○必要ないことはしない 結局クローシェアのトレードはなかった。 ペイトンの噂もあった。 たとえ同ディヴィジョンのミルウォーキーにペイトンが加入すること になったとしても、アル・ハリントンを放出する価値はなかったと いうことである。 ☆ウォルシュ 「ソニックスと先週、トレードの話をした」 「話の終わりの10分前までペイトンのペの字も出てこなかったよ」 「どちらにしろ、私にとって魅力的な話はなかった」 ウォルシュが話した10分後、ソニックスとミルウォーキーの間で、 ペイトンやレイアレンのトレードが発表された。 どうしてペイサーズはトレードしなかったのだろうか? あくまで私の予想だが、クローシェアはもちろんのこと、練習では すばらしい動きを見せるベンダー、そしてフォスター、不安定な マーサーといった選手はトレード候補だったように思われる。 それなりの選手達が市場に名があがっていたと思う。 しかしアル・ハリントンは保持したかったのだろう。 チームはいまだかつてないほどのスピードで復興を果たした。 ☆ウォルシュ 「私はこのチームが好きなんだ」 「このチームがどういう結果を残すかを見てみたいんだ」 いまだかつてウォルシュは5割以上の成績を残していた時期に トレードを行ったことはない。 一つだけ驚くべきことは、ウォルシュとあろう者がクローシェアを トレードできなかったことかもしれない。 5チーム間のトレードで、チャーリーウォードなどを獲得する噂 があったが、そのトレードは暗礁にのりあげた。 ☆ウォルシュ 「クローシェアの残り31ミリオンの年俸は、トレードのタイミング としては悪すぎた」 「どこも同じような問題を抱えているなかで、彼を放出すること は困難だった」 クローシェアはNBAファイナル進出後にマキシマム契約を結んだ。 いま思い返してみれば、それは大きな誤りだった。 クローシェアは他のチームだったら、プレータイムを与えられている だろう。 しかし、インディアナはそうではない。 ウォルシュはこの問題を抱えながら、ブラッド・ミラー、レジー・ミラー ジャーメイン・オニールの3人のFA選手と契約するという困難に 遭遇することになった。 ☆ウォルシュ 「私はやるつもりだよ」 「どうするかはみんなもしりたいところだろうが、とにかくやるつもりだ」 ウォルシュはこの冬、なにも行わなかった。 必要がなかったから。