カール・マローンは、観客に近い立場であったが、 ユタに戻ってきたことを実感していた。 アウェーのロッカールームでレイカーズのユニフォーム を着ていても、戻ってきた感覚には変わりがなかった。 ☆マローン 「18年もいたんだぜ」 マローンは膝の捻挫で12月以来プレーしていなかった が、月曜日の朝、シュートアラウンドに参加した。 しかしまだ膝の状態が悪く、ユタ戦は欠場。 彼はスターティングラインナップが紹介された後に トンネルを抜け、ミックスグリーティングを受けたが、 デルタセンターにおいて、初めて敵として姿を現した 彼に対して、会場の約半数の人間の歓声とスタンディ ングオベーションが彼に対するブーイングを上回った。 マローンは試合後特に語らなかったが、ユタと円満な 別れではなく、そして最近もゴタゴタがあったにも係わ らず、戻れて幸せであると試合前に語った。 ☆マローン 「俺も今の生活に幸せだし、ユタもチームが勝てて 幸せだろう」 「俺は彼らを忘れてないよ」 「ともに幸せなのが悪いっていうのかい?」 一月の終わりに、自分そしてコービーを皮肉られ、 レベルの低いクラブだとジャズを非難したマローン の言葉である。 ユタのフロントはマローンとレイカーズに謝罪したが、 先週、オーナーのラリーミラーはマローンの厳しい コメントに対し、文句をいっていた。 しかしマローンの反応は穏やかなものだった。 ☆マローン 「なにがいいたいんだい」 「もう過去の話さ」 「もう俺は他のチームにいる」 「よい暮らしをしているよ」 「ユタの生活もよかった」 「みんな、過去の話をほじくりかえして、事を荒げる」 「くだらないことさ」 「ユタでの18年間は幸せだったよ」 ミラーも試合後トーンダウンした。 ☆ラリー・ミラー 「マローンとは普通以上の関係さ」 「なんの不満もないよ」 マローンは冗談でユタとレイカースの両チームに 所属できれば最高だとFA時にコメントしていた。 97、98年と惜しくもチャンピオンシップに届かな かったマローンはチャンピオンシップを取ることを 望んだが、チームはストックトンが抜け、若いチーム による再建を目指さざるを得なかった。 マローンはジャズファンにもさまざまな反応があること は十分理解していた。 ☆マローン 「レイカースの一員なんだ」 「人々がどう思うかは、私にはどうにもできない」 「自分の気持ちに正直にしたつもりだ」 マローンは月曜日のユタ戦での復帰を望み、可能性は あるといっていたが、結局戻れなかった。 コービーも肩の怪我で失ったことが、レイカーズのHC フィルジャクソンがマローンを復帰させる賭けに出るの を拒ませた。 来月のプレーオフに照準を合わせることがより重要である のは自明だ。 ☆フィル・ジャクソン 「プレーオフ寸前なんだ」 「5分6分なら出られるけどね」 「まだフルコートでプレーできる状態ではない」 「練習でもできないのに、試合でできるはずがないだろう」 マローンがIL入りするのは、初めてのことである。 12月22日のフェニックス戦で、NBA史上第二位の 通算得点になるジャンプショットを決めた際に膝を痛めた のはなんとも皮肉であると本人はいう。 怪我する前までは、18年間でたった11試合しか欠場 していなかった選手にとって、リハビリは新しい経験でも ある。 ☆マローン 「もう後戻りしている余裕はない」 「もう少し休んだら、戻らなくては・・」 「日に日にどんどんよくなってきているよ」