「奇跡の復活を遂げた男・・・ポール・ピアース」 「ポール・ピアース」 顔、首、背中と切られ、病院で非常に深刻な状態だった。 家族、友人ともに今後を心配した。 そしてボストンのファンも。 もうNBAに戻れないんじゃないかと・・。 しかし、たった3試合のエキシヴィジョンマッチを休んだだけだった。 信じられるだろうか? この話は、現在NBAでもっとも注目を浴びている若手のヒーローで ある1人の選手の話である。 死にかけたにもかかわらず、奇跡の復活を遂げた男。 ポール・ピアースは、58試合まで出たところで、平均24、2点。 ピアースの話は、この夏から始まった。 彼はワンオンワンゲームの改善の為にLAで練習をしていた。 その練習後、彼はナイトクラブへ繰り出し、3人の男とでくわする。 そしてあの事件は起こった。 ☆ピアース 「ああなってしまったことは悲劇だった」 「だから、今までの人生で俺に起きたことなんてはるかにちっぽけな ものに感じられたよ」 「最初はなんにもわからなかった」 「いつまで病院にいなくちゃいけないのか?」 「どうしてこうなったのか?」 「俺は再びプレーできるのだろうかって・・」 「でも、俺はこういったことを経験したからいまの俺があるんだ」 「この事件がおきてから、俺のバスケが始まったかもしれない」 「事件後、入院しつつも、とにかく気を強くもとうと思った」 「そして、かなりの災難ではあったけど、みんなの助けがあった から乗り越えられた」 「でも、自分が強い気持ちをもっていたから、そんな苦境にも 人々がピアースとバスケについて語るとき、人はみんな彼の 頭の良さを指摘する。 シュート時のステップの入れ方、そして守備の時には、パサー の動きから何をするかを読み取り、ボールをスティールする力 などに優れている。 得点、リバウンド、パス、ディフェンス、どれにも優れているの は彼のクレバーさが要因としてあげられるだろう。 もちろん、身体能力の高さなどもあるが、最大の武器は彼のクレ バーさなのである。 ☆スティーブ・ホージー(兄弟) 「彼の思考回路はかなり高いレベルにある」 「集中力の高さ、そして向上心といったものはNBAでもトップレベ ルにあるはず」 「精神的な強さで彼以上のレベルにある選手は少ないはずだ」 そして、彼はピアースが精神的強さであの状態から立ち直ったと 信じている。 ☆ホージー 「肉体的には、ミラクルが起きる可能性はないと思っていた」 「彼が回復して、そこから出られるようになることなんて、ほとんど 神頼みだったよ」 「しかし、精神力が強いから、精神力でカバーできるかもしれない と、みんなで話していた」 「それを医者にも話した・・」 「ポールは絶対活躍するんだっていってたから、よくなるはずだ、 ってね」 「そして、それは今起こっている」 「彼がチームに戻って、自分の好きなバスケをし、今年チームが 勝つために頑張るという意思があったからね」 ピアースの母、ローレイン・ホージーは、いまでもロスの自宅で 電話を取ったときのことを覚えている。 ☆ローレイン・ホージー 「とにかく神が息子を守ってくれると信じていた」 「そして神は息子を守ってくれた」 「毎日お祈りしたわ」 「そして、そのおかげで息子は助かった」 「神様が守ってくれなかったら、息子は・・・」 「正直自信がなかったわ」 「でも、息子が特別な人間で、きっと息子の精神的な強さが こんな状態から立ち直ってくれるとわかっていた」 ピアースの精神的なタフさは母親から受け継いだものである。 15年前に家が火事で焼けた。 友達の家、モーテルでの約1年間の生活を強いられた。 ☆スティーブ・ホージー 「うちには街に親戚がいなかった」 「だからみんな、自分たちの母親の強く逞しい姿を見てきた」 ☆ピアース 「本当に強い女性だよ」 「俺も彼女の特徴を少し受け継いでいる」 「本当にいつも前向きなんだ」 バスケと無関係に精神的なタフさをつけたというのが非常に おかしなところである。 彼はあまり素人受けはしない。 ティム・ダンカンのように支配的でもないから、あまり高い評価 を受けないのである。 しかし、彼の力は、高い評価へと変わりつつある。 彼の頭を使ったバスケが・・・。 ☆ピアース 「多くのバスケファンが、360度回転ダンクを決めたときに 興奮するだろう」 「でも、俺はそんなプレーをするつもりはない」 「俺のやるプレーは、頭を使ったオールラウンドなプレーなんだ」 「俺の理想は、ポンプフェイクで相手をかわして、ワイドオープン からシュートを決めることなんだよ」 「勝っても、地味だからテレビ受けはしないんだけどね」 「でも、もちろん俺はティム・ダンカンのプレーも好きだよ」 「彼はトップPFだよね」 「彼のように支配的にプレーしてみたいとは思うよ」 「俺の時代がいつかくるはずだよ」 「テレビ受けなんてしなくても気にしないよ」 「NBAには色々なプレーヤーがいたっていいだろ?」 「とにかくチームのために毎日頑張るだけさ」 その精神力は再びチームを救うかもしれない。 だって、死に打ち勝ったんだから、墓場からセルティックスを救い だすことくらい朝飯前なはずだからね。