今、旬の話題といえば、黄薔薇と紅薔薇のつぼみの妹が誰になるか?ということ。
でも、ブゥトン達のブロックは固い。
由乃さんにはそんな話題を匂わせただけでピリピリしてくる。
祐巳さんには二人の妹候補の噂をすると、そんなことない、て否定する。
(顔色を見ている限り、本当、だと思うしかない。うん。)
お姉さまであるロサフェティダロサキネンシスにインタビューと思ったけれど。
ロサフェティダはカラカラ笑うだけで。
ロサキネンシスは、、背筋も凍る微笑を浮かべるだけで。
おお怖。

とくればもう一方の当事者、妹候補にインタビュー。
と思ったけれど。
由乃さんの妹候補は未だ判明せず。
祐巳さんの方も。
一方は一年生にして祥子さま張りの迫力。
もう一方は24時間そうではないかと思えるような女優。
うむうむ。
どうしよう。

ここは地道に固めていくしかない。
周辺からじっくりと。
祐巳さんには悪いけど。
妹候補の周辺、探らせていただきます。

幸い可南子さんも瞳子さんも同じクラス。
クラスメイトには一年生の部員に当たらせる事にして。
部活動の先輩方には失礼の無いよう私がインタビューすべきだな。
といっても。
可南子さんは正式に部活に入っていない。
とりあえず行き先は瞳子さんの所属する演劇部、しかない。

お昼休みに三年生の教室に。
ここには実質には引退したけれど、演劇部の部長のいる教室。
突撃、じゃ部長さんにも瞳子さんにも、祐巳さんにも失礼だし。
きちんとしたインタビューにしたいから、きちんとアポイントを取る。

取材の趣旨を説明し、口説いてみる。

将来有望な部員の将来がかかってますよ
演劇部の将来にも影響することです
部長として何か、思われることはないでしょうか

ん、ちょっと危険な感触。この線で攻めるのはだめかな。

瞳子さん、かわいいですよね
かわいい後輩の将来、いかがお考えですか

あ、ちょっとだけど笑顔を引き出すのに成功。
このまま一気に畳み込んで、、、。

演劇部の練習が終わった後、になるけれど。
瞳子ちゃんにはしばらく内緒よ、っていたずらっぽい表情をされて。
インタビューに応じてもらえることになった。

指定された時間になって部室におじゃますると、部長さんはレオタード姿で。
少し汗がにじんでいる。
脚本や監督をすることが中心で、俳優が足りない時しか舞台に立たないとお聴きしていたけれど。
立ち姿はまるでバレリーナ。
なかなか決まってる。
昔やっていたのよ、とちょっとポーズを決められる。
バレエ、ですか、素敵です。
もう基礎だけで一杯一杯だけどね。

そのままタオルを肩にかけながら、椅子に座られて。
着替えられなくていいのかな、ちょっと席を外そうか、と思ったけれど。
じゃ、はじめましょう

恐縮しながらインタビュー開始。

まず、今年の一年生についてお聞きしてから。
瞳子さんについて。
最初の印象。
練習態度。
等など。

それからそんな具体的なことからもっと心象的なことをお聞きしようとしたとき。
わたしだけレオタードって不公平かも
そういってがたんって音を立てて。
もう一歩分私に椅子を近づけた。

あなたもレオタードにおなりなさいな
え、え、突然なんですか、
記者なんでしょ、郷に入らば郷に従えってね
いえ、ご遠慮いたします
えーいいじゃない、潜入レポートみたいで
いえいえ結構です
よくテレビでレポーターとかアナウンサーもやってるじゃない
いえ、リリアンかわらばんはそんな派手なことしないですから
さて、シャワーを浴びて帰ろうかしら、今日は楽しかったわ
、、、、、お借りいたします、わたしのサイズ、あるでしょうか。

はぁ。

レオタードなんて着るのは初めて。
あまりでこぼこのないプロポーションだけれど、でも恥ずかしい。
わたし文化系なのに、ってあまり理由にならないことを思って恥ずかしくなる。
着替えが終わって部室に入ってこられた部長さんはにっこり。
きゃーっ、なかなか似合うわよ、て大喜び。

はーっ。
さっさと終わらせて、、、いやこうなったらしっかり取材しなきゃ。

同学年は瞳子さんをどう見ていると思いますか
では、二年生、三年生はどう評価されていますか
瞳子さんと他の部員の方々との関係をどう思っておられますか
そんな硬い質問の後。

瞳子さんは山百合会に出入りされていますがいかがお考えですか
瞳子さんは演劇部に専念されるべきでしょうか
薔薇のつぼみと親しくされているそうですが
瞳子さんのお姉さまにはどんな方がお似合いと思われますか
ちょっと大事な質問になってきたところで。
すっと、部長さんの手のひらが動いて、わたしの頬を包んだ。

