NBAはラッキーだった。 アントニオ・マクダイスをゲットできて・・。 彼ほどバスケが好きな人間も珍しいはずだ。 ゆっくりのスターへの街道を進んでいるといえるだろう。 しかし、おかしいことが一つある。 一体全体どうしてマクダイスがオールスターに呼ばれたのだろうか? タトゥーをして、ヒップホップを聞いている人間以外いない中で・・。 ☆マクダイス 「タトゥー?」 「タトゥーなんてしないよ」 「将来も絶対にしない」 「どうしてかって?」 「もしタトゥーなんてして家に帰ったら、ママは俺を殺すんじゃない かな?」 マクダイスはファンが心から声援を送れる稀な選手である。 「俺がもしも金曜日の夜に100ドル使えるとしたら・・・新聞紙上を 騒がしている選手がしているようなことをよりも、映画や食事にいき たいね」とユタのカール・マローンがいったことについて、マクダイス は全ての選手がその気持ちをもつべきだと感じており、それを実践 している人間だ。 くしくもNBA50回目のオールスターゲームが行われるが、その前に 行われたプレスミーティングにおいて、アレン・アイバーソンは、ファン を侮辱したにも関わらず、「ネガティブに話してほしいのなら、ほってお け」と悪態をつき、妻を殴ったジェイソンキットも悪態をついた。 それに影響を受けたのか、さらにLACのダリウス・マイルズとクェンテ ィン・リチャードソンは喧嘩をおっぱじめる始末だった。 NBAの選手の振舞いなのだろうか? 少なからず、マクダイスよりも不可欠だと思える選手は皆無だった。 ☆ダン・イッセル(デンバーHC) 「彼はタトゥーなどしないし、パーマなんかもしていない」 「まったく着飾らない選手なんだ」 「マック(マクダイス)は、バスケットをして、家に帰ることが 一番幸せみたいだよ」 マクダイスは試合においてエゴをみせたりはしない。 いたって静かに振舞い、たとえここ一番で素晴らしいことを しても、興奮してみんなと抱きついたりするような選手でな い。 でも、オールスターは冷静な彼でも特別だ。 ☆マクダイス 「オールスターの前日は眠れないかもね」 「いや、ひょっとすると週末中一睡もでj¥きないかも・・」 「まさかオールスターに選ばれるなんて思ってなかったし」 「ただ、選んでくれたことに感謝しているんだ」 マクダイスはオールスターに選ばれるまで6年かかった。 いうまでもなく、彼にとってもっとも嬉しい出来事であった に違いない。 選ばれた後即、家に帰り、母親にそれを伝えたほどだ。 母親グロリア・マクダイスは喜んで大きな息子と抱擁した。 ☆マクダイス 「ママは俺以上に喜んでくれていたよ」 マクダイスは母親にオールスターを観てほしかったが、母親は その日アリーナに姿をみせないだろう。 話は長くなるが、彼がアスリートである以上に1人の男としての 判断だった。 病気の姉妹の看病のために母親を家に帰らせたのだ。 マクダイスにとって、バスケと同じくらい家族は重要なものであ ることはいうまでもないことだった。 マクダイスは、明日オールスターゲームのベンチの中で、テレビ を観る母親を思い浮かべるだろう。 ☆マクダイス 「1分でも2分でも出られれば、俺の名前がボックススコアに載るん だね」 「それだけでママもハッピーだろうし、俺もハッピーになれるよ」