背の高い窓の側に誰か立っている。淡い光に透通るような人だ。
ボクはどうやらベッドに寝ているらしい。
それも、物語の中に良く出てくる天蓋のついたレースカーテンがあるベッド。
窓の背の高さから天井のとても高い大きな部屋にいることが判るけれど、
もちろん、覚えのある場所じゃない。

永い永い夢を見ていた。
どこまでが夢でどこまでが本当のことなんだろう。
姫宮は?
ディオスは?
デュエリストは?
本当にあったことなんだろうか?

でも、あの声、あの悲鳴は、夢とはとても思えなかった。
だとしたら、また、誰かに助けられたのだ。
姿は見えなかったけれど羽のある人だったことだけは判る。
天使?
それこそ信じられないけど。
王子様の次は天使か。
よくよく、とんでもない人に救われる星の下に生まれたらしいや。

ウテナはちょっと身を起こして窓際にいる人をもっと良く見たいと思ったのだが、
たちまち、激しい痛みに声を上げる。
「いたたた」
どうやら、夢はかなりの部分、本当にあったことらしい。
腹部の傷がディオスに付けられたものなのは疑いがない。

ウテナが見ようとしなくても、窓際の人は、
ウテナの声を聞いた瞬間に弾かれたように、枕元にやって来た。
レースのカーテンを開き心配そうに覗き込んだ顔を見て、
ウテナは仰天しさらに激しい痛みを引き起こしてしまう。
「いたたた」
その人は優しく言った。
「まだ、身体を起こそうとしてはダメです」
そう言われても、こればかりは難しい。
なにしろ、髪の長さ以外はまるで鏡に映したように自分そっくりな顔がそこにあったから。
ウテナが驚いて起き上がろうとするのも仕方ないことだった。

その3その5
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