかなかった」 「いつかNBAでプレーするだろうと思っていたし」 「NBAは素晴らしいプレーヤーがたくさんいたし、その素晴らしいプレ ーヤー達とプレーすることを夢みていた」 ブレゼッチは、NBAでの時間の大半をリザーブとして過ごしているが、 それでも彼の夢はかなった。 かつて欧州人のNBAプレーヤーといえば、クーコッチ(アトランタ)と、 サボニス(サクラメント)が代表的な選手だった。 しかし、いま。 多くの欧州人プレーヤーがNBA入りしている。 ☆ウォルシュ 「ヨーロッパの選手達は14歳とかからプロのゲームに参加している」 「NBAに来るまでには、みんな多くの経験を積んでいるんだ」 そして欧州リーグは去年からNBAに合わせてルールを変えた。 ☆サンドフ 「欧州リーグは、よりゲームをスムーズに展開するために24秒ショット クロックバイオレーションを取り入れたんだ」 「30秒ショットクロックバイオレーションじゃ試合が遅くなるしね」 「だから若いヨーロッパ人プレーヤーは、NBAの早いテンポの試合を 学びつつあるんだ」 最近ではアメリカ人コーチが、欧州でコーチをすることもしばしばだ。 現ダラス・マーベリックスのHC、ドン・ネルソンは60年代にエキシビシ ョンマッチを行ったりもした。 ☆ネルソン 「あれは試合なんてもんじゃなかった」 「当時のセルティックスのコーチが欧州でバスケットボールを普及させ るためのバスケットボールクリニックだったね」 「かつての欧州人選手は、デカイ選手は動きがカクカクしていたし、 いい選手はみんな身長が低すぎた」 「いまの欧州人選手はスピードも技術も優れているけどね」 その代表例は、ダラスのノヴィツキー(ドイツ)、サクラメントのストヤコ ビッチ(ユーゴスラビア)、メンフィスのガソル(スペイン)だろう。 ☆リック・サンド(シアトルGM) 「NBAにおける欧州人プレーヤーの存在は、NLBにおけるラテン系 選手同様に大きなものになりつつある」 「彼らは若くて才能がある選手なので、これからより国際スカウトに 重点をおかなくてはいけなくなるだろう」 インディアナは、クロアチア生まれのミーショ・オスタセビッチを常勤 スカウトとして欧州のスカウトをさせている。 ウォルシュは、ストヤコビッチ、ノヴィツキーの将来性について感じ 取っていたという。 ☆ウォルシュ 「ストヤコビッチは、ドラフト前にウォークアウトに参加させていた」 「素晴らしいシュートをみせていた」 「まるでラリーバードのようなね」 「ただ彼をパスして、エリック・ダンピアーを獲得したんだけどね・・・」 ウォルシュは自分の失敗に苦笑しているが、欧州人プレーヤーの 獲得にはいろいろ弊害がある。 ストヤコビッチを例にとると、彼の加入はドラフト2年後だった。 ギリシアのチームとの契約が2年残っており、それまでチームへの 加入が認められなかった。 もちろんストヤコビッチは2年待つだけの価値がある選手だったこと はいうまでもない。 インディアナも2人の欧州人を抱える。 サンドフとブレゼッチ。 2人とも未来のリック・スミッツになってくれることを期待して。 もちろん、そのままヨーロッパに帰ってしまう可能性もあるが。 ☆サンドフ 「NBAに残りたい」 「NBAは1番最高のリーグなんだ」 「いまNBAにいる全ての欧州人とともに、NBAのドアを他の欧州人 選手に開いてあげたいんだ」