◎激しい選手 彼はこの夏マイケルジョーダンの2本の肋骨をへし折った。 彼は試合中、パディングを殴りつけたり、スコアラーテーブルに 物を投げたりもした。 コンセコフィールドハウスで観客とケンカもした。 そして悪名高きボクサー、マイクタイソンを賞賛する。 しかし、アーテストを「クレイジー」と呼んではいけない。 感情的であり、攻撃的であり、恐れを知らないのだ。 そして時々自分をちょっとだけコントロールできなくなるだけ なのだ。 彼はマイクタイソンのようなキチガイではない。 NYのクィーンズビレッジの危険な区域で育った彼だが、敬虔な クリスチャンであり、好きな映画はタイタニックと違った一面も 持ち合わせている。 アイザイアは、彼の攻撃的な守備、そして不必要なファールや などのミスをした時の感情的な爆発、そして不要な場面での シュート等も含めて、彼の獲得を成功だったと考える。 ☆アイザイア 「彼はいささか感情的になりすぎるきらいがある」 「でもそれがウチの他の選手にも感情的なプレーをさせる傾向 になるので、いいことだと私は思っている」 「ある意味、彼はファイターとしてのマイクタイソンに似ている」 「打つべき場面でないところでシュートを打ったりもすれば、 コートで生死をかけてプレーしているようなこともある」 「彼が点を決められた時、彼はまるで自分が侮辱されたかの ように受け取る」 「それを個人での戦いと受け取る」 「NBAの選手はみせかけの感情をみせることがあるが、 アーテストの場合は常に本当の感情であるんだ」 アーテストの性格の影響は間違いなく、クィーンズビレッジで 育ったことが反映しているだろう。 インディアナACのバーン・フレミングも同じ場所で育った。 バーン・フレミングは、自分の故郷について尋ねられた時、 冗談でこういった。 「連れていくことは出来るけど、そこから出ることが出来るか どうかは保証できないよ」 アーテストは、両親の意思で、重大な問題(事件など)とは 無縁の生活を送ることができた。 父親は、アマチュアボクサーであり、雨の日も雪の日も アーテストを練習に連れていった。 アーテストも12歳のときにボクシンググローブをはめさせられ、 スパーリングなどの練習をした。 それは彼が大きくなり、父親を自分のお金で食べていかせら れるようになるまで続いた。 ☆アーテスト 「父親が俺をタフに育ててくれたと思うよ」 高校時代、彼は子供のようにケンカを繰り返し、そしてコート の上では自己中なプレー、コーチの意見を無視するなど、 規律的な問題で、1年生の半年間をサスペンドで、試合に 出場することができなかった。 しかし、それ以来彼は出会うコーチの意見を聞き、チームの 仲間からも信頼されるようになった。 彼はその転機をこう語る。 ☆アーテスト 「また教会に通い始めたんだ」 「子供のような振る舞いばかりしていたけど、教会に行って からそれが変わった」 「自分がいかにバスケットが好きなのかわかったし、このまま 愚行を繰り返していたらNBAに行くことができないと思ったんだ」 アーテストは自分自身、きっとNBAに行くことが出来ると感じていた。 彼はチャンピオンシップなどのことについても非常に楽観的に 考えている。 トレード後でインディアナ加入直後のプレスカンファレンスでも、 「インディアナはチャンピオンシップを取れる」とコメントした・・・ 今シーズンに! しかも試合に勝つたびに「残りの試合、全て勝つ」と言う。 さらに自分より優れた選手はいないともいう。 平均14点、インディアナ加入後16試合で11点でまだオールスター 選手になったことがないのに。 ☆アーテスト 「俺はトップ選手の1人になるだろう」 「俺より強い奴なんていないよ」 「俺と同じポジションで俺を止められる奴なんていない」 「パワーフォワードとして、PGの役割だって出来る」 「シュートだって打てるし、守備も出来る」 「NBAの中で完璧なゲームが出来るのは俺ぐらいさ」 傲慢のように聞こえるなら、アーテストの次の言葉を聞いてから 判断を下さなくちゃいけない。 ☆アーテスト 「俺はなんでも出来るようにならなくちゃいけない」 「俺はそのために頑張りつづけなくちゃいけないんだ」 「俺は自分のプレーを完成させたいんだ」 アーテストは、去年の夏、ポストアップしてきたジョーダンの肋骨 をへし折ったことについてもこう語る。 ☆アーテスト 「俺達はハードワーカーなんだ」 「別に肋骨をへし折ろうと思ってプレーしたんじゃないんだ」 「彼に対して正しいプレーをしたらあーなってしまった」 ジョーダンは、ウィザース加入後、アーテスト獲得に強い興味を 示し、彼のプレーを賞賛していた。 最初のウィザース戦でもジョーダン7−21と封じ、ジョーダンの 賞賛はますます増した。 ☆ジョーダン 「私は彼のプレーが好きなんだ」 「彼には激しさがあるし、闘争心がある」 「ある時、彼は私にケリをいれたことがあった」 「そしてこういったんだ」 「わかっていると思うけど、ごめんな」 「俺は蹴るつもりなかったんだ」 「彼は相手に敬意を表せるし、同じくその中で闘争心を兼ね備 えている」 「できれば、6年前にシカゴで彼に会いたかったね」 「彼は素晴らしい激しさを持っているし、シカゴに必要な全ての 要素を兼ね備えていたよ」 ☆アイザイア 「NBAのほとんどの選手が彼のような激しさを持ってプレー することができない」 「多くの選手は自分にとって快適なレベルでプレーしようとする」 「彼はそんな選手達のそういったプレーをさせないようにしむける ことができる」 「自らのお手本を持って」 「アーテストのような選手こそ、バスケットフリークなんだよ」 「型にはまらない選手なんだ」 「ある意味ビル・ラッセルに似ているね」 「彼も他の選手とは違った空気を持っていた」 「ウィルト・チェンバレンや他の選手とも違った空気をね」 「アーテストも他の選手達と違ったなにかを持っているように 見えるんだよね」