○アイバーソンはMVPレベルでプレーしている シーズンの中盤に差し掛かって、多くの選手がMVP候補の 可能性がある。 よくいわれているのが、フェニックスのスティーブ・ナッシュ である。 他にもシャキール・オニールやティム・ダンカン、レブロン・ ジェームスやドウェイン・ウェイドといった選手名もあげら れるだろう。 しかし、そんな中にかつてのMVPも素晴らしい貢献を していると思う。 29歳、フィラデルフィアのPGアレン・アイバーソンである。 いうまでもなく、一般的な意見とはかけ離れている。 アイバーソンの名前はないだろう。 しかし今後変わる可能性はあるだろう。 MVP候補というものは、基本的に上位チームで大きな役割を 果たしている選手であることはいうまでもない。 アイバーソンがMVPを獲得した時、56勝26敗でフィラ デルフィアは楽々アトランティックディヴィジョンを制した。 そのシーズン、アイバーソンは平均31得点の活躍だったが、 チームはスノーやアーロン・マッキー、ジョージ・リンチ や途中加入のディケンベ・ムトンボといったベテラン選手 主体のチームであった。 今シーズン、アイバーソンは多くの若手がいるチームでプレー している。 ルーキーのアンドレ・イグオダーラが毎試合スターターを 務め、2年目のキール・コーバー、3年目のダレンベルト もスターターに名を連ねている。 このチームは進んでシュートを打つSGがいない。 イグオダーラ、マッキー、サロモンズ、グリーンがその ポジションに入るが、安定して攻撃面で脅威になる選手 達ではない。 もちろんイグオダーラは上積みのある本当に期待できる 選手であるが。 にもかかわらず、アトランティックデヴィジョンで上位に いるのはアイバーソンによるところが大きい。 今シーズンもミルウォーキー戦で54点、ユタ戦で51点 といった大活躍をみせている。 アイバーソンがいなかった2試合でフィラデルフィアは負け ているし、昨年もシーズン最低の48試合しか出なかった 影響もあり、チームは大きく低迷したことからも、彼の 存在の大きさが伺える。 アイバーソンほどチームにとって大きな存在になる選手は どこのチームにもいないように思える。 彼は今シーズン、ジム・オブライエン就任とともにPGに 戻った。 最初の2年はPGだったが、元のコーチであるラリー・ ブラウンがボールのないところでアイバーソンを動かすために SGに変えた。 今年はPGとして奮闘するだけでなく、オブライエンの求める あらゆる役割をこなした。 オブライエンのような古いタイプのコーチがどうやって アイバーソンを操作するのか・・ フィラデルフィアの問題になるだろうといわれていた。 しかし練習サボりといわれたアイバーソンだが、模範的な 選手として、キャプテンとして頑張っているという。 ☆オブライエン 「私は彼のリーダーとしての安定感に非常に印象をうけている」 過去にフィラデルフィアはスノーのような強力なリーダーが いたために、そういった役割を担う必要はなかった。 しかし今は違う。 ひょっとすると、彼は自分のキャリアの将来を見始めている のかもしれない。 ベテランとしての役割を。 ☆アイバーソン 「俺はただ正しいことを全て行っているだけさ」 「そしてみんながポジティブにやろうとしている選手に ついてきているに過ぎないよ」 アイバーソンのように小さな身体で接触も恐れずに戦って きた選手はいないだろう。 そういったプレーの連続で怪我で出られない日はまたたくさん あるかもしれない。 平均28点、また7A、2ST以上の成績をマークしている。 問題点といえば、FGパーセントとターンノーバーか。 ハイリスクハイリターンな選手であるので、ターンノーバー の総数は非常に多い。 FGは最低だった去年よりもいい41パーセントである。 PGとして、アイバーソンは攻撃面で選手達を上手くいか している。 アイバーソンのチーム内での価値はオブライエンが先週の 3試合のうち、2試合でフル出場させたことからも察しが つくだろう。 ☆オブライエン 「アレンをベンチにおいておきたくないんだ」 大変なのは百も承知だろうが、アイバーソンも同じ気持ちだ ろう。 今、この前半戦で、アイバーソン以上のMVP候補はほとんど いないといえる。