○ミネソタサマーリーグ ミネソタサマーリーグは他のサマーリーグに比べて あまり注目に欠けるリーグになった。 たった2人の1巡目。 トロントのアラウジオとフィラデルフィアのイグオダーラである。 シャーロットの2位指名選手オカフォーは五輪 キャンプで欠場した。 しかしそこにはNBAでやれる能力ある選手が いたのも確かである。 実際のところ、トロントの2年目クリス・ボッシュ あたりは特に出る必要もなかったが、サム・ミッチェル新HCにいいインパクトを与えられたと思う。 プレーは期待されたものばかりではなかった。 トロントとミルウォーキーの試合では73個の ファールコールがなされ、特にアラウジオは、 サマーリーグ非公式ながら最大の10ファール を受けた。 6ファールを受けてもベンチに残れる特別ルール の中、アラウジオはさらにファールを重ね、そして 1つのテクニカルファールも受けている。 ☆シャーロット・5−0 新チームにとって素晴らしいリーグになった。 タイトル獲得した。 しかし3人のローテーションフォワードを使用 している。 去年までサクラメントでプレーし、3年目のジェラルド・ウォレスは優れた才能を見せた。 NBAでもトップクラスのジャンプ力を生かし、 外からもプレーできる力を示し、ゲームを支配 していた。 ニュージャージーでプレーし、2年目のスレイは 中距離からのプレーで存在を示した。 ニュージャージー時代はプレータイムをあまり 与えられなかったが、今回のサマーリーグでは 自分の能力を示すことができたといえる。 カポーノはクリーブランドからシュート力を高く 評価されて獲得された。 今回はあまりその実力を示すことができなかった。 チームの主力として期待されたコーリー・ベン ジャミンは身体能力を示したが、あまり安定感 を示すことができなかった。 ☆デトロイト・4−1 最終戦でシャーロットに敗れた。 2巡目のリッキー・ポウルディングは外から 堅実なシュート力を発揮した。 ただまだ確実にする必要がある。 最も力を発揮したのが、ティリー・ブラウン。 NBA3年目のPGは、積極的に攻撃をしかけ、 相手を抜き去る力を見せた。 19アシストと素晴らしい活躍をしたが、一方で ターンノーバーの多さも目についた。 元ボストン1巡目ジョー・フォーテは、不調に 悩んだ。 注目のイスラエル出身のヤニフ・グリーンは、 ゴールを背中に向けたポストでの動きなどが できることを示した。 ☆トロント・3−2 クリス・ボッシュはたった3試合の出場だったが、サマーリーグで最も優れた選手だったといえる。 アラウジオはトロントに必要なセンターとして ドラフト8位で指名された。 1試合18リバウンドとやれるところをみせた 一方で、リングを背に向けたプレーをほとんど 見せることはなかった。 8点8Rとやれるところは見せたが、動きの遅さ も見せ、さほどインパクトのある選手には思えな かった。 ロジャー・メイソンJrは堅実なプレーメーク を見せ、27アシスト10ターンノーバーだった。 ☆ミルウォーキー・1−4 ザザ・パチュリアが一番目立った。 昨年までオーランドでパッとしない成績だったが、 外からも中でもやれる力を見せた。 動きにさほど素早さは感じないが、チームにとって 重要な選手であった。 2人の3年目プレーヤー、元1巡目マーカス・ハイスリップと、元2巡目ダン・ガズリッチがいたが、 2人は輝きを示すことはなかった。 ハイスリップはやれそうな気配もあるが、プレー のやり方がよく理解していないように見える。 ガズリッチは安定感に欠ける。 ときたま素晴らしいプレーをしたりもするのだが。 PGエディー・ギルはチームを動かせる能力を 示した。 元ミネソタ1巡目のウィリアムエイブリーは 厳しそうだ。 ☆ミネソタ・1−4 ンデュディ・エビに多くの注目が集まった。 6−9の2年目のフォワードで昨年高校からNBA に加入した。 素早い一歩目であるが、動きが固い。 ミネソタでインパクトがあったのが、キース・ マクリード。 去年の1月にミネソタを解雇されたが、強さ、 スピード、そして鋭い動きを見せた。 スタッツ的にはたいしたことなかったが。 CBAでMVPを取った6−8のデイビスは シュートレンジの広さと身体能力の高さを示した。 しかし安定感に欠けた。 ただ彼に興味を持っているチームは多く、ミネソタ がキャンプに呼ばなければ、他のチームが呼ぶ 可能性は高い。 ☆フィラデルフィア・1−4 フィラデルフィアは3人のロースター候補を 投じてきた。 3年目のジョン・ソロモン、2年目のウィリー・ グリーン、そして今年のイグオダーラである。 グリーンは優れた能力を示し、オブライエンHC が、「今シーズン期待できる」と評価した。 PGとしてプレーしたが、SGとしてプレーする のが、ベストのようだ。 相手の激しいディフェンスにも動じない強さ、 そして優れたシュート力。 インサイドにも切れ込め、シュートレンジも 広くなった。 6−7のソロモンも守備面では活躍したが、攻撃 面では不安定だった。 イグオダーラはリーグで最も優れたアスリートで あったが、攻撃面で不調だった。 外からのプレーを強化する必要があるだろう。 しかしフリーでは確実に決める力を示した。 ボールハンドリングにも課題を示した。 一方で守備力の高さをみせ、スターターとしてで なく、リザーバーとして1年目から貢献できる に違いない。 ○コラムニストの評価 ☆1stチーム G・ウィリー・グリーン(フィラデルフィア) G・ロジャー・メイソン(トロント) C・ザザ・パチュリア(ミルウォーキー) F・クリス・ボッシュ(トロント) F・ジェラルド・ウォレス(シャーロット) ☆2ndチーム G・キース・マクリード(ミネソタ) G・リッキー・ポウルディング(デトロイト) C・ラファエル・アラウジオ(トロント) F・ジョン・ソロモン(フィラデルフィア) F・ジョシュ・デイビス(ミネソタ)