○未来を組み立てろ グレグ・オデンは、ローレンスノース高校オープン ジムセッションで7フィートの大きな身体をスト レッチしていた。 彼は緊張しているという。 HBOは来るべきNBAドラフトの特集のために 彼のあらゆる動きをカメラで追っていたが、それが 彼をナーバスにさせている理由ではない。 今週行われるものがその原因である。 来るべき五輪に備えて、10代の高校生一流選手を 集めるイベント。 アメリカの高校生選手達が始めて、海外の選手達と の対決に挑む。 サンディエゴで火曜日から土曜日にかけて行われる この大会は未来の五輪代表選手達に国際大会の経験 を積ますために企画された。 過去のこういった若手選手育成大会と違うところは アメリカ選手同士の戦いではないところである。 NBA選手を起用したにも関わらず、2大会連続 金メダルを取れなかったことによる変更である。 2002年の世界選手権6位、さらには五輪でも 3度の敗戦により、銅メダルに終わった。 北京での2008年五輪はまだまだ先に思えるが、 彼らがチームの中心になるだろう。 チームアドバイザーとして、ジョーダン、バード、 マジック・ジョンソン、ビル・ラッセル、オスカー ・ロバートソン、ボブ・ナイト、ディーン・スミス やラリー・ブラウンといった面々も連ねる。 彼らは今週月曜日に08年五輪に向けての初の会合 を行うつもりである。 この大会は、将来に向けての格付けの第一歩とも いえる試合になる。 ☆オデン 「緊張してるよ」 「世界のトップクラスと戦うのは恐怖感すらあるよ」 「最も厳しい中でプレーしなければならないし、 100パーセント以上の力をださなくてはならない」 どうして変わったのだろうか? 1936−84年の間、アメリカはアマチュア選手 だけで五輪を制覇していた。 72年に論議を呼んだ試合でソビエトに負けた 試合以外は・・・。 しかし1988年、アメリカは準決勝で破れ、銅 メダルに終わり、とうとう伝家の宝刀、NBA選手 で五輪のロースターを埋めることになる。 92年、バード、ジョーダン、ジョンソンといっ た面々は他のチームに金メダルを獲得する可能性 をあたえなかった。 2000年まで、アメリカは金を獲得しつづけた が、とうとうその流れは断ち切られた。 01年から現在に至るまでのアメリカの勝率は 22大会で14回の優勝。 五輪での失敗はアメリカのスポーツ文化に衝撃的 な出来事だった。 ☆コランジェロ 「ぶっちゃげた話、今回のことは非常に重要で ある」 「我々がバスケを生み出し、世界中にこのスポーツ を拡げた」 「他の国々と我々の間には大きな差があったが、 いまや多くの面で追いつかれている」 「我々が国際大会で戦いたいと思うのであれば、 我々も国際ルールで、国際大会で戦う方法を学んで いかなくてはならない」 「そのためには、下のレベルで準備していくことが 必要である」 04年の五輪では、プエルトリコに惨敗し、リト アニア、アルゼンチンにそれぞれ敗退した。 しかしそれは正式なアメリカ代表とはいえなかった が。 シャックやコービーが欠場したが、それでもMVP 経験のあるダンカンやアイバーソン、そして若き スター選手アマレ・スタッダマイヤーやウェイド、 ジェイムスを起用していた。 五輪後、NBAのエクゼクティブディレクターで あるジム・トゥーリーは基本的面での変化が必要で あるだろうとコメントした。 ☆トゥーリー 「若い年代で、我々の選手達に重要なイベントなど を構築する必要があると感じた」 「それがこの大会である」 「きっとこの大会は多くの選手にとって、驚くべき 経験になるだろう」 「欧州の強力な育成プログラムにショックを受け るかもしれない」 アメリカのバスケ選手が主に高校、大学、プロと いったチームのためにプレーする一方、欧州のト ップ選手達は代表チーム育成プログラムの中で 10代を過ごす。 彼らは16でプロに組み込まれることだってある。 ☆コンリー(アメリカチームPG選手) 「それはいい経験であるように思える」 「普通、大学かNBA選手になるまで国際大会の 経験を得ることができない」 「海外の選手のプレーや、海外選手と切磋琢磨する のはいいことであると思う」 もう一つのプラス面は国際ルールに早い段階で なれることである。 今回使われるルールが五輪でも使われる。 NBAとの違いは、ポストプレーヤーをインサイド から押し出せるトラペゾイダルラインが使用され、 またリング上のボールに触れることができる。 そして3Pラインはより近く、試合時間は8分 ばかり短い。 アテネでは、アメリカ選手がしばしば不満をため、 集中を切らしているように見えた。 特にダンカンは、国際ルールに関して、「FIB Aはくそったれだ」と批判した。 ☆バード 「根本的に違うんだ」 「全く違うゲームなんだよ」 「レーンはより広いし、3Pはより近くにある」 「チームはゾーンをより多く使う必要がある」 「欧州選手達はガンガン切れ込んでくるし、外から も放り込んでくる」 「もしそういったプレーに慣れていないと、全く スタイルが違うのでちょっと混乱するかもしれない」 ○Building the pool オデンは五輪を見、NBA選手達が敗れるのを見て 若干混乱したという。 ☆オデン 「ナニがおきているのか知りたかった」 「NBAでは圧倒的な存在であるのに、五輪では そうでなかった」 「なんか受身になっているようになっていた」 「アメリカが一番いいチームだと感じていたけど」 コランジェロは08年・12年の五輪に備えて、 五輪チームを形成するNBA選手達を含めた選手達の集まりを作りたいという。 今回の大会で、アメリカは31人の高校トップ 選手が集まる。 オデンを含めて2006年のトップランクの選手 達、07年のOJマヨらが中心である。 ☆コランジェロ 「海外の上位チームのロースターを見ると、彼らは 五輪経験が2、3回あるケースが多い」 「理想としては、そういった選手が参加してくれる ことである」 「もちろん怪我などで追加などもあるだろうが」 「それは仕方ない」 「とにかく理想は常にいい選手が供給できる状態 である」 ノースセントラル高校のコーチ、ダグ・ミッチェル は、今回のチームのアシスタントコーチを務める。 2年前には育成フェスティバルのヘッドも勤めた。 彼は今回のこのイベントが著しい変化であると 捉える。 多くの選手がAAUなどで、同年代のアメリカ選手 との対決経験を持っていたから。 ☆ミッチェル 「若い選手達がアメリカ代表としてプレーするのは 今までのものと全く異なる経験になるだろう」 「今までは自分やチームメート達を失望させるだけ だったが、今度は国を失望させることになる」 「モチベーションが全く違うだろうね」 ☆トゥーリー 「コランジェロと以前話したが、もうオールスター チーム対決には興味がないということだ」 「我々は一緒にプレーしつづける真の代表チームを 必要としている」 このことはオデンやコンリーといった選手が08 年にストライプのユニフォームを着る予定である ことを意味する。 ☆オデン 「俺は五輪でプレーしたいんだ」 「国を代表するなんて名誉なことだろ」 「素晴らしい選手達とプレーできることはいつだ って名誉なことだと思う」 それはほんの3年後かもしれない。 ◇ユース育成フェスティバル参加者 ○レッドチーム ☆D・J・オーガスティン 5−10・G 2006年ドラフト候補 ☆デクアン・クック 6−4・G 2006年ドラフト候補 ☆ブライアン・デイビス 6−8・F 2006年ドラフト候補 ☆ジェラルド・ヘンダーソンJr 6−5・G 2006年ドラフト候補 ☆トム・ヘルツォグ 6−11・C 2006年ドラフト候補 ☆ダミオン・ジェイムス 6−8・F 2006年ドラフト候補 ☆ブルック・ロペス 6−11・F 2006年ドラフト候補 ☆エレミア・リバース 6−4・G 2006年ドラフト候補 ☆スタンリー・ロビンソン 6−9・F 2006年ドラフト候補 ☆ジョン・シェイヤー 6−5・G 2006年ドラフト候補 ○ホワイトチーム ☆ダレル・アーサー 6−9・F 2006年ドラフト候補 ☆マイク・コンリー 6−1・G 2006年ドラフト候補 ☆ジャバリス・クリッテントン 6−5・G 2006年ドラフト候補 ☆イザイア・ダールマン 6−6・G 2006年ドラフト候補 ☆ポール・ハリス 6−5・F 2006年ドラフト候補 ☆グレグ・オデン 7−0・センター 2006年ドラフト候補 ☆スコッティー・レイノルズ 6−0・G 2006年ドラフト候補 ☆カイル・シングラー 6−8・F 2007年ドラフト候補 ☆ビル・ウォーカー 6−6・F 2006年ドラフト候補 ☆ブライス・ウェブスター 6−9・F 2006年ドラフト候補 ○ブルーチーム ☆ドウェイン・コリンズ 6−7・F 2006年ドラフト候補 ☆ウェイン・エリントン 6−4・G 2006年ドラフト候補 ☆トーリー・ジャクソン 5−10・G 2006年ドラフト候補 ☆デリック・ジャスパー 6−5・G 2006年ドラフト候補 ☆ロビン・ロペス 6−11・F 2006年ドラフト候補 ☆O・J・マヨ 6−4・G 2007年ドラフト候補 ☆デショーン・シムズ 6−7・F 2006年ドラフト候補 ☆コーリー・ストークス 6−6・G 2007年ドラフト候補 ☆ランス・トーマス 6−8・F 2006年ドラフト候補 ☆マイケル・ワシントン 6−10・F 2006年ドラフト候補 ☆タデウス・ヤング 6−8・F 2006年ドラフト候補