○議論してみる。 デトロイトがNBAの過去最高ペース で勝ち進んでいることは、ライバル チームとみなされていたインディア ナのファンにとっては、面白くない ことかもしれない。 しかし、そのことは希望をも提供す る。 デトロイトのデューマース社長は 歴史をおいかけてチームを組み立て てきた。 現在の39−6(インディアナ戦前) は、95−96のシカゴと同様の ペースである。 マイケル・ジョーダンをドラフトし、 そしてスコッティー・ピペンをトレ ードで獲得した。 デトロイトは異なる形で同様のことを した。 スターターのうち4人はドラフト選手 と戦力外になった選手である。 そしてデトロイトで華開いた選手だ。 ☆ウォルシュ 「彼らは来た当初はスター選手でない ばかりだった」 「そしてそんな彼らを拾ったんだ」 「しかし、もし彼らのことを振り返 ってみると、彼らはもっとやれると 思える理由がたくさんあったはずで ある」 「そして彼らはそれを証明した」 昨シーズン序盤、ウォルシュは デトロイトと同様の形でチームを 作り上げたかのように見えた。 アーテストの大乱闘で全てが水の泡 に消えたが・・・ しかし、もし補欠陣やドラフト1巡目 後半選手でチャンピオンシップを 狙えるチームが作れるのなら、また 同じようなチームが作れるはずである もちろん、隠れた才能を見つけるのは そんなに簡単なものではないが。 ビラップス、ハミルトン、両ウォレス のような未来があるだろうか? ☆ウォルシュ 「あるよ。きっとね」 「同じような選手がいるよ」 改新はベン・ウォレスとともに始ま った。 2000年シーズン後、デュマースは このチームを主導することになった。 デトロイトは42−40でプレーオフ 1R敗退。 しかもグラント・ヒルを失っていた。 ヒルはサインアンドトレードで出て いくことになり、その時、デュマース はベン・ウォレスをトレードの中に 含めることを主張した。 ウォレスはドラフト外でオーランドに 加入し、5点8Rの成績だった。 彼がチーム再生の柱だった。 1年目は32勝50敗。 プリンスを23位指名で獲得。 さらに現在のコーチであるサンダース からあまりプレータイムを与えられな かったビラップスとサイン。 ☆カーライル(当時のHC) 「スターターでやれるかどうかが ビラップスに対する疑問だった」 「そして彼はやれると考えた」 さらに9月にはスタックハウスを ハミルトンとトレードで交換。 カーライルはスタックハウスのチャリ ティーゴルフコンペの帰りにその 話がありそうだと聞いたという。 2日後、2人を中心とした6選手の トレードが発表された。 スタックハウスは素晴らしいシーズン を過ごしており、その時点では明らか にハミルトンより上だった。 しかしハミルトンはデトロイトに若さ とチームの未来を築くSGとして、 そしてサラリー枠の軽減を期待され た。 そして最後にラシード・ウォレスを トレードで獲得する。 皮肉にも、元インディアナのFWで GMであるビリー・ナイトがアトラ ンタGMとしてデトロイトの躍進を 助ける形になった。 幸運もあった。 そうしてデトロイトはパワーと鋭さ をもったチームに変わった。 2004年にはタイトルを獲得。 昨シーズンは惜しくも敗れたが、 リーグトップチームであることを 示した。 なによりもチームケミストリーが 素晴らしいことはいうまでもない。 ☆デュマース 「才能はあるのはいうまでもない」 「でも才能だけではダメなんだ」 「それになにかを加えなくてはいけな い」 「バスケほどチームの和が大事な スポーツはないんだ」 そしてもう一つ。 インディアナとの決定的な違いは 怪我の少なさである。 ☆ウォルシュ 「羨ましいね」 「3年間主力がまったく怪我をしな い」 デュマースはまた幸運が多いことも 否定しない。 彼は1度フィラデルフィアのアイバー ソン獲得のトレードに合意したが、 ガイガーがトレードにより契約アップ 率が減らされることを嫌がり、トレ ードは失敗に終わった。 ウェバーにマックスオファーをして いたが、断られた。 もし両方とも成功していたら、フィラ デルフィアのような普通のチームに なっていただろう。 デュマースは2位指名でミリチッチを 2003年に指名した。 アンソニーやボッシュ、ウェイドを 回避して。 3人ともスター選手である一方、 ミリチッチはいうまでもない。 ☆デュマース 「まぁなんでもかんでも上手くいく 訳はないよね」 インディアナ、そして他のチームも 全てが完璧である必要はないことは このことから理解しただろう。 先見の明と、ほんの少しの幸運が必要 なのである。