さっきからずっと、かどっこに隣り合うように。
ふたりでこたつにあたっている。
そう寒くもないのに両手とも入れて。
胸までおふとんをひっぱって。
籠盛りのみかんとテレビのリモコン。
こたつの上のそれを、ふたりでずっとみている。
ファンヒータの送風音がゴーッて。
途切れることなく続いている。
瞳子を見る。
伏し目がちにはしているけれど、その瞳に。
みかんの色が移りこんで見える。
そのおおきな瞳に。
すぐ傍にいることを実感する。
その瞳が動いて。
こちらを一瞬見て。
そして閉じられる。
そのまま瞳子は体をくずして。
私にしだれかかるように寄り添う。
私のほおにひたいを寄せ、深く長い息を吐く。
そのまま体を私に任せるように。
私を押し倒してゆく。
腕を廻され、腕枕をされる。
もう一方の手も私に。
優しく私の胸を、その型を確かめるように触れてくる。
その手はだんだん強く押し付けられていき、でも、優しさは変わらない。
ほおにキス。触れるようなキス。
やわらかい唇ではさむような、優しいキス。
吐息を吐く。
それはとても甘くて、自分でも少し驚く。
そしてそれに誘われるように。
瞳子の唇が私の唇を捕らえる。
薄く開けただけの唇を触れさせるだけ。
でも、何度か交わすうちに。
その度に。
甘い吐息が。
押さえられなくなる。
瞳子の手は滑るように腰に。
そしてももから腰へ、何度も愛撫。
めじりやみみやあごまで。
たくさんキスされているうちに。
スカートをたくし上げられていることに気付く。
ショーツの上から触れるような愛撫が続く。
だんだん指が、ショーツにもぐりこむように。
瞳子の手のひらが、私の腰に。
じかに触れると、とても暖かい。
私も手を伸ばし、瞳子のスカートの中に。
同じようにショーツの中に。
瞳子のお尻。
じかだと、ひんやりとしているけれど。
その分瞳子は、暖かく感じてるはず。
お互いに触れ合って。
お互いの肌の感触を感じて。
暖かさを感じて。
だんだんキスが激しくなるのは。
焦らしているわけでなく。
思いが高まってきているから。
心の中が、一つのことに締められて行くから。
ニットを捲り。
ブラウスをはだけ。
白かった肌を愛撫で朱に染め。
ふくらみを包み、突端を転がし。
キスを続けていられなくなり。
そしてより深く身体を重ね。
もう一度、お互いに。
ショーツをずらし。
中指でなぞるようにし。
相手の荒げる息でまた興奮を高めて。
指の上下は早くなり。
押さえられなくなり。
声が押さえられなくなり。
繰り返される、言葉。
何度も繰り返される、言葉。
そしてそれば同時に、ひときわ大きく。
志摩子さぁっ、んっ!
お姉さまぁッ!
衣を正して。
また、ふたりでこたつにあたっている。
両手とも入れて。
胸までおふとんをひっぱって。
カチャリ、と玄関から音がする。
音の主はそのまま居間まで。
お土産の箱をこたつの横に置き。
そのままこたつの空いた席に入る。
ただいま
菫子さんのただいま。
でもそれに返す言葉が、いまは出ない。
、小母様、申し訳ありません。
小さな、瞳子の声。
気にしないいいんだよ。
私達だって、、悩んだことなんだから。
そう、どれだけ悩んだことだろうね、、、。
あの時の私達が望んで得られなかった時間。
欲しかった暖かい場所。
それを今、誰かさんたちに用意するぐらい、どおってことないよ。
帰り道にメープルパーラーに寄ったんだ。
さぁ、お茶にしよう。
三人で薫る紅茶。
甘いお菓子。
そして、暖かい場所。