○スパニッシュチョコレート ヨーロッパ選手権の準々決勝。 スペインはロシアと相対し、セルジオ・ロドリゲスが ボールを持っていた。 周りの仲間はロドリゲスが相手と1対1になるように した。 ロシアの少年はなんとかロドリゲスを抜かせないように していたが、ロドリゲスがドライブを始めた瞬間、 それは無駄なことだった。 ロシアのコーチは選手を叱咤したが、結果は変わらず、 ロドリゲスはロシアのディフェンスを抜き去り、レイ アップを決めた。 ロシアの少年は泣きながらベンチに下がり、ロドリゲス は何事もなかったかのようにコートの反対側を歩いて いた。 同じ大会で、彼は2度の相手の股下抜きパスを決め、 さらに何度となく、ノールックパスを決め、観客に 衝撃を残した。 15人のNBAスカウトの1人は1巡目の選手だと ロドリゲスを評価した。 ロドリゲスはスペインを金メダルに輝かせ、MVP になった。 ジョハン・ペトロやネマンヤ・アレクサンドロフなども いたので、誰がNBAが最も注目する選手かというのは 議論の余地があろうが、すくなくともロドリゲスが もっとも輝いていた選手であることは間違いない。 そのことは、みなが白チョコといわれるジェイソン・ ウィリアムスのように、ロドリゲスが「スパニッシュ チョコレート」といわれることからも伺える。 ロドリゲスは小さい頃からウィリアムスのファンでも ある。 ロドリゲスはウィリアムスに似ているが、より欧州人 のように精製された選手である。 ウィリアムスは黒人の魂をもった白人選手と表現して いるのもロドリゲスをひきつける。 ☆ロドリゲス 「僕もコートにいるときは黒人のような気持ちを持って いる」 「でも、オフコートでは悪さをするような生活は送り たくないけどね」 実際に、彼の両親は教師である。 もう既に所属チームからいい給料をもらっている。 スペインにおいて、アメリカのようにプレイグランド における伝説というものはほとんど存在しない。 しかしロドリゲスはそれに近いものを持っている。 ウェブサイドなどをさがせば、みつかるだろう。 ロドリゲスもアメリカのプレイグランドでバスケが できることがうらやましかった。 ☆ロドリゲス 「アメリカの選手はそこで一生懸命プレーしたと聞く」 「僕の友達がアメリカに行ったりすると、かならず プレイグランドはどうだったか聞くんだ」 彼はまだNBAで能力を示すチャンスは得られていな い。 しかしストリートボールの伝説とは1度相対している。 昨年の4月にセバスチャン・ティルファーとナイキ・ フープ・サミットで対決しているからだ。 また再び2人はNBAで相対することになるだろう。 ○NBAへ ロドリゲスはチームの3番目のPGだったが、チーム がこの夏動きをみせたために、バックアップの役割が まわってきた。 プレシーズンでも活躍したので、さらにプレータイムを 得ることができるだろう。 欧州リーグでは一般的に若い時期から能力がある選手 を賞賛することは、その選手を長期的な面でダメにする といった傾向があると考えられている。 それゆえにコーチ達がNBAにいける存在だということ を認めることはめったにない。 それはガソルもそうだったし、ロドリゲスもそうで ある。 しかし実際、ロドリゲスは未来のNBA選手であろう。 彼の元のコーチもそう考えるし、彼のプレーはNBA の方がより生きるだろう。 彼も実際NBAに心が向かっている。 ☆ロドリゲス 「いつもNBAのことばかり考えているよ」 「子供の頃からの夢だしね」 もちろんその道はたやすくないかもしれないが、 エージェントはもうNBAでやれる選手であること は理解している。 ウィリアムス以外で誰が好きかと聞けば、彼は マグレイディー、ガーネット、ガソルあたりとコメント する。 彼はアディダスとまもなくシューズ契約を結ぶだろう。 彼はプレーすることに最大の喜びを感じている。 他の試合を見ても興奮の中に入れない。 ☆ロドリゲス 「つまんないよ」 「ただ見てるのはね」 「プレーする方が楽しいよ」 彼は朝も練習し、夜にはプロのチームで練習する。 いつもプレーしたいと思っている。 アメリカのプレイグランドのようにいつでもプレー できればと思っている。