いつの間にか、部長さんはわたしのすぐ目の前。
微笑みを浮かべておられた目は細く横に切れてて。
にっこりからにやりって不吉な笑顔になってる。

ぱぁっと頭に血が昇って、またがたんって今度はわたしが音を立てて。
立ち上がったけれど、部長さんも一緒に立ち上がられて。きっと予測していたに違いない。
逃げ出すチャンスを失った。
あ、でも、レオタードじゃ逃げられない。

わたしはツいてなかったわ、あなたみたいなタイプ、先輩方にも後輩達にもいなかったんですもの
演劇が好きだから、演劇部が好きだから、後を任せられる妹を持ったけれど
質問に答えるわたしを真剣に見つめて、わたしの本心をも捉えようとするあなた
素敵よ、かわいいわ、食べちゃいたい

すばやく左手を腰へ、右手を脇からうなじにまわされて。
絡め取られるわたし。
両手で引き剥がそうと身体をひねると、後ろに押し倒される。
ばすん、きゃっ
丁度長いすがあってふたりでそこに倒れこむ。よかった、って!
偶然にしては。
手馴れている。
手馴れ過ぎてる〜!

万事、そんな感じ。
どう抵抗しても、うまく部長さんにあしらわれて。
きっと今まで何人もの生徒が毒牙にかかったに違いない。
クモの巣でもがく自分の姿が思い浮かぶ。

どんどん愛撫され、レオタードが脱がされてゆく。
もう、肩も胸もあらわになって。
うなじにキスされ、乳房を愛撫され、舌を這わされ、、
少しずつ頑なにしていた身体が解されていくことに困惑し、

そして薄絹が腰まで降ろされたとき

お姉さま、お姉さま、助けて!

その日はじめてお姉さまのことに思い至ったのだった。

そう、わたしにはお姉さまから引き継がれたものがある。


攻撃は最大の防御なり。


リサーチはまったくできていないけれど、お姉さまの御技、使わせていただきます。

反撃?にでたわたしに、まぁ積極的、と喜んだ部長さん。
でも胸を強く責められたりお尻を割れ目をなぞられたりすると効果的とわかると、形成は逆転、後は芋蔓式。
レオタードの上からの愛撫で蕩けさせてから、今度はわたしが脱がせてゆく。
下級生の前で演劇部部長が足を開いて。
その下級生の指をせがむ。
胸や太ももを愛撫しながら、でも指はまわりをゆっくりじらすだけ。
耳元でささやく。
今までどれぐらい毒牙にかけたんですか?
犠牲になった方々ってどなたですか?
いいお返事にはちゃんとご褒美を。
指をゆっくりと沈めながら。
ささやきを続ける。

瞳子さんのお姉さまにはどんな方がお似合いと思われますか?

小さなボイスレコーダから原稿を起こす。
部室にはもう誰もいないけれど、イヤホンをして。
こんなの誰にも聞かせられない。
あーっもう。
頭を抱える。
録音しながら取材していた、けれど。
わたしの声はぼそぼそと。部長さんの声は途切れ途切れだし、そもそも内容が支離滅裂。
そのくせ喘ぎ声とすすり泣きばかり大きく入っていて。
それでも何とかならないかとあがいてみる。

あむ
ひゃあぁ

なんて声なのよ、と後ろから。
お、お姉さま!いつの間に!
慌ててボイスレコーダを止めながら

いきなり耳をかじらないで下さい!
甘噛みよ。それよりも、イヤホンでもそんな音量が大きいと丸聞こえよ。きゃあぁぁ〜
え、あ、い、違います、誤解です、そんなことありません
わたしの妹がぁ〜わたしと言う姉がいながらぁ〜い〜やぁ〜
わざとらしい言い方やめてください!

プイッと背を向ける。
怒ったふりをする。
でも本当は、悲しい。
お姉さまを裏切る行為をしてしまったこと。
それをお姉さまに知られてしまったこと。
だからもう顔向けできない。
ごめんなさい、と言いそうになって。
涙が出そうになって。

後ろから肩を抱かれた。
暖かい、お姉さまのぬくもり。

このスキルまで引き継がせるつもり、なかったんだけどね。ごめんね。

いえ、そんなことありません、、わたし取材中に襲われそうになって、そのとき、助けてってお姉さまのことを思い出して
お姉さまに愛していただいたことを思い出して
こんなことしていいのはお姉さまだけって勇気をだして
だからお姉さまに助けていただいたんです
お姉さまのおかげです

そのまま、肩越しに頬擦りされて。
悲しさはどこかに行ってしまった。

テープお越しは止めにして、一緒に帰ることに。
ところであれは誰だったの、とお姉さま。
演劇部の部長さんです、と答えると、お姉さまは目をまんまるに。

あれ、ホンモノよ。わたしだって近寄らないようにしてたのに、、勇気あるわね〜

、、、、、
そ、そ、そ、そ、そ、そ、そういうことから先に引継ぎしてください!!!

